赤松 アクリル(下の作品も同様)
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、赤松さんのアクリル画です。
1枚目は公園の奇妙な形の遊具シリーズですね。以前のブログの左上の作品中央にある遊具と同じものでしょうか。近くで見てみるとより興味深い形ですね。
全体は線で形を作られており、平面的にとらえられています。背後の木々の形も、遊具の入り組んだ形に合わせてディフォルメされているのでしょうか。そのシルエットが何とも面白く魅力的ですね。
主線が黄土色で描かれていますが、それにより遊具の黄みベージュや空の水色ともマッチして柔らかい印象となっています。水色を横断するように木の幹のオレンジを入れる事で、メリハリを作り画面が柔らかくなり過ぎないよう引き締められていますね。シンプルな画面な分、色の組み合わせには熟考されたのではないでしょうか。遊具の斜面部分には作者の遊び心も感じられます。
そしてこちらの作品もまた色のメリハリとモノのシルエットが印象的ですね。踊る男性の服はグレーで統一されているのに対し、女性はそれぞれ違ったパターン柄のドレスで描かれています。不要な描写は一切切り捨て、必要最低限の線で作られた画面からは版画の様な雰囲気も感じられます。背景は黒・床はワインレッドと濃い色で塗られており、より人物の形や色が際立つ様に演出されていますね。余白の取り方も見事で、密集(沢山描いてある所・人物の多い画面左あたり)と拡散(あまり描かれていない抜けの部分・画面右下辺り)のバランスがうまく取られています。楽師達の譜面台のバランの様な模様も画面の中でアクセントになっており、見ていて飽きない1枚となっています。
最近はミルトン・エイブリーの作品に感銘を受けたのだそうです。確かに赤松さんの作風を見ていると、確かに好みが近いように思えますね。作者の好きな画家の作品を見てみると、また作品の見え方が変わってきそうです。