モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

夜に浮かぶ道

2013-09-06 20:45:19 | 大人 日本画
Matuoka_06松岡 日本画

大人クラスも夏休みが長かったですね!九月になり顔を合わせて久しぶりと感じ、作品を見てまた久しぶりと感じ…。イベント月間もワクワクしますが、通常運行もやっぱり楽しいものです!庄司です。

さてさて本日は水曜午前大人クラスより、松岡さんの日本画をご紹介します。
水墨画のイメージを強く出して描かれた、朧月夜に照らされた裏路地。ひんやりとした夜露を感じさせるしっとりとした空気の作品です。構想を練り上げるための鉛筆画、通っていらっしゃる水墨画教室でも同じ構図で描かれ、締めは日本画です!ここに至るまでは紆余曲折がありました。

実はこの作品、はじめは昼間の暖かい日のさす景色でした。が、描いていくうちになんと夜に!朧月もあらわれて、一日でガラリと変わった画面に同じクラスの皆さんもびっくりされていました。
しかしこうしてみると、この暗闇も初めから計算されていたかのように見えますね。どんどん変わっていく画面に自ら飛び込んでいく松岡さんだからできたことでしょう。ここでは失敗したけれど、違う場所の表現には向いているかもしれない、この技法はこっちにも使えるな…と、うまくいく時もいかない時も常に楽しみ工夫し、挑戦し続ける頼もしさ。拝見していると、私もますますやる気が出てきます!

描きすぎないこと、色ものせすぎないこと、を気を付けつつ描いた今作。濡れたように光り浮かぶ路地は最後に白い岩絵具をさらりとのせただけで、ほとんど触っていません。しかし美しく輝いています。白を残すこの描き方は水墨画での経験が活きて、作品にますます磨きがかかったのですね。そして、滲むようにひびの入った壁の描写は一番力を入れたところです。甲斐あって、ぱっと目を引き、見るものを絵画の世界に引き込んでくれます。
落款ではなく塀に入れたサインという洒落っ気もあり、かっちりとしすぎず松岡さんのお人柄が現れています。こんな道を静かに散歩してみたいものですね。

コメント
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