植松 油彩
伊豆に紫陽花見に行きたいです、ナツメです。日曜大人クラスの植松さんの作品をご紹介します!
今回はスイスの山脈を描かれました。崖とさりげなく佇む家のミスマッチが面白く、岩肌のゴツゴツとした表現も素晴らしいです!
雲の間から差し込む光が印象的です。少し覗いている空の青や、雲の光の当たっているところなども非常に良く観察して綺麗な光になるまで粘り強く描かれました。また、前にある山を思い切り暗くして後方の山との明度差をつけることで、強い遠近感が出ています。奥の山や空は画面の半分ほどの面積しかないのですが、遠くのものを淡く青めに描く「空気遠近法」を使ったことで手前の崖の奥に広がる空間まで伝わってくる絵になりました。
植松さんは以前にも崖のある風景を描かれています。こちらの作品からは、海との歴戦の風格が漂い頑丈で力強い印象を受けるのに対し、今回描かれた方は壮大ながらもどっしりと構えており、どこか頼もしいような雰囲気を感じます。一口に崖と言ってもここまで違う感じ方になるのは面白いですね…。あまり日常的に馴染みがあるものではありませんが、どちらの絵にも家が映り込んでいるため普段よりも崖を身近に感じるのではないでしょうか!以前と比べると描写力が格段に上がりましたが、変わらず自然と寄り添い生活する人間を想起させる風景をチョイスされているところなど、植松さんの心惹かれる部分が垣間見えるようで興味深いです。