モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

刹那

2015-07-13 15:16:01 | 小学生 絵画
月曜クラス 低学年 油絵

どうも幸介です!月曜クラスも油彩が完成いたしました!ここのところ毎週、生徒の皆にTシャツから腕から足まで手形をつけられたりしていた僕にとっては、ようやく台風が過ぎ去ったなぁという感覚です。これで今週からはようやくオシャレでナウな服が着れる!!なんて思っておりましたが、さっそく今日もおNEWのズボンを汚されたのでした……特にY君とS君に執拗に汚された…汚されちゃったよ先生…

さて、油彩に話を戻しまして、本日ご紹介するのは低学年(1~3年生)の作品。油彩の扱いにくさというか融通のきかなさが、小学校低学年の、これまた融通のきかなさと相まって、とても魅力的で美しい作品が出来上がりました。直感的に色を選んでこだわりながら混色して塗り、はたまた道具の用意の面倒さから「今ある色でここも塗ってしまえ!」という雑さも扱いながら塗り付けます。このアンバランスな混色や配色が、低学年の油彩を魅力的に魅せている一因になっているのではないかと思います。偶然性の魅力ですね。

例えばコーラの瓶のガラスは緑ですが、中身の液体は補色に近い茶色です。大人だったら、両方を混ぜたり、下地と本塗りで色を使い分けてみたり、細かく色面分割しながら塗るかと思います。当たり前ですが、考えながら塗るのではないでしょうか。ボーっとしながら、しっかり描くのは難しいですよね。しかし彼らは、ボーっとしたり別の事を考えたり、究極なとこだと、自分でも何をしているのかさっぱりな状態でも作業の手を進めます。ここが偶然性が生まれるポイントで、彼らの絵の美しさや尊さの要になっているのだなぁと感じました。刹那的で偶然的、いわば大人がコントロール不可能なものなので、僕らは魅力を感じるのです。

刹那的に生きる彼らにとって、同じ絵を毎週毎週描かされるのは苦行のようだったかもしれません(先週のブログでカエ先生も言ってましたが)。十年以上先になると思いますが、この低学年特有の魅力がもう取り戻せないもの・尊いものだと分かったとき、きっとこれらの絵の価値は彼らの中で倍増するハズです。それまで大事に保管してほしいなと、心から思います!!
コメント
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