モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

基本にも立ち返って

2022-06-21 20:14:18 | 学生


 未椰 高1 岩絵具・顔彩/パネルに和紙

今年もハンディファンに助けられながら生活しています、ホノカです。
今回は学生の日本画をご紹介です。少し苔むした枝に佇むフクロウと目があった瞬間の様な、少しの緊張感とフクロウのきゅるっとした顔に癒される、そんなイメージが混ざり合った作品です。

フクロウが主役になっているこちらの作品、画面の中にあるモチーフは数の面で言うとシンプルですが、よく描き込まれたフクロウ、ふんわりとぼかされ、明度も工夫することで単調になりすぎない背景。とシンプルな中にもメインがしっかりと意識された描かれ方がされていることで見応えのある絵になっています。
また、顔を正面から捉える構図も一歩間違えれば、顔のバランスが崩れた部分に目がいき、絵全体が台無しになってしまう危険をはらんだものですが、この作品ではそんな不安感は感じさせない彼女のデッサン力の高さが伺いとれます。
さらに全体の構図を見てみると、手前・中間・奥を意識した構図になっているので、混乱しやすい葉で溢れた景色の中でも、しっかりと立体感が感じられます。また、背景は全体を緑で埋め尽くすのではなく、思い切って青く抜いている部分もあることで、空気の冷たさや空気遠近法の様な空間の広さも感じられますね。

そして、光を意識した描き方が上手いですね。左上に光源があり、光に近い葉は透けているように描かれ、また、フクロウ自体にも光が当たり、顔や体の端が光を受けて白くなっていることや、体の右側にも少しの光が当たっていることで、立体感のある体になっています。さらにその光があることで、背景との間に明度差が生まれ、フクロウがより強調され、飛び出すようになっている部分もいいですね!

基本を忘れないからこそ細かい部分の完成度も上がっていきます。フクロウの立体感も円柱のデッサンを思い返すと、光源の反対にも少し光が入るという書き方だったのを覚えているでしょうか。また、モチーフの置き方も疎密を意識するなど、デッサンでは無い部分でもそんな基本が必要になってきます。これからの作品も忘れずに!楽しみにしています!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする