駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

岩健の言う通り

2021年04月21日 | 医療
      

 感染症が専門の神戸大学教授岩田健太郎先生は質問した私を年寄り扱いしたのであんまり好きではないが、新型コロナ対策ではまっとうな指摘をされているので長いが引用させていただく。
 ――問題視するのは、具体的な目標を打ち出さない政府の対応だ。
 そもそも、政府がどのような状態を目指しているのか、目標がわかりません。菅義偉首相は「国民の皆さんの命と健康を守り抜く」「新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させます」と言いますが、抽象的で、人によって解釈が変わります。
 感染者ゼロを目指すのか、それとも1日の感染者数が数百人程度になればそれでよしとするのか。具体的な目標を明らかにするべきです。
――国内の新型コロナウイルスによる死者はすでに9千人を超えている。「感染者増加に4週程度遅れて死者の報告が増加するので、死者が1万人を超えるのは時間の問題」。
 これだけ大勢の死亡者が出ている国は東アジアにはありません。米ジョンズ・ホプキンズ大によると、日本の人口10万人あたりの死亡者数は7.53人。韓国(同3.45人)や中国(同0.35人)などと、差が大きくなってきています。
 亡くなった方の多くは高齢者です。経済を回すにはある程度は高齢者が亡くなるのは仕方ない、という目標も、理論的にはあり得るでしょう。もし責任ある政治家がそう考えているなら、きちんと国民に、日本の経済を守るためにこうしたいと説明し、国民の納得を得るべきです。
 しかし、実際には、上っ面のきれいごとしか言いません。具体的な目標を掲げると、達成できなかった時に失敗したと非難されるからでしょう。責任を回避するような態度からは、経済界などにも忖度しながら何となく落としどころが見つかればいいといった、やる気の無さしか感じられません。
――東京五輪開催まで100日を切った。だが、収束までのロードマップはない。
 東京五輪・パラリンピックについてもいまだに「開催する」と言うだけで、感染状況がどうなったら、どのような形態で開催できるのかを責任者は誰も明確にしません。
 観客を一切入れず、選手と関係者だけにすれば開催は不可能ではないかもしれません。ただし、それでは、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」としての開催にはなりません。しかも、今のような国内の感染状況では、危ないから選手団を派遣できない、という国も出てくるかもしれません。
 以上引用終わり。
 こんな簡単でまともなことが理解できない菅首相の脳味噌はどうなっているのだろう。新型コロナで次々と人が死んでも多くは高齢者だからオリンピック開催のためにはやむを得ないというのだろうか?。  
 東京オリンピックを主催するのは東京都で責任者は小池都知事なのだが、あなたも同様のお考えでしょうか。お二人ともそうならそうとはっきりと表明してください。
コメント
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