駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

完敗囲碁ジャパン余聞

2019年06月25日 | 趣味

          

 

 一昨日の囲碁NHK杯はNHK杯戦ではなく日韓中のテレビ囲碁戦勝者による最強戦だった。日本からは井山一力のエースが出たのだが共に一回戦でコロッと負けてしまった。残念というか情けない。優勝は韓国選手だった。

 素人目にはどうも日本の棋士は形よく打ち過ぎる感じがした。粘り強さが足りず、ねじり合いに弱い。韓国中国の頭脳ゲームでの強さは、そのままとは言えないにしても科学でも地力があることをうかがわせた。

 とりあえず楽しく暮らせて碁も修行できるのなら日本が一番かもしれないが、最強の凌ぎを削る修行は韓国中国でと見た。中村菫初段も韓国で修行している。正しい選択だったと思われる。

 もし最強群に勝ち残れなくて歪な人生にと恐れるのでは、抜きんでた力は付かない気がする。そのあたりは教育評論家と教育者で意見は異なるかもしれない。いずれにしても多くの人が蔑み嫌う韓国中国の実力は侮れない。一皮めくれば危うい政治体制は日本も同じと思う。国民栄誉賞をペアで貰った井山が形勢を聞かれて鼻白んだように、日本一は世界一、その日本一と同じ日本人の自分は優秀という感覚は偏というか過ぎれば滑稽だ。

 日本の囲碁界には台湾中国韓国出身者が多い。彼らがバイリンガルなのを完璧な通訳で改めて実感した。日本は島国で島国の良さもあるが欠点もある。世界は広い、異文化を知り理解すれば視野が広がると思う。百五十年の英語教育、ちょっと了見が狭かったのではないか?。囲碁棋士を通して見える中国韓国、親しみを覚え尊敬こそすれ蔑み嫌う気持ちにはならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奇妙な逆転現象

2019年06月24日 | 小考

    

 

 若者が理想を追い革新的で中高年が現実重視で保守的という傾向は、人類の歴史始まって以来程度の差はあっても普遍的に認められる現象で生理的なものと思っていた。ところが日本ではこの二十五年ほど逆転現象が起きているようだ。つまり若者が現実追認保守的で中高年が理想追及変革志向という、半世紀前には考えられない現象が起きている。

 ゆとり教育の副作用とかネット文化の影響などいろいろ言われているようだが、芸能人や芸能人化したコメンテーターを重用するマスコミの影響もあるかもしれない。諫言、注意そして不具合の指摘などは視点をずらして見えにくくしてあたかも解決したようにしてまやかしてしまう。若者はそうした手法に反発してきたと思うのだが、今は違うようだ。

 なぜこうした現象が起きているか学者研究者に掘り下げて欲しい。何か今までの歴史になかったことが起きつつあるのだろうか。とにかく未曾有のことが起きている。食生活の変化、医療の進歩、環境衛生の整備・・で平均余命が伸び、八十歳でも元気な高齢者が増えた。一律には行かないが七十五歳まで働けそうな人は沢山居る。その一方家族の核化が進み年金が足りない蓄えも少ない子供の支援もない、それじゃあ生活保護にしようと、気軽に?生活保護の診察券に変わる患者さんが増えている。三つ揃いを着て風邪をひいたと受診する五十歳の息子が居るのに、八十歳の親父は生活保護の診察券を提出する、違和感が拭えない。考えようによれば確かに恵まれた世の中かもしれない。現状維持で良いと思うのは分からんでもないが、現状は今までの頑張りや努力の賜で、アリとキリギリスでないが、これからには備えが必要のはずだ。

 なんだか楽しくないことを書いた、こういうのもブルーマンデイというのだろうか?。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒸し暑い日には東南アジア食を

2019年06月22日 | 旨い物

                

 

 今朝も曇っていた。また高湿度の一日になりそうだ。食欲が出ないという患者さんが多い。もう少し東南アジア食が普及すると今の時期食が進む感じがする。慣れればおいしく頂けるのでは、私はもともとパクチーや魚醬、ココナツミルクに抵抗なくベトナム タイ インドネシア食を楽しんでいる。そういえばココナツ油が健康に良いと売り出している、逆にヨーグルトは駄目だそうだが本当かなあ。

 北米南米のスポーツ中継は日本時間の朝になるので同時中継が見られない。森安ジャパンがウルグアイに善戦したらしいがピンと来ない。次のエクアドル戦も火曜日で見られない。どうも力が入らない。

 中国方式で昼間のサッカー情報をテレビラジオインターネットからシャットアウトし、午後八時頃から放送してほしい。そうすれば同時放送と同じ気持ちで見ることができる。

 妙なことを考えた。権力による情報操作は恐ろしいのだが、知りたくない情報もたまにはあるのだ。果たして知らないと存在しないあるいはまだ起きていないことになるのだろうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歓迎される客でありたい

2019年06月21日 | 身辺記

        

 

 今朝は曇っていたがちょっと蒸し暑く、不快指数の高い一日になりそうな予感がする。

 もう二十五年電子カルテを使っている。初めの半年くらいは画面を長時間眺めているせいか頭が重くなったが、今は慣れた。四半世紀経って世の中全体が画面を見つめる社会になり、パソコンの画面を見ていると頭が痛くなりますなどと言っていると仕事が見つからない時代になった。

 受付した患者リストが電子カルテの右隅に出てくるので、誰が診察に来たかがわかる。あれ久しぶりだなとか、また来た良くならなかったのかなと反射的に感想が浮かぶ。正直にいうと五人に一人くらいほっとするというか楽しい患者さん、十人に一人くらい困ったな嬉しくないという患者さんが混じっている。これを相性というのだと思うが、患者側からだけでなく医者側からも相性はある。ただ誰にも等しくを心掛けているので、顔には出さず普通に対応している。そのせいかあちこちで歓迎されなかった患者さんが集まってくる傾向があり、何人かの看護師に先生のところは変な人うるさい人が多いですねえと言われたことがある。それでも確か九十近い爺さんに気に入られ、Hさん今日は居ないのと言われながら優しくしてあげていたじゃないか。

 やりにくいうるさい患者さんも普通に対応しているとだんだんおとなしくなったりつっかかってくることが減るので、すごく困るというわけではない。要するに人間関係は双方向性なので、邪険にしなければ刺が引っ込んでゆくらしい。

 中には馬が合うというかお互いにやあやあと二言三言軽口をたたいてゆかれる患者さんも居られる。やや男性に多いのだが女性の患者さんにも楽しくほっとする方がおられる。特徴はあっさりしていて冗談がわかるということかもしれない。基調は信頼でこれは何も患者が医者に抱くだけのものではなく、医者も患者に感ずるものだ。

 こうした感覚は馴染みの店にも共通するもののような気がする。歓迎される客でありたいと思う。夫婦二人きりの生活だと相性の良い馴染みの店は家族に近い感覚になってくる。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

共生はわかるけれども簡単ではない

2019年06月20日 | 町医者診言

     

 

 クリムト展を見に行ったら車椅子の見学者に邪魔だと殴られ、美術館の人に訴えたらああいう人でときちんとした対応をしてくれず、涙が出たという記事を読んだ。「こんな夜更けにバナナかよ」ではないが、朝の五時から牛乳を届けてくれとコンビニに何度も電話する婆さんが居た。泥棒が入ったも空騒ぎで、四回目になると警察も来てくれなかったようだ。失礼だが盗んでゆくものもなく泥棒が入るわけがない。可哀そうに子供に捨てられたお婆さんで、子供の言い草が物凄いというか滅茶苦茶で、可愛がってくれなかったから母親と思っていないと言い放った。病気ではないのに、何かというと医院に来て往生した記憶がある。

 先日、別口の婆さんから未明の四時半に「**医院?**子は行っていませんか」と電話があった、「何時だと思っているんですか、寝てたんですよ」。「あらそう、うちの時計は七時半よ、狂ってるのかしら」狂っていますね、七時半だって早すぎるのに、「八時半になったら電話してください」と電話を切る。腹が立ったのでもう眠れない。ちょっと起きた女房はもう寝ている。太い神経の持ち主だ。起きることにして明るくなり始めた庭に出て、新聞を取ろうとするとまだ来ていない。NHKニュースで林田さんがまじめくさってニュースを読んでいた。笑顔が見れず残念だったが、イラついた腹の虫は治まった。

 認知症に予防と共生だそうだが、これは難題だ。言葉というのはしばしば風呂敷のように問題を覆い隠してしまう。共生と予防が一番の方法なのはわかるがではどうやってとなると中々難しい。やさしさと柔軟性そして余裕がないと認知症の問題行動と共生するのは容易でない。果たして今の日本はそれに満ちているだろか?。予防のための診断法、新薬や生活法が模索されているが決め手を欠き、まだまだ高血圧症や糖尿病のようにはゆかない。まだ少なくとも十年、十五年はかかるだろう。薬がないのに診断が先行するのも恐ろしい。ラブミー牧場から深沢七郎のギターが聞こえてくる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする