原 油彩
微妙な天気が続きますね、一平です!本日は水曜クラスの原さんの油絵を2枚ご紹介します。
人くらい大きい和太鼓を力強く叩く音が聞こえてきそうな臨場感、ライブ感を強く感じる一枚。バチを振り上げて今から太鼓を打とうと反る上半身の大きくもしなやかな筋肉と、それを支えるガッシリとした下半身の筋肉に目を奪われます。(ちなみに元々僕は筋肉マニアです。)
背景と男性が乗っている櫓を暗めにすることで男性の迫力がより際立って見えてきます。
男性の肌にほとんど白に近いかなり明るい光を当てたのも、筋肉の隆起を際立たせつつ、絵力も底上げしている素晴らしい演出です。光が強いことで汗ばんだ体に見え、より動きを感じられます。この間描かれていたバレリーナの絵もそうですが、今にも動き出しそう、音が聞こえてきそう、と平面の静止画から感じさせるのはとんでもない事です。
そして雪で霞む景色の中で、お湯に浸かって温まっている猿達の絵。こちら、実は少し前に完成されていたので季節外れのご紹介となってしまい申し訳ありません。
猿達がとても気持ちよさそうなのが可愛らしくホッコリします。この絵を見ていると人間も元は猿だったんだよなぁと改めて思いますね。多分僕も風呂に入っている時には同じ顔をしています。
赤らんだ顔と灰色の毛並みに被る白い雪のコントラストが、遠目で見ても近くで見てもとても綺麗です。宙に舞う雪のゆっくりと空から降りてくる独特のスピード感も、あえて雪のサイズに差を持たせる事で表現されています。ホワッと降ってくる繊細な雰囲気と、深呼吸をしたら肺が凍ってしまいそうなツンと冷たい空気感が素晴らしいですね。そんな厳しい冬の寒い山の中で身を寄せ合って温まる猿達は、見ていると穏やかで暖かな気持ちになります。
太鼓の絵はめちゃくちゃアクティブで、猿の絵は静かで穏やかな絵で本当に同じ人が描いたのか?となるほどの振り幅。原さんの描写力はもちろんですが、絵を見た人に何かを思わせる力が凄いですね…。
次は何を描かれるのでしょう!