駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

暴言どころか暴行まで

2017年06月25日 | 世の中

      

 目覚めると梅雨らしいシトシト雨が降っていた。貴重な日曜日の朝、静かに過ごせるかと思いきや、警報で新聞コーヒータイムを乱された。

 豊田真由子議員が暴言暴行で自民党を離党した。この人物を知らず、暴言暴行と読んで何か間違いか冗談かと思ったら、本当に暴言暴行を働いていたようで、女性なのにと言うのが蔑視には当たらないと思うが、女性なのにと驚いた。

 尤も、この頃の女性は男性顔負けの乱暴狼藉を働くようで、驚くことはないかも知れない。テレビのニュースでは報道で掲げられている写真ほどには凶暴な感じはなく、人によっては女性的で美しいという評価もありそうな容姿で、写真は文章ほどに物を言いと思ったことだ。きっと、私を貶めようと写りの悪い写真を出したなと怒り心頭だろうと忖度する。

 電光石火の離党で臭い物に蓋をすれば事は済んだという取り扱いのようだが、それこそ印象操作だ。日本人は健忘症で残像が残らず、それが良い方に働くこともあるが、歴史は失敗の元になることも多いと教えている。不祥事離党で事を済まそうとする政治はどう考えてもおかしい。

 どうしてこういう人が議員になったか、検証して報道して欲しい。唯、何がどうでも、再起のチャンスはあげたい。

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AIを待ちながら

2017年06月24日 | 医療

          

 臨床診断は明らかな技術で、この百年で長足の進歩を遂げた。その基本は患者の言葉に耳を傾けなさい、患者はあなたに診断を告げている(Listen to your patient, he is telling you the diagnosis)というウイリアム オスラーの言葉に象徴されている。

 しかしながら21世紀に入り医学は更に一歩進んで、多くの癌は早期に発見できれば治癒、少なくとも長期生存が望めるようになった。二人に一人が癌になり三人に一人が癌で死ぬ今、癌の早期発見は認知症治療と並んで喫緊最大の医学的そして社会的課題になっている。

 しかるに癌の早期発見は、従来の臨床診断技術では非常に難しい。自覚症状や診察所見で早期癌を見つけるのは殆ど不可能で、見つかった場合は僥倖と申し上げたい。早期癌はしばしば他の疾患の診療検査中に副次的に見つかる。神業の医師が居るわけではない。

 保険診療は病気を対象にしているので、全く症状がないのにやみくもに検査することはできない。唯、現実には有名人が肺癌で亡くなれば肺癌が心配、大腸癌で亡くなれば大腸癌が心配という、心配病の患者が増えて、とても妥当とは言えない膨大な医療費が費やされている。

 日本特有の人間ドックというのは、早期癌が見つかることもあるが見逃すこともあるという独特のシステムで、医者が率先して受けている形跡はなく、迂闊なことは言えないが、万全のシステムではない。

 臨床経験45年の私は、長いから優れているとは言えないが限界を感じることはできる、ここで臨床医学にAIの登場に期待している。職を奪われる危険を顧みず、囲碁将棋で人間のトッププロを打ち負かしたAIによって、臨床医学にも革命が可能だろうと診ている。引退が近いからそんなことを言うと言われては遺憾だが、医療的にも医療経済的にも多くのことが期待できると思う。

 尤も、鬼が笑うかもしれない。馬齢を伸ばしてどうすると。

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まともな?ジャーナリズム健在

2017年06月23日 | 政治経済

         

 ネット週刊ポスト(NEWSポストセブン)の記事を一部引用させてもらう。

 (「自省」「自戒」を常々口にしていた中曽根首相の政治運営は、それでも当時は「独善的」と党内外から批判された。そうした批判や論戦に、中曽根氏は正面から向き合った。土井たか子・社会党党首との憲法論争は、今でも「国会論戦の手本」とする声は根強い。それは政(まつりごと)の作法と責任の重さを、時の政治家たちが自覚していたからに他ならない。

 批判に正対せずにせせら笑いで受け流し、権力を守るためには情報を封印することも厭わない安倍政権に、もはや中曽根氏らが大切にした政治の「高潔さ」は全く残っていない。

 総理大臣に近い者への利益誘導疑惑はうやむやにされ、国民の自由な意思を封じる法律だけを作り上げて国会は閉じられた。その傲岸極まりない政治は、東京都議選や内閣改造という政局を迎える中で、さらにエスカレートしている。

 権力の責任を顧みることなく、権力の濫用にのみ血道を上げる《あまりに不潔な政治》は、後世の歴史家の審判に堪えられるのか──)。以上引用終わり。

 私はまともなことが書いてあると思う。

 興奮しまくし立てる多弁の首相と冷静で言葉少ない官房長官、実はどちらもまともに問題や質問に正対せず、焦点をずらし煙に巻く手法で、これまで身内利益誘導疑惑や権力濫用批判などを凌いできた。どこかの国と同じようにいつまでも何度でも野党の敵失を蒸し返し、国民の関心が経済と安全にあることを見透かして、そちらに焦点をずらす戦術を取ってきた。

 確かに政治では戦術と立ち回りが重要かもしれないが、それだけではやがて国民は抜け落ちている中身に気付く。安倍的理想郷百年前の日本に戻そうという個人的野望の中身を正面から吟味する時が来ている。印象操作と野党を非難されておられるが、真摯にとか丁寧にという言葉だけで内容のない反省を掲げて擦り抜けようとしている印象操作の達人はどなたでしょうかと申し上げたい。

 そんなものはない怪文書とされた文書があった。首相の具体的な意を伝える萩生田氏の指示内容が記録されていた。これが加計問題の全てである。これ以外の報道は全て印象操作を試みる雑音だ。

 メモして文書に残すのは記憶は曖昧になり得ることを知っている人間の知恵だ。文科省のお役人がどんな夢想家であっても文書に残っているような内容を捏造することは不可能だ。しかも八か月後に表に出ることなど予想できるわけがない。

 何度も書いてきたが安倍政治の全てを否定しているわけではない。合格点を差し上げてもよいと思っている。しかしカンニングの合格点なのが見えてきた。手法や方法は結果を結論を毀損する。

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閑古鳥は楽で有難い

2017年06月22日 | 診療

            

 昨日は溜まった付けを払おうとするかのような大雨で、新幹線は止まるし土砂崩れ警戒警報まで出た。これから本番というのに、梅雨の終わる時の雨に似ていた。天候異変には慣れてきているので、近隣の人はまたかと騒わぐようなことはなかった。

 ただ待合室では閑古鳥が鳴き、いつもの半分の患者数でゆっくりできた。一時間に四、五人というとのんびり診ることができ本当に楽だ。勿論、経営的には毎日このペースでは赤字になってしまうので、医院を始めた頃は雨のせいと理由は分かっていても、患者さんが少ないとやきもきしたものだ。

 同業者の中には連れ合いが看護師の人も居るので奥さんと二人、あるいはそれに事務を一人プラスした家族経営でやっていおられる医者も居る。そういう処は患者が多くなると大変だろうが、患者が少なくても平気で、のんびり楽しく?やられているようだ。そうした一人W先生がいつだったか、今日は三十人も採血したよと笑いながら話していたのを思い出す。自分には診察しながら採血などとてもできない。

 先日、医師会の会合で久しぶりに会ったらちょっと恰幅が良くなってはいたが相変わらず山の分校の校長のような風情を漂わせていた。世の中の規範というか世間や医師会の目には無頓着で、超然とマイペースでやっておられる。特別親しいわけではないが馬が合い、会えばエールを交換し忌憚のない話をする。「じゃあ、また」と別れたのだが、悠然毅然とマイペースの診療スタイルは、私には清凉剤のように感じられる。

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一体どうなっているのか

2017年06月21日 | 政治経済

          

 萩生田光一という政治家のことは見たことのある顔程度にしか知らなかったのだが、文科省の公表した文書に依れば安倍首相の意を体して加計学園獣医学部をごり押ししていた人物のようである。本人は儂はそんなことは言っていない、陰謀だと怒っているが、到底信じられない。

 自分に都合の悪い記憶が変容することはあるし、殊に敵愾心の強い人物では自分を攻撃する者に対する怒りで真っ当な判断が逆転し、儂は悪くない相手が悪で陰謀だとなってしまうことがしばしばある。

 冷静に考えれば文科省の役人が、わざわざ萩生田氏の言葉を捏造するようなことはあり得ない。半年以上前に今の事態を予見することは不可能だ。義家弘介氏も文科省の役人の言葉に嘘はないと反論している。文書に書かれたことに付け加えることや差し引くことは何もない。この問題はこれで決着が付いている。あとは全て、親分と用心棒が怖いから?保身のため?有耶無耶曖昧にしようとする脚色で雑音だ。

 民進党は身内優先捻じ曲げ政治を声高に咎めるのもいいが、何故それでは民進党にとならないかということも肝に銘じておく必要があるだろう。

 一番問題なのは、自民党の自浄能力の欠如だろう。どうしてこんな人達が内閣の核を構成して盲進するのを許しているのだろう。劣化が著しい。権力に擦り寄るゴマすり茶坊主ばかりでは日本がおかしくなる。国民はそこまで劣化していないと思う。

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