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読書感想「昨日がなければ明日もない」宮部みゆき

2021年05月16日 16時51分08秒 | 乱読本感想
文春文庫 2010年5月10日

昨日夕方、本書が発売されている事を知って書店に車を走らせた。
そして、3篇を先ほど読み終えた。
「希望荘」以降、杉村三郎はどんな生活をしているのだろうかと、タイトルもろくに見ないで読み始めた。
大家の竹中家の皆さん、「侘助」のマスター、オフィス蛎殻の蛎殻とスタッフたち、懐かしい!杉村とその周りの人たちとのかかわりを微笑ましく感じながら読み進む。
正直、杉村が受けた仕事など添え物くらいにしか思っていなかった。
依頼の仕事はほぼ終わったと思ったところから、闇が見えはじめた。
あっ!タイトルは「絶対零度」だった。
宮部みゆきはそういう作品を書く人だった。
杉村とその周りの人に再会できた喜びで忘れていた。
悲しいな。
次の「華燭」は心して読んだ。
そして、「昨日がなければ明日もない」
もう、本当に救いようのない女性が出てくる。
「名もなき毒」の苦さ重苦しさを思い出した。
その持つ”毒”の前ではどうしようもなく無力だ。
”毒”の影響を見届けることしかできない杉村を私は読むことしかできない。
このシリーズは目をそむけたくなることが多くある。
だったら読まななければいいとも思うが、杉村から目が離せない。
私が見ることができないものを見ている杉村三郎を見ていたい。

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