古屋 透明水彩
土曜日の先生、岩田です。
本日は古屋さんの透明水彩の作品をご紹介致します。古屋さん花を描くのが大好き。今回は雑誌の表紙になっている風景を描かれました。
こちら、ひたち海浜公園にあるみはらしの丘、4月になるとネモフィラという花が広大な土地いっぱいに咲き乱れる場所です。
一輪一輪の花がまるで絨毯のように咲いている。こうした場面を描くのって一見すると難しく思えますよね。まさか手前から画面奥まで無数に咲いている花を一つ一つ描くわけにはいきませんし。
そこでこういう時は空気遠近法を使うわけです。前景は比較的強めの色や鮮やかな色、暗い色を多用しはっきり描き、後景は青みがかった色を多用しながら比較的明るく鈍い色でぼんやりと描いていくようにするのです。つまり奥に行くにつれて、空に溶け込んでいくようなイメージというと分かり易いですね。
古屋さんの作品もまさしく、空気遠近法で描かれています。今回は花の色自体が青色ということもありますが奥は徐々に空と同化していくようです。作品全体から醸し出される印象はまるで桃源郷のようです。手前の花々は葉や茎といった部分もしっかり描かれていることで、更に遠近感が感じられるのですね。
今度は一つの花をじっくり描いてみるのも良いかもしれません。