駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

奇怪な閣議決定

2019年06月19日 | 世の中

      

 

 老後2000万円「報告書前提の質問に答えず」と回答拒否を閣議決定と小さく報道されていた。妙なことを決める、私の感覚では気色悪い。安倍内閣による閣議決定の使われ方を振り返ると

「首相夫人は公人でなく私人である」、国賓のトランプ夫妻との晩餐で夫妻と会話し国費を使った御馳走を食べているではないか、どこが私人なのか、籠池夫妻との交際の時だけ私人という子供だましの絡繰りなのだ。

 「首相はポツダム宣言を当然読んでいる」、ちゃんとは(殆どと聞こえた)読んでいないと言われたではないか、試験が終わってから正解を見ましたという意味か。

 「2020年改憲発言は自民党総裁としての発言であって、首相の職務としておこなわれたものではなく、立法府の軽視に当たらない」、公的な首相の発言には違いない、私はジキルという告白か。

 「自衛隊のイラク派遣の際の活動報告(日報)に記載があった「戦闘」の言葉について、自衛隊法で定義される「戦闘行為」の意味で用いられた表現ではない」、「セクハラ罪という罪は存在しない」・・上げていけばきりがないが、これはマネーロンダリングではなくワードロンダリングなのだ。閣議という権威で誤魔化そうとするのはよくわかるが、こうした子供だましのことを決めていると閣議決定の権威が損なわれてしまう。勿論、すでに損なわれている。しかし全員一致で決めているのだろうか、よほど首相や官房長官が怖いとみえる。

 マスコミが取り上げないなら芸能人にと思っても、首相ランチにありつきたいので奇怪というか滑稽な官邸ネタは使わない?ようだ。

 細かいことのようでも、首相周辺のこうした仕業は何よりも公共心を傷つけると申し上げたい。有能な人律儀な人真っ当な人がこんなことなら、先ず自分と家族だけと考えるようになる。飛躍かもしれないがアグネスチャンが、子供は米国一流大学お金はケイマンという考え方になるのはわかる(もともとそういう考え方なのかもしれないが)。同じアグネスでもチョウの方は公共の旗手で矢面に立ち凄い。習近平に一矢報いるとは、一体誰にできるだろう。爺いはちょっと可愛いと肩入れしてしまう。

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眠れぬ夜は、あるもの

2019年06月18日 | 人生

           

 

 今朝は晴れているがさほど暑くない。一昨日から午後になると曇り蒸し暑くなる、どうも今日もそのパターンらしい。

 睡眠障害というのはよくある訴えで、それが主訴で受診した患者さんはとりあえず対応して次は精神科を受診してくださるように指導している。これがなかなか難しく素直にハイと受け入れる方は少なく手間取ることが多い。たぶん実際に精神科を受診してくれている人は半数くらいの感触だ。そうした不眠が主でない高血症、糖尿病、脂質異常症・・などで定期的に受診されている患者さんにも不眠の訴えは多い。相手を見ながら、いろいろなお薬でその都度対応している。中にはあの薬がいいとかごねる患者さんも居るが、徐々にそうした患者さんは減ってきている。これは精神科を主体とした妥当な睡眠薬使用法の普及活動とそれに対応した前線の医者の努力の賜物だろう。これには十五年くらい掛かった。

 一か月三十日毎日快眠という人は少ないだろう。そういう健康そうな人はむしろ非健康と私は診ている。快食快眠快便、ガハハとかオホホという人は傍迷惑のことがあり、何でも自分が正しい自分流を押し付ける傾向があるので要注意だ。まあ、月に二三回は昨日の夢見は悪かったとかまんじりともできなかったとかトイレに起きたら眠れなくなったなどという経験をお持ちの方が真っ当と思う。

 まあたいてい眠れなかった翌日は眠れるものだ。行き止まる夢くるくると元に戻る夢、追いつめられる夢の後には思わぬ御馳走の夢もあるだろう。久しく夢を見ない方も多いかもしれない。あんまり心配な時はかかりつけ医に聞いてみることだ。毎日ああでもないこうでもないとわけのわからない話を五万と聞いているから、それはよくあることです心配ありませんと教えてくれる。稀にはそれはおかしいですね、A先生のところへM先生のところへと紹介状を書いてくれる。

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梅雨の合間の好天

2019年06月17日 | 小考

       

 

 昨日は好天で気持ちよく、床屋にも行けたし緊急連絡が入る心配もなく良い休日だった。Yさんは金曜未明に亡くなり往診患者さんは今のところ全て安定している。こうした心持をすっきりとか軽いと表現すると語弊があるかもしれないが、いつ呼ばれるかわからない状態には慣れてはいても、やはり心のどこかに重りを感じている。

 厚労省の方針で在宅医療にシフトさせるような料金体系ができて、近隣にもいくつか往診を主体とした医院や医療施設ができている。そのうち一人でやっているところは、最初は若いから勢いでできていたようだが、五年を過ぎてこの頃は息切れがしてきたようで、二人とも疲れた顔をしている。数人のグループでやっているところは往診患者数が三桁で、差配するオペレータに有能な女性を置いて大車輪で回っているようだ。果たしてこういう体制が良いかどうか、十年やって再評価が必要だと思う。厚生労働省は最初は料金優遇的なインセンティブで人を動かすが、定着すると料金優遇のはしごを外すから、質が落ちる心配がある。

 間違いなく医療にもAIが深くかかわるようになる。それが証拠に厚生労働省はオンライン診療に力を入れ始めている。そのうちロボットが往診に行くようになるかもしれない。ドラエモンや鉄腕アトムに似ていればよいが、鉄人29号じゃあお断りしたい。

 AIが世の中にどう関わってくるか、政府が掛け声だけでなくどこまで地道に研究対応しているか心配だ。というのは首相、官房長官、幹事長どなたも、科学にはあまり強そうではなく任せておけない気がするからだ。テレビやネットを利用した科学教育と啓蒙をお勧めしたい。数理に強いインド人技術者頼りでは今に頓挫する。

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年金問題の勘違い

2019年06月16日 | 町医者診言

   


 マスコミと野党が年金だけでは老後暮らせないと大騒ぎをしているのはおかしいという人が居る。それはこの問題から目を逸らさせる効果があることを知っての発信だろうか。そんなことは俺は昔から知っていたというのは自慢なのか国民を愚かとあざけっているのか政府の不周知を咎めているのか、妙な火消し隊だ。

 具体的な金額はよく知らなくても年金だけで老後暮らせると思っている人は一部で、多くの人は年金だけでは暮らせないと思っているから、余計な支出を慎み貯金をしているのだ。確かに百歳まで生きると計画していた人二千万円必要とはっきりした額を想定していた人は少ないかもしれない。しかしだからといって二千万円は不正確誇張となかったことにしようとする麻生大臣を始めとする自民党の対応を帳消しにする説明にはならない。

 不手際と謝れば済む問題でもない、国民に都合の悪いことを歪曲隠蔽し、言葉だけの謝罪でうやむやにする現政権の体質こそが一番の問題なのだが、朝三暮四で誤魔化されてしまう人が多い?ように見える。由らしむべし知らしむべからずの精神が安倍政治にはこびり付いている。そうして、巧言令色に長け、問題から目を逸らさせる才能は天才的だ。どうしてそうした政権が長らえるのか、民主党政権の後遺症と言い募られるが、本当だろうか。たとえば年金が不公平な制度でずさんに運営されてきたのを国民は知らないのか忘れたのだろうか。年金を見ていると、公務員の公務員による公務員のための政策という気がしてくる。そしてそれを批判するよりも、背後には一番羨ましい職業は国家公務員という国民の心性が横たわっている。

 香港の人達は凄い、あの強大ごり押しで恐ろしい中国共産党に徒手空拳で逆らっている。取り敢えず明日明後日が良ければいい。二年三年後のことなんてわからない。まして五年後十年後の心配は考えなければ消えてしまうのだろうか。しかし寄らば大樹はいざとなればかばってはくれないと思う。麻生さんは飲んでも丸山議員のような醜態はさらされないようだが、生活保護など過保護と思っているような節がある?。

 政府は政策の基となるデータと問題点を第三者によって分かりやすく公開して国会で討論して欲しい。党首討論を最低月一回、4時間程度を掛けてやるのは義務と思う。それを地上波も含めたテレビで再放送して欲しい。理解しない方が悪いとは思えない。不消化な理解で過激単純なことを書いたが、そう感じている人は多い?と思う。

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故郷の山を仰げば

2019年06月15日 | 小考

            

 

 

 子供の頃、嘘つきは泥棒の始まりと教わった。どうも違うようだ、嘘つきは政治家と役人の始まりで、出世はいかに上手く嘘を脚色するかにあるように見えてしまう。勿論、それこそ正直まじめに勤め上げる役人の方も居られると思うが、籠池事件やイージスアショアの配置報告の誤魔化しを見ていると、お役所も地に落ちたと感じる。

 報告書を作成した誰一人秋田の現地に行っていないと思う。山の仰角は地理に詳しい人間ならその場に立って見回しただけで、地図を睨んだだけで4度以上間違えることはないと思う。結論ありきで辻褄を合わせようとするからこういうことになる。ある地点に立って360度の仰角を算出するプログラムもある。はっきり言ってイージスアショアの秋田適正配備書類を準備したお役人は地理の素人か阿保か嘘つきかのどれかと思う。まさか三つ揃いということはないだろうな。

 普通はお役人は小賢しい(昔は小が付かなかった)ので、ほころびが出ないように文書を作成するものだが、今回は数値だったので脚色しきれなかったようだ。

 尤も大嘘は真理に響くこともあり、大き過ぎて嘘の境目の見分けがつかず、大言壮語と巧言令色に大衆がまやかされてしまうこともある。それは歴史の教えるところだ。

 麻生さんは不思議な人だ。これだけ並みの人間を馬鹿にした本音を言って、なお大臣副首相に留まっている。確かにどこか憎めないところがあるのは認めるが、95%の国民に年金が意味することなど何一つ実感していないだろう。失礼ながら果たして自責の念に苦しんだことがあるのだろうかと疑う。いつも悪いのは他人なのかもしれない。これは行き過ぎた忖度だろうか。

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