モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

自分のフィルターを通した工夫

2022-06-04 16:22:37 | 大人 油絵・アクリル


矢作 油彩

岩田です。今回は、矢作さんの作品をご紹介します。

こちらは、ゴーギャンの絵を模写した作品です。とはいえ、ただそのものを写したのではなく、矢作さんのフィルターを通して制作したものと言えます。
ゴーギャンはタヒチに移住して、そこに元々住んでいる原住民を描き続けた画家。この作品もそんな地の人を主役に描いた絵です。
背景に見えるのは海。そこに馬に乗って向かっていく後ろ姿を捉えたものです。

矢作さん、まず工夫したのが男性3人の後ろ姿。それぞれの年齢の違いを想定し、若い人は筋肉質だなとか、この人は初老の人かなといった具合に描き分けているのです。更に馬のお尻についても、ちょっと元気が無いなあと感じた馬には、尻尾をやや上げてもっと元気に見せたりと、色々やり取りをしています。

特に私が良いなあと思うのは、手前から奥へと続く道。近づけてみると分かるように、赤、青、緑といった様々な色相の色を使って描いています。全体の明るいトーンの中に落ちる馬の影、実に美しいですね。
ある程度時間をかけながら、下に置いた絵の具が乾いてから仕事を重ねつつ、油絵具ならではの立体的な表情をナイフや筆を使い、同時に見せています。

矢作さんの油絵具の扱いには面白味を感じます。次もこうした感覚を活かして欲しいと思います。楽しみにしています。

作品を画面に近づける等、詳しく解説しています。YouTubeはこちら

 

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