モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

秋の木漏れ日、林檎の収穫を祝う時。

2015-04-18 01:41:02 | 大人 油絵・アクリル
 森 油彩
こんにちは。随分とご無沙汰が続いておりました。土曜日・大人クラスの京谷です。みなさま、春のビッグイベント「お花見の会」のブログ拝見いたしました!お教室にところ狭しと咲いた笑顔が本当に楽しそうで、参加できなかったことが悔やまれます。

さて本日ご紹介いたしますのは、そのお花見宴会でも話題となっていらしたと伺います森さんの油彩作品です。ヨーロッパの、確かフランスだったと記憶しておりますが・・・(森さん、もしも思い違いでしたらごめんなさい!次回お会いする時に正解を教えてください。)林檎の収穫を祝うお祭りの日、10月最後の週末のある場面。既に収穫用のかごには山積みの林檎たち。秋の木漏れ日がやさしくきらめく緑の木陰に団欒の名残でしょうか?テーブルには林檎ジュースかはたまたシードルの瓶。時折聞こえてくる人々のおしゃべりの声、鳥のさえずり、少し日が傾いてきた時に香る独特の土の匂い・・・とにかく、この溢れ出る臨場感にまず感動します。「臨場感」は、風景画を制作する醍醐味でもあるかと思われますが、森さんの今回の作品は、これまでで最高に近い仕上がりではないでしょうか。
まず構図。画面のほとんどを占め、吟味された色の積み重ねがしっかりと奥行き観をも表現している樹々の「緑のバリエーション」のなかに、心地良さそうなガーデン用テーブルセット。放射状に配置された椅子数脚と、林檎の木の枝葉のラインが絶妙にリンクして、開放的でゆったりとした空気をつくっています。そのテーブルの上に一際目を引くピンクの花。安定感があり、もっとも美しいといわれている黄金律に従って、この位置以外で完璧なところある?と言いたくなる程絶妙なポイントで押さえてくるあたり、まことにあなどれません。
次に色彩について。この花の「ピンク」は、林檎で使用した「赤と白」を混色したピンクとは違う「コーラルピンクとフレッシュピンク」を完成直前に入れました。小さな小さな「ピンク」の花が、「緑のバリエーション」を引き立て艶やかに輝きながら、画面全体を効果的に引き締めています。またもう一つのエピソードは、左下にいる白黒猫さん。以前森さんが飼われていた子と同じ柄の猫の画像をもとになさったそうです。この微笑ましい「白」と「黒」が真にいいアクセントとなっています。それから、これは全体的な色調に関することですが、実は写真本来の色味はもう少し黄味がかっていて、森さんの作品とは少し印象が違うのです。伺いましたところ、独自の「色」で仕上げていきたい、とのことで完成まで見事にぶれずに、森さんらしいあたたかくて美しい風景画となりました。

最後に余談ですが、この作品がまだ描きかけだった時に、お花見宴会へ参加された方々へ、自己紹介コーナーにてご披露したところ、水曜夜間クラスの大澤さんが「私もその画題で描きたい!」と名乗りを上げ、早速宴会中に森さんの写真をお借りしてカラーコピーなさったとのこと。現在下塗りまで進んでいらっしゃるそうです。きっと影響力のある素敵な作品だったからでしょう。大澤さんの完成もとても楽しみです!

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2 コメント

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作品紹介文有難うございました! (森 宏之)
2015-04-26 18:06:00
京谷先生、
今回の作品に、とても丁寧な紹介文を寄せていただき有難うございました!自分で書けといわれてもここまではとても書けない、極めて的確なコメントを頂いたと感謝しております。先生方のご指導のお蔭で、これまでで一番自分でも納得のいく絵が描けたように思います。この作品のモチーフとなったカレンダーをよく見ると、写真家がFriedrich Straussというドイツの庭園専門の写真家であることが分かりました。カレンダーの季節は11月。なので京谷先生のコメントにある10月の最後の週末というストーリーもほぼどんぴしゃです。場所は特に書いてないのですが、ヨーロッパのどこか、ということにしておきましょう。因みにカレンダーには次のような説明文が記載してありました。「枝を広げたリンゴの木の下で、ランチを楽しむ秋の一日。幸福感で満たされるガーデンライフのワンシーン」。先生のコメントのほうが情景を雄弁に物語っていて素晴らしいと思います。
回答をありがとうございます! (京谷美穂)
2015-04-29 22:47:09
森さん、コメントを有難うございます。
アトリエミオスのGWのお休みもあり、次回お会いできるのは大分先になってしまうなあ、と思っていましたが、気になる「正解」をいただきまして感謝です!撮影者はゲルマン系のお名前ですので、ドイツかオーストリアの小さなのどかな村のガーデンシーンかもしれませんね。幸福感に満たされる・・・まさに森さんの作品から感じられる空気です!

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