駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

薄化粧の大阪

2019年06月03日 | 世の中

              

 

 一年ぶりの大阪はちょっと綺麗になっていた。これはG20の影響だろうと思う。お客さんがあるのは国によらず家でも小綺麗ぎれいになる効果がある。結構なことだ。いつものホテルではなく新しい南寄りのホテルに泊まったのだが、従業員の半数がアジア系で外国客に合わせたのか人手不足か、ちょっと外国のホテルのような感じがした。サービスは日本仕込みで全く違和感はなかった。

 内科学会の講演会の方はもうに二十回目くらいになるだろうか、みんな慣れてきて行儀よく聞いていた。四分の一くらいは寝ているが、これは診療や長旅の疲れで止むを得ない。内科学会が日常診療に役立つ内容に変わったのもこの二十年くらいと記憶する。米国の後追いなのだが本来の内科学会のあり方だと思う。

 この変化は象徴的で、日本も変わることはできることを教えている。唯、一歩、二歩遅れている。後追いは変化に伴うリスクは減らすが、まだ間に合うがもう間に合わないになると恐ろしい。日本の科学技術は世界一というのは、もはや妄想で既にようやくベストテンのレベルまで落ちている。科学技術の力を付けるにはどんなに急いでも六、七年、急行でも十年かかる。普通では十二、三年かかると思う。先手必勝というよりは、先見必勝で、医療ももっと費用対効果を考えて変わる必要がある。既得権にしがみ付く人を剥がすのは難しいが、現状維持さえ難しくなるのは必至、私でもわかる。

 老人に厳しい(廉価な)医療をと言い出すとぶん殴られるだろうか。勿論、敬い優しく接する。

コメント
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