モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

狂気のカーニバル!

2015-07-14 02:46:45 | 小学生 絵画
前回は、僕の愛して止まない「小学校低学年の油絵」をご紹介いたしましたが、今回は「小学校高学年の油絵」であります。 (南澤)

あれほど伸び伸びと美しいデタラメな絵画表現していた小学生も、高学年になると、どうしたわけか魅力を失ってゆくと(勝手に)思っています。つまりウマくなってしまうのです!
もちろん本来喜ばしいことですし、無理にヘタに描こうとする小学生がいたらホラーです(笑)とすると、魅力がないのは、実のところ我々の責任なのであります。そこで、今回のモチーフは、高学年に特化したモチーフを仕掛けることにいたしました。もうどんなに上手く描こうとしても描けない複雑な構造と、描けば描くほど彩度の高い色になってしまう色彩のモチーフ。
ヤケクソです!

それではご紹介いたします。まずは、この実験モチーフと、それにちゃんと向き合ってくれた、こころの美しい少女聖奈ちゃんの作品の写真です。

オモチャたちのカーニバルです。シュールな色合いの積み木が散乱するなか、神楽に乗るのは、仮面ライダーとその仲間アンパンマンとドキンちゃん!パレードを盛り上げるバックのピンクの色、ナイスです!オルゴールの行進曲のメロディーが僕には聴こえますっ そして上手いのに好いです!!

いやはや、下心だけで何の確証もない博打モチーフでありましたが、ひょっとしたらイケルかもしれません。まともに組んだモチーフの作品も交えつつ、もっと観てまいりましょう。

素晴らしいです。どのパレードも鮮やかな色彩と摩訶不思議な形たちが踊っています。そしてどうした事でしょう、いつものモチーフ静物の絵たちも、なんだかいつもと違ってその安心感が魅力的に見えてくるではありませんかっ!!

ありがとう、狂気のカーニバル!ありがとう、仮面ライダー!(笑)
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刹那

2015-07-13 15:16:01 | 小学生 絵画
月曜クラス 低学年 油絵

どうも幸介です!月曜クラスも油彩が完成いたしました!ここのところ毎週、生徒の皆にTシャツから腕から足まで手形をつけられたりしていた僕にとっては、ようやく台風が過ぎ去ったなぁという感覚です。これで今週からはようやくオシャレでナウな服が着れる!!なんて思っておりましたが、さっそく今日もおNEWのズボンを汚されたのでした……特にY君とS君に執拗に汚された…汚されちゃったよ先生…

さて、油彩に話を戻しまして、本日ご紹介するのは低学年(1~3年生)の作品。油彩の扱いにくさというか融通のきかなさが、小学校低学年の、これまた融通のきかなさと相まって、とても魅力的で美しい作品が出来上がりました。直感的に色を選んでこだわりながら混色して塗り、はたまた道具の用意の面倒さから「今ある色でここも塗ってしまえ!」という雑さも扱いながら塗り付けます。このアンバランスな混色や配色が、低学年の油彩を魅力的に魅せている一因になっているのではないかと思います。偶然性の魅力ですね。

例えばコーラの瓶のガラスは緑ですが、中身の液体は補色に近い茶色です。大人だったら、両方を混ぜたり、下地と本塗りで色を使い分けてみたり、細かく色面分割しながら塗るかと思います。当たり前ですが、考えながら塗るのではないでしょうか。ボーっとしながら、しっかり描くのは難しいですよね。しかし彼らは、ボーっとしたり別の事を考えたり、究極なとこだと、自分でも何をしているのかさっぱりな状態でも作業の手を進めます。ここが偶然性が生まれるポイントで、彼らの絵の美しさや尊さの要になっているのだなぁと感じました。刹那的で偶然的、いわば大人がコントロール不可能なものなので、僕らは魅力を感じるのです。

刹那的に生きる彼らにとって、同じ絵を毎週毎週描かされるのは苦行のようだったかもしれません(先週のブログでカエ先生も言ってましたが)。十年以上先になると思いますが、この低学年特有の魅力がもう取り戻せないもの・尊いものだと分かったとき、きっとこれらの絵の価値は彼らの中で倍増するハズです。それまで大事に保管してほしいなと、心から思います!!
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メインだけではなく

2015-07-11 22:07:54 | 大人 油絵・アクリル
坂本 油彩

ご無沙汰してます、岩田です!今回は土曜午前クラスの坂本さんの油彩です。
こういった所謂風景画というスタイルで描かれるのはお久しぶりですがご自身が登られた高尾山の風景を描かれた一枚です。
紅葉で色づいた木々がとても大胆に表現されております。特に赤や黄色といった葉っぱが凄く鮮やかに描かれており、長い時間をかけ登頂し目の前に現れたその色の美しさに対してご自身が受けたその場の感動が伝わってくるようです。

私がこの絵の中で特にいいなと感じるのが階段から手前にかけての「影」の描き方です。作品画像では分かりにくい部分はありますが相当色に拘っているんですね。やもすると同じ色でさらっと描いてしまいそうな影ですが細かい単位で比較的厚めに様々な色の絵の具を載せているので影の中までも見ごたえがあるんですね。

紅葉を描いたようなものだとやはり木々がメインになり地面に落ちる影などは手薄になるのが当たり前だと思うんですがそういったところにも面白みを作っているところにこの絵の魅力があると感じます。

ここにきて絵の具の使い方に大胆さが増している坂本さんの絵ですが筆だけでなくナイフを使ってマチエールを作ってみるなど絵の具の「色」という側面から「物質」としての面にも興味を持って頂けると嬉しいです。更なる進化を楽しみにしてます。
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木クラスも油絵完成!

2015-07-10 15:08:07 | 小学生 絵画
雨が続く毎日ではございますが、皆様お元気でしょうか。早速木曜日小学生クラスの活動のご報告をしたいと思います。火曜日南澤先生に引き継ぎまして、油絵でございます!
2ヶ月もの間ずっと同じ絵に向かい挑戦し続けるのはさぞ大変だったでしょう。よくやったね~!と、一人一人褒めたい気持ちです!
ミオスOGの私ですが、正直言って当時はあまり油絵が好きではありませんでした。せっかく上手に下描きを描けても思い通りに塗れないし、量感も難しく、全く完成系がわからない…。完成のビジョンが浮かばないまま、先生にOKを貰うまで曖昧な指標のもと製作し続けるのはとても辛く、油絵の期間に突入すると自然とアトリエに行くのも嫌になっていたり…。しかし油絵を持ち帰ったらお母さんはとっても喜んでいたので、大人受けはいいけど子供としてはしんどいみたいな、難しい内容だったなぁと思い出しました。
そんな小学生時代の体験を踏まえて、少しでも楽しんで描けるようにせめて楽しいモチーフをと、モチーフを組むのにとても苦労しました。絵をご覧になりお分かりかとは思いますが、動物の骨と怪しげな薬と、金貨を散りばめ、蝋燭に火をつけて、「海賊のテーブルの上」をイメージしてセッティングしています!ワクワクする内容、毒々しい色合い、この不気味な雰囲気を小学生諸君はどう描いてくれたのでしょう?!
完成系がこちら↓

木曜クラス 低学年 油絵

めちゃくちゃ華やかですね~!!瓶の中の緑の液体も、実物よりも鮮やかに、金貨もキラキラ豪華に描けています。圧倒的ボリューム感!
小学1・2年生だって負けていません。葡萄のみずみずしさも表現できていますし、配色も頑張っています。みんな苦労していた鳥の質感も、毛並みを意識して塗れていますね!
授業中の様子としては、やはり集中力が持たないので、それぞれがガス抜きの時間を自分で設けて絵に戻るというスタンスで上手く自己管理してやっていたなぁという印象です。小学生にとって長い期間かけて同じ絵を描き続けるのは苦なことだったと思いますが、その甲斐あっていい出来の油絵になり、とても嬉しいし、モチーフを組んだ身として内心ホッとしました!!
翌週小原先生から「アトリエの下でその絵を売ってこい!」と命じられ(笑)、みんなで一緒に客引きもしましたが、なぜか売れず!私は下で売れなかったのは絵のせいじゃなくてマーケティング戦略のせいだと思っています!!
来週は高学年をご紹介します。   菅原
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小学校受験プライベートレッスン

2015-07-09 23:35:21 | 小学校受験

年長 作品
今秋私立小学校を受験される年長さんの作品です。どちらの作品も先生と生徒さん1対1のプライベートレッスンで制作したものです。
今まで、絵画と工作の基礎をしっかりと身につけてきたからこそ、このようにお絵描きでは難しい構図にチャレンジしたり、オリジナルのアイデアを盛り込んだ工作ができるようになり、日々々の成長ぶりを実感しています。
小学校受験では、行動観察という観点がかなり重要視されています。作品の完成度が高いかどうか、できたできないの結果だけでなく、制作過程において、自分でどのように考え行動してきたかという「ものごとに取り組む意欲」がその子から汲み取られるかが重要なポイントとなってきます。

これらの作品は、与えらえた課題に対しての自分の考えがしっかりと伝わってきます。制作後の作品発表の内容をご紹介します。
左:私は将来お医者さんになりたいです。今までに2回入院したことがありますが、注射するとき怖かったので、もし私がお医者さんになったら、患者さんが怖くならないようにしたいです。その為に、私は虹色の服を着て、ベットのシーツをお花柄にして、気持ちのよい病院にしたいと思います。
中央:お母さんへのプレゼントを作りました。お母さんは、いつもお洒落な洋服を着ています。もっときれいになってほしいので、お母さんが大好きなお花と宝石がたくさんついた帽子を作りました。
右:私は、虹色の虫かごを作りました。虹色がきれいだなと思って、たくさんの昆虫が集まってくるような虫かごです。私は虫とお友達になりたいです。

どの作品も相手のことを思い、どうしたらその人が幸せな気持ちになるか考え制作しています。発表の言葉から、その子の広い視野や相手を思いやる気持ちが伝わりますね。パターン化されたものをトレーニングした作品では、このような言葉はきっと出てきません。一人一人感じ方は異なって当たり前なので、自分が感じたこと考えたことに自信をもって制作したものには、その子らしさの魅力が作品に溢れ、また言葉にも頼もしさを感じます。

これからは、今まで習った基礎を土台にして、志望校対策の応用発展の力をつけていく時期に入ります。秋本番まで、制作が楽しい!と思って当日を迎えられるよう、お子様の可能性を引き出すコミュニケーションをとりながら制作のサポートをいていきたいと思います。
伊藤 絵里
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二枚目inアトリエミオス

2015-07-08 22:59:52 | 大人 油絵・アクリル

鈴木N 油彩
最近やたらと冷製スープばかり飲んでおります、磯辺です。
今日は水曜日夜クラスの鈴木さんの作品を紹介させていただきます。
小原先生がクロアチアに旅行に行った際に撮影した、プリトヴィッチェ湖群国立公園(世界遺産)の写真を見ながら制作された油絵です。プリトヴィッチェは大小16の湖が92の滝と繋がった、エメラルドグリーンの幻想的な景観です。

ワタクシ最初、「この透明度の高い水を油絵で表現するのは難しいですよ〜」などと鈴木さんに言ってしまったのですが、正直、私が次に見た時にはもう湖になっておりました。私が手を入れるでもなく、質問されるでもなく、ただそこに湖が出来上がっておりました。は、はやい・・・。水に沈んだ木の感じが必要最小限手数で表現されております。
一枚目のお花の絵ではモチーフ一つ一つと長時間格闘されていたのですが、今回は完成までにたったの一ヶ月強です。しかし、その脅威的な速度にもかかわらず、例えば葉っぱの部分なんかは一枚一枚点々で丁寧に描かれております。手前の枯れ枝や奥の針葉樹などはナイフをつかってシャープに描かれており、質感の違いが伺えますね。
そして空ですが、エメラルドグリーンの湖を引き立たせるように湖とは違った色合いの青をしっかりと使っております。真ん中の滝ははっきりとした白で描かれているのに、端の方の滝はそこまではっきり描かれていないのもいいですね。

先週ブログで、ミオスの人々の「二枚目」はクオリティが高いと思います!といっておりましたが、またしても見せつけられてしまいましたね・・・。うぬぬ。
現在制作中の油絵も今日二週目にして危うく(笑)完成させてしまいそうな勢いだった鈴木さん、あんまり早いと二枚まとめてのアップになりますからね!次の作品も楽しみにしております!
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悪人の誘い

2015-07-07 02:08:57 | 小学生 絵画
本日ご紹介するのは、火曜日小学生クラス低学年の油絵です。    (南澤)

火曜クラス1年生6人+2年生1人の油絵完成、一番乗り!

なにはともあれ絵画といえば、油絵です。アトリエミオスに於いても花形授業の趣きがある油絵課題でありますが、さあ、続々と完成してまいりました。
まずは小学生低学年から。僕にとっては、個人的にもっとも好きな年齢の絵画になります。

でも、一体なぜそんなに彼らの絵に惹き付けられるのか、よく自問してみるのでありますが、これは多分、ハッキリ言えば、下手糞だからなのです。
勿論、ヘタなら全て好いという訳ではありません。彼らの絵の特筆すべき点は、観たいように観た結果がそのまま出来上がっている絵なのです。描きたいモノは巨大化され、描きたくないものは全く無惨に省略されて、傍若無人、荒唐無稽の極みです。しかも、彼らは全く悪びれることがありませんから、純粋な視覚の悪人と言っても良いでしょう。いわば美術教育の敵そのものなのであります。

さて、西洋のアカデミックな美術教育が目指したものは、全く逆です。つまり、客観的視点を持って対象を観ることを基礎としたのです。もっとも美術に限らず西洋では客観性を持つことが近代化へのエンジンとなったわけですから、それは至極当然であります。
今日に於いて、客観性というものはその地位が揺らいでいるようです。「客観性」という神の視点を人間が持とうとすることが、正義を産みだし、やはり客観性の申し子である科学の生み出した強力な兵器を使って、それまで人類の経験したことのない大戦争にまで発展したんですから!(ガオー)

話を戻すことにいたしましょう(笑)
子供達の描く罪なきデタラメは、我々に癒しではなく啓示を与えてくれるのかもしれません。もし、我々大人がもう一度観たいように描くとしたら、子供のように我がままに描いても意味がないでしょう。けれども客観性を信じる程もはや純粋でもありません。もしかすると、それは「関係性」という甘い果実を、再び不器用に描きだすことなのかもしれません!(キャイ~ン)
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鮮やかな調和

2015-07-06 20:30:58 | 大人 油絵・アクリル

原 油彩
どうも幸介です!本日ご紹介するのは月曜大人クラスより原さんの油彩第一号。(先月京谷先生がご紹介した水曜日の原さんも、油絵第一号でしたね。)アトリエにいらした当初から油彩に興味があるとおっしゃっていた原さん。デッサンが終わり次第、すぐに油彩を始められました。第一作目ということで、安定したアカデミックなモチーフ配置での制作となりました。

なんといっても注目したいのが鮮やかな色彩ですね。新鮮だけど単調ではない、抜けるようなイエローや、すっきりとした鮮やかな青など、そのコントラストが美しいです。瓶やレンガ、グラスなどのブラウンもそれぞれ幅の広いブラウンで、単一化しておらず、それぞれ見ていて飽きない場所となっています。そして背景のサーモンピンクを使うと、普通はボンヤリとした生暖かい絵になってしまいがちですが、少しグレーの混ざったような、彩度をほんのひとさじ落とした色を選択したことによって、モチーフを邪魔せず画面を調和させています。これがもし背景が鮮やかすぎるピンクやオレンジだったら、きっとガチャガチャとしてまとまらない絵になっていたんではないでしょうか。この微妙な色彩の選択がこの絵の最もたる魅力だと思います!そっけない印象を受けるレモンも良いですね。もし一番手前に配置されているレモンをちょこちょこ描いていたら、もっとレモンの彩度が鈍くなってアンバランスになっていたと思います。レモンは周囲を、補色に近い鮮やかな青に囲まれているので、あまり手出しせずともイエローで描けばおのずと立ってくるのです。このそっけないぐらいが、すごく良い。

原さんはたまに指で描いてしまうような、直感的な制作をされていますので、非常に油絵という画材に合っているのだと思います。大胆に描く事によって生まれる、偶然性を持った滲みや擦れ。油絵の場合はそれが魅力になったりもしますが、それはあまり丁寧に描き過ぎては出せない魅力です。そこら辺まで絵に込められるのも、原さんの強みだなぁと今作を見て感じました!!

現在制作中の作品も、直感的に「もうすぐ夏なので」ということで向日葵と青空を描かれています。そういった理由も、誠実というかカラッとしているというか、絵に向かう理由づけとしてすごく羨ましく感じました。僕はフラストレーションを絵に込めがちですので、原さんのその姿勢をこの夏は見習いたいと思います!!

田中幸介
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色が響く

2015-07-04 07:43:45 | 大人 油絵・アクリル
奥 油彩 左50号 右12号
こんにちは。土曜・大人クラスの京谷です。
いつの間にか7月。夏休みの話題などもちらほら聞こえてまいりますが、それよりもこの湿気!皮膚一枚でかろうじて保つ身体と外気の境界線がとろけてしまいそうです。

さて今回は、奥さんの作品2点をご紹介いたします。
画像では2作品の大きさがほぼ同じですが、左は50号の大作で、ご自宅で制作された後、「日曜画家展」に出品なさったもの。右の12号の作品はアトリエにて同時進行で制作されました。どちらの作品も、鮮やかな色彩が魔法のように紡ぎ出されて画面いっぱいに広がり、きらきらと輝いています。奥さんのこの色彩感覚の素晴らしさ、感度の良さについては、すでに周知のことと存じます。しかし、それ以上に今回私が心を揺さぶられたことのひとつに、作品の出発点であるテーマがあげられます。いつものように、制作中の奥さんの傍らへお邪魔し、お話を沢山伺いました。「干支」がモチーフである。とおっしゃった時に、その発想のユニークなことへまずビリビリときました。それと同時に、作品にあふれる色々に込められた意味を知り、ちょっと鳥肌が立つくらいに訴えかける何かを感じたのを今でもはっきり憶えています。大変恐縮ですが、以前引越しの折、にわか勉強した若干のド素人的風水まめ知識とともに、改めて奥さんの作品に対峙いたしますと、それぞれの干支に割り振られた色の特徴や、画面構成などが少しずつ理解でき、ひとり感動していたのであります。

12号の作品制作は、紆余曲折・試行錯誤の連続でした。土台となる色彩や幾何学模様の配置については大きな変更はありませんでしたが、文字や干支の動物の絵を組み込むかどうか?画面が小さいことで、かえって空間の扱いが難しくなってしまったかもしれませんが、「どこか何かしっくりしない」ことがしばらく続きましたね。それでもご自身の直感を信じて、求めている表現により近付くために、既にある色を削ったり新たに乗せたりと、それは大変な作業だったと思います。まだまだ、といったお気持ちもおありかもしれませんが、ようやく一区切り。ついに完成となりました。

そして50号の作品。12号の作品よりものびやかに、入り組む空間が奥へ手前へ縦横無尽にうごめいているようです。奥さんのテーマ「干支」の巡る周期のようなものが存分に表現されていて、奥に陰陽を思わせる渦巻きも絶妙な配置となっています。まさに様々な試みや工夫と、奥さんの「言いたいなにか」が直結して、作品に昇華させたということなのでしょう。

2作品とも本当に美しい色彩ですが、ただそれのみではなくて「力」があるのです。森羅万象では、音も色もその伝播は波状運動で示されます。簡単にいえば「振動」ということでしょうか。風水もしかり。私は心が揺さぶられてしまった訳ですが、まさに色の力。奥さんのこの作品が大好きです。

常に精力的に制作活動をなさっている奥さんですが、現在既に新しい作品にとりかかっていらっしゃいます。こちらもまたなんとも美しい色彩とともに、どこか神秘的な雰囲気のある画面となっています。完成が待ち遠しいです!
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入選しました!

2015-07-03 23:08:21 | 大人 油絵・アクリル
 森 油彩
オバラです。こちらの作品、あれれ?また?と思われますね。水曜夜間大人クラスの大澤さんが同じモチーフを描かれていると前回のブログで書きましたが、まだ大澤さんは完成しておりません。そう、そのままズバリ森さんの作品2度目の登場です。
この作品が『横浜北部美術公募展 2015』に入選されました!おめでとうございます!
ぜひ皆様、お近くにお出でになる際はご覧下さいませ!

しかし実はもう1枚ご家族の肖像画を出品されたのですが、そちらは落選だったそうです。
どうしても家族の肖像を描くと、情が絡み過ぎて他人に評価されにくいことがよくあります。絵は情熱と冷静のはざまで描かないといけません。目を近付けてのめり込んでばかりでも、突き放して素気なくクールに描き過ぎても、どちらも上手く表現することはできないのです。聖母子像を制作する作家は男性の方が多いのも、私的な情が絡み過ぎないで表現できるからではないでしょうか?
そう考えると、男性の森さんなら家族の肖像画でも、もう少し冷静に描ける気もしてきます。現在も息子さん夫婦とお孫さんを描かれていますので、ここは一つ身内にウケるだけでなく、他人にも評価される肖像画に仕上げてもらいたいものです!

『横浜北部美術公募展 2015』
横浜北部地域の市民が出品した絵画作品の中から入賞・入選作品を展示します。約150点。
開催日: 2015年7月14日(火)~ 2015年7月26日(日)
時間: 10:00~18時 ※最終日16:00まで
料金: 入場無料
休館日: 2015年7月27日(月)
住所: 横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室
お問い合わせ: 横浜北部美術公募展実行委員会 045-978-2296
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リアルケチャップでハンバーガー

2015-07-02 23:51:24 | 幼児

本日は幼児クラスより、食べ物シリーズの工作とお絵描きをご紹介します。たくさん写真を載せているので、みんなの楽しそうな顔とリアルな作品を見て頂ければ細かい説明はいらないかな?
この作品は、紙のみで制作しているのですが、ハンバーガーのボリューム感を出すところが腕の見せどころ。ハンバーガーのパンの部分は、ふわふわで柔らかい感触をイメージして、紙の中に新聞紙を丸めて入れました。丸めるときについ力が入ってしまうと、パンがペチャンコのお煎餅みたいになってしまうので、少々力加減が必要です。ハンバーガーの中身の食材も立体感を出し、大きな口を開けても入りきらない程のビックサイズなハンバーガーができました!

出来上がりの作品では見えないのですが、上の写真をよく見ると、ハンバーグの上にケチャップをつけているところです。実はこれ、本物のケチャップそっくりの「糊」が入っているんですね。ヤマト糊に赤い絵の具を混ぜたものをケチャップ容器につめてみました!(ベースが糊なので、上下の食材を貼り合わせる効果あり)ケチャップを舐めてしまうのではと思う位、本物と思ってくれたかな?

こちらが完成作品です。オマケに折り紙で、フライドポテトも作ってしまいました。

そしてこの日は、欲張ってお絵描きのテーマもハンバーガーです。今日載せた最初の写真のみんなと同じポーズですね。
顔の前にハンバーガーを持っているところは、先に顔を全部クレヨンで塗ってしまうと、後からハンバーガーを重ねて描けないので、制作手順を間違えると大変なことにっ!全員ハンバーガーがしっかりと描けているので、大成功ですね☆彡

伊藤 絵里
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題材への愛!

2015-07-01 23:42:16 | 大人 油絵・アクリル
 米本 油彩
最近、日が沈むのが遅くてとってもうれしい磯辺です。
本日の絵は水曜午前クラスの米本さんの作品。
フランスの俳優、ジャック・ガンブラン主演の『最初の人間』仏・伊・アルジェリア合作
のポスターを見ながら描きました。
この俳優さんの大ファンで今、フランス語も習われているそうです。
このシーンは病床の友人を見舞う、慈愛に満ちた表情とのことで、ラストに苦労しました。
好きなものほど、細かいイメージがきっちりと自分の中にある分、納得がいくまで時間が掛かりますよね。
しかし、苦労した分はしっかりと絵に反映されるのが油絵の魅力でもあります。
壁が、手触りが想像できるほど丁寧に描き込まれているにもかかわらず、その壁よりも顔がぐっと前に出てきてしっとりと重みのある表情になっていますよね。これはもう何度も顔の部分を重ねて描かれた、米本さんの努力の賜物です。
表情も、眼差しや口元からは強さを感じ、描かれているタッチによって優しさ、ぬくもりを感じます。人物画はどうしても、目の表情が死んでしまうと急に人形の絵のようになってしまうのですが、このジャックさんはしっかり人間として描かれています。
この絵がなんと2枚目の油絵ということなのですが、最近私、世間一般と比べて、アトリエミオスのみなさんの「2枚目」のレベルが少々高すぎるような気がしてきました。
今週は新しい絵のエスキースをどんどん描かれていたので、次の絵も楽しみです!
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