モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

芸術を作るために関わる美術

2023-04-06 23:51:51 | 大人 油絵・アクリル


大澤 油彩

ナツメ先生がイギリスに行っていた1ヶ月間のみですが、水曜夜間大人クラスを担当しておりました。マユカです!本日はその際に大澤さんが制作されていた油彩が完成しましたのでご紹介します。

こちらの作品は新聞に印刷されていたバレエの宣伝広告を見ながら描かれました。少し色の褪せたポスター写真だったのですが、とても鮮やかに活き活きと画面に油絵具を乗せ、白鳥の湖の一場面を切り取っています。躍動感のある構図、周囲の暗さとライトの色が主役の純白の衣装を際立たせており、その上品な白がより美しく映えています。羽のようにふわりとしたスカートの透け感や手指のしなやかさ、バレリーナの足の少し筋肉質な雰囲気まで忠実に描写されています。また、白い衣装の影色として青を使用し、光が当たる面には背後にあるライトの色を追加することで、白が浮いてこず、周囲の空気となじませ、円形に開いたスカートの立体感を出すとともに、実際にはそこにない湖面の反射すら感じさせるようです。

大沢さん自身もバレエの公演を見に行ったことがあるそうで、その時見たバレリーナの姿はとても美しかったと話されていました。バレエなどのこういった舞台にはたくさんの美術が関わっているのですが、例えば舞台上の演者を遠くからでも見ていて楽しめるよう、色彩の配慮はもちろん、セットや照明、衣装など幅広く工夫されています。特に照明などはバレエの舞台特有の演出がありますが、視覚的変化(照明によって創り出す空間)を感じさせることを無形技術などと言うそうです。絵画や彫刻などは形が残る芸術ですが、空間の演出のための空気や光などの形が無いものも芸術の一つであるというのはなんだか面白いですね。
皆様も舞台鑑賞に行く機会があれば、是非セットや衣装以外の照明やその色彩に注目してみてくださいね!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2匹のいる空間 | トップ | 様々な水辺 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

大人 油絵・アクリル」カテゴリの最新記事