駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

きめ細かい日本の介護

2013年08月28日 | 医療

             

 先日、当院で往診している患者さんのサービス担当者会議に出席した。

 サービス担当者会議というのは、介護保険を利用している高齢の患者さんで問題を抱えている症例について、担当する介護看護医療関係者が一堂に集まって解決策を考える会議である。患者家族、ケアマネージャー、地域包括、訪問看護師、医師、マッサージ師、介護用品提供業者、介護タクシー運転士、デイサービスセンター担当者、ショートステイ担当者とだいたい十人程度の会議で小一時間掛かる。

 当院で介護保険を利用している患者さんは五十人程度居るが、幸い問題のある患者さんは少ないので、この担当者会議は年数回で済んでいる。医師の感覚ではトラブルの多くは患者さん家族内あるいは患者家族と介護担当者間の人間関係なので、ケアマネで処理できるのではと感じることもある。尤も、ケアマネが押されぎみで医師看護師・・の助勢を求める意味合いもあるようだ。ケアマネも色々で、この家族には強いAさんの方が良いこの家族には優しいBさんの方が良いと内心交代をと思うこともある。まあ、良い解決策が出なくても、顔を見ながら話し合いができるというのは、とても有意義で、無駄だったと感じることはまずない。

 それにしても九十五歳で寝たきりのMさんに、デイサービスケアの食事介助が手を出し過ぎ、マットがちょっと柔らかすぎる**さんに変えるように頼んだのにやってくれない・・・ときめ細かい内容で、地域の介護支援包括センター長が、九十五歳でここまで出来ているのですからまあまあと、取りなす場面もあった。勿論、この会議は無報酬だ。

 欧米では考えられないきめ細かいあるいは細部こだわる介護だと思う。

 

コメント (2)
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