杉本 アクリル
夜型人間になりつつあります。マユカです!今回は杉本さんの作品をご紹介します。
アクリル絵の具で、写真と見間違うほど細密に描かれた一枚。杉本さんのバイト先のレストランのお料理だそうです。メインのお肉の焼き加減と滴る肉汁、色とりどりなお野菜、全体にまんべんなくかけられたソース…とても美味しそうです!絵具で描かれていることが信じられないくらい、色や形が自然で正確なため、料理の味やにおいが伝わってくるようです。この記事を書いているのが丁度深夜だったので、ものすごくお腹がすいてしまいました。
今回の作品は写真模写。元の写真をよく観察して描いたわけなのですが、見れば見るほど「…絵?」と疑ってしまうほどの高いクオリティ。杉本さんの観察眼の鋭さを感じさせます。お皿の上に落ちる影やソースなど、至る所に自然な色の移り変わりがあり、このグラデーションが写真のようなリアリティを出しています。アクリル絵の具の性質上、画面上での混色がしづらくパキッとした塗りになりがちで、どうしても絵具同士の継ぎ目が見えてしまうのですが、杉本さんの作品にはそれが無く、写真をそのまま切り取ったかのような表現がされています。
また、料理を美味しそうに見せるためには水分の表現がとても大事になってくるのですが、ハイライトや艶の白が水分を表現し、点で描かれている所と線で描かれている所の使い分けがしっかりとされているため、本当に美味しそうに見えますね。
私も写真模写は何枚か描いたことがありますが、毎回思い通りの色が作れず、明度や彩度、色相すら合わせるのに苦戦していました。かなり飽きっぽい性格なので「これでいいか」と妥協し、写真とのイメージが合わないこともしばしば…。今回杉本さんの写真模写がとてもリアリティのある仕上がりになっているのは、細かいところまで丁寧に描写し、思い描く通りの色になるまで色を作り直す等、隅々までじっくりと観察したからこそなのではと思います。