モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

対比させる

2015-07-25 00:25:14 | 大人 水彩
佐藤M 透明水彩

寝苦しい夜が続き寝不足気味の岩田です。皆様お元気にお過ごしですか。

今回は佐藤さんの水彩をご紹介致します。こちらの作品、キャンバスサイズでいうとMサイズにも見えますがご自身がホームセンターで横長のコンパネを買ってきて水張りをされました。
モチーフはご自宅のあるマンションが見える風景です。見ている亀甲山古墳から川沿いの建物、更には一番奥の山並みまで、とてもダイナミックな空間が形成されています。こういったものを如何にカッコ良く作品に落とし込むかが絵を描く上での醍醐味ですよね。

こちらの作品からは、まず何といっても奇をてらわない素直な眼差しで対象をとらえようとしている誠実さを感じます。又、全体的に素朴で柔らかい印象に好感を覚えます。そして「空間」ということにもとても気を使って描かれていますね。

しかしここから更にカッコ良い絵に昇華するために演出をするのも大切でしょう。例えば一番手前の手すりや植え込みを大胆に黒に近いくらいの明度まで落とし込んで逆光を演出するのも一つです。もっと突っ込んで言うと自分が今いる「世界」と眼下に広がる別の「世界」2つの世界観を1つの絵の中に対比させてしまうんです。この「対比」という意識が絵をとてもドラマティックに見せるんですね。

明度だけでなく彩度に関してもやや似通っている印象を与えますので手前はより鮮やかに、奥はより抑えるといった「対比させる」意識があると良いでしょう。これからそうした意識を持って作品を作っていってみて下さいね!
コメント
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