駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

虐げられる?女達

2013年08月26日 | 診療

                   

 男と女は狐と狸の化かし合いとよく言われる。結婚後は片目を瞑れとも言われる。いやあどうも片目じゃあ足りないが、両目を瞑っては歩けないのでとお嘆きの方も多いかもしれない。

 私は診察室で、総合病院では言えない不満や他院の医師には話しにくい愚痴を色々聞かされる。まだまだ修行が足りないので、いい加減にして欲しいと内心思うこともある。

 先日、医者ばかりのちょっと遅めの納涼会で、「どうも病気の訴えよりも愚痴が多くて」と言うと、整形外科のY君が「先生、私は愚痴聞き係と悟っていますよ」。などと言う。彼は私より十歳も若い。「君は偉いなあ」。と感心すると「最近悟ったんです」。と悟りが遅い私に耳の痛いことを言う。尤も、「はいはいと言いながら、メイルを書いていますよ」。とS先生。「愚痴なんて聞いていられないすよ」。と子供から何でも見る神風医者のN先生。

 どうも患者さんには愚痴の言いやすい医師とそうでもない医師があるらしい。私は愛想は良くないはずだが、愚痴は言いやすいらしい。愚痴を言うのは何処の医院でも殆ど女性のようだ。私の診察室からの観測では女性が強くなったと言っても、まだまだ虐げられているような気がする。横暴我儘亭主、時には不良息子のあれこれを聞く。八十の女性に、なんでこんな男と言われても、返す言葉がない。

 そうは言っても、男は家の女房はとは言いにくいだろうから、圧倒的に女性群が被害を被っているとは言えないかもしれない。このあたりは風評統計の難しいところだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とても良いホテルができた

2013年08月25日 | 身辺記

                           

 東京に行ってきた。ステーションホテルに泊まった。部屋は少し狭いし、お値段もなかなかだが、私はとても気に入った。やたらと長い廊下、お年寄りには不向きだろうが、私には面白かった。ロビーが狭いのとトイレが遠いのは減点対象になる。朝食は超一流と自負するホテルに引けを取らない。従業員のサービスは非常に良い。それと、建築の意匠が素晴らしいと褒めておきたい。女房も気に入ったようだから、また泊まる機会もあるだろう。

 五十年前、全国で9番になったことがある。五十年経ってまた9番になれた。半世紀で何の進歩がないようだが、未だ頑張れたと思いたい。たくさんある趣味の一つだが、好きだから(病気かもしれない)半世紀以上続いているのだろう。懐かしい人達に会えた。

 東京を移動して、ちょっと気になったこと。

 乳幼児は可愛い、親御さんだけでなく社会で保護したい。しかし、どうも乳母車が時々暴走しているように感じる時がある。乳母車は砕氷船とは違うと思う。

 丸の内側の駅前スペースがいただけない。白い金属製の仕切りは興ざめである。

 ついでに、もう一つ。「風立ちぬ」(私は未だ見ていない)の中で主人公が煙草を吸う重要なシーンがあるらしい。どうもそれが喫煙を助長しているように見えると、禁煙学会がけしからんと抗議をしている。これはなんだかおかしい。

 未だ八月だが、明らかな秋を感じながら東京を後にした。列車内で一眠り、とても楽しい週末を過ごすことができた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あともう少しで夏を越せたが

2013年08月24日 | 診療

                   

 大物などという言い方は不謹慎に響くかもしれないが、五年以上往診してきた超高齢のお二人が数日前続けて亡くなられた。共に九十台半ばの女性で、お一人は全く寝たきりで会話はできなかったが、もうお一人は座位が取れ少し話も出来ていた。

 前々日まで普段と変わらず、前日足の浮腫みが少し憎悪したり、前日痰の絡みがあったりして、ちょっといつもと違う感じがあった。時々あることなのでさほど深刻には捉えず少し様子を診ましょう、去痰剤を出しておきましょうといった対応をしたのだが、翌日あっという間に眠るように亡くなってしまった。確かなことは分からないがやはり猛暑がいくらか関係したように思う。

 去年一昨年と、夏が越せるかなとご家族と話をしていた。今年も何とか夏を越せるかなと思った矢先だったので、残念な気もしたが、むしろご家族やヘルパーさんがよくこれまで面倒をみられたと思いなした。長年の経験からすると高齢となられるほど、あっさり静かに逝かれる。

 死は避けられず、いつかは死ぬのだと、いつも目の当たりにしている者の正直な感想は苦しまない(苦しそうに見えない)ことは、大切というか僥倖と感じる。残されたご家族や介護に加わったヘルパー看護師医師が心穏やかに終わりを受け入れられる。まだ死んだことはないので分からないが、おそらくはご本人もと思う。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

常識の落とし穴

2013年08月23日 | 小考

                     

  万葉の昔、家持が石麻呂(如何にも痩せていそうな名前)にもの申すと、夏痩せに鰻を勧めたようだが、今では夏痩せする人よりも夏太りする人が多いくらいだ。少なくとも外来では五分五分まで、太り派が台頭している。

 朝早めに電車に乗ると必ずと言っていいほど座っている人の中にパンやお握りを堂々と食べている人が居る。80%体格の良い比較的若い女性だ。恐れ入ることには食べ終わるとお化粧を始める人も居る。古い人間なので一瞥するのだが、どこ吹く風と歯牙にも掛けられない。

 果たして冷房が効いているせいか体格の良い現代女性は食欲が旺盛なのかよくわからないが、体重が平均より多い人では夏痩せは常識でなくなったと観測している。

 期待の国産ジェット、三菱MRJの納期がまたも遅れることになった。この場合の常識外れは、空間的なもので、海外(東南アジア)赴任期間の長かった我が友F氏に言わせれば、国外の部品調達を日本と同じ常識で考えているからこういうことになるらしい。恐らく技術畑の人は海外交渉に慣れていないというか長けておらず、日本の常識が通じないのを知らなかったのだろう。気を悪くするのではなどと臆することなく、がちがちがみがみ細部まで詰めておかないと、えーっということになるらしい。

 ちなみにF氏、中国韓国は特に要注意、とても・・・できないと苦笑いをされる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

似て非なるもの、床屋と植木屋

2013年08月22日 | 身辺記

                 

 床屋と植木屋はどう違うのだろう?。床屋さんにも植木屋さんにも、「ちょっと旦那」と注意されそうな疑問を持った。

 昨日、植木屋が入って、何処の庭かと見違える程、枝を払っていった。この頃は電動ノコギリなので、仕事も早いし粗い?気がする。植木のことはよく分からないので、特別注文はしないのだが、いつも職人さん達が帰った後で、随分明るくなったなあ、こんな少しの葉で木は大丈夫なのだろうかと思ってしまう。

 二ヶ月もするとだんだん枝葉が伸びてきて、元気が出てくるので、素人の感想ということになるのかもしれないが、本当は別のやりようもありそうに思う。尤も、下手に注文や感想を言うと年に二回も三回もやらして下さいということになりそうなので黙っている。大きな声では言えないが結構な値段と女房から聞いている。実際の額は、血圧が上がるのを心配して教えてくれない。

 もう少し落ち着いてと言われそうだが、植木屋は三回ほど変えた。いろいろな職人さんとお付き合いがあるが、大工が一番しっかりしている感じを持っている。

 床屋も三回ほど変えた。長く行っていたところの代が変わって、どうも落ち着かないのであれこれ探し、暫く駅前の床屋に行っていたが、何だか植木屋並みにやたらと短くされてしまうので、今は友人のGさんが勧めてくれたHへ行っている。非常に清潔で落ち着いた店で、四十代後半とおぼしき店主が成る程と納得の整髪をしてくれる。H氏ちょっと無愛想なところがあるが、客と釣り合いが取れて良いのかも知れない。奥さんが感じが良い人で、亭主の無愛想を補って余りある。

 このHへ最初に行った時、二言三言刈り方の希望を聞かれた覚えがあるが、頷いてやってくれた仕上がりが気に入り、通うようになった。

 Gさんに植木屋も紹介して欲しいが、生憎繁華街の外れでビルが建て込み、彼氏の家には庭がない。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする