正確な情報の隠蔽と問題の決断先送りで遂にトリチウム水があふれ出すことになった。放射能は中和できないし燃焼して無くすことも出来ない。実はこうなることは十年前から予測できた。基準値の十分の一以下に薄めて流すなど、何処まで科学的な根拠があるのだろう。海に放出されれば薄めても薄めなくても最終的には希釈度は同じになる、放出近傍で差が出るだけだ。
安全性に問題ない、なんなら飲んでみせると八十過ぎの麻生さんがおっしゃられても説得力は乏しい。幼稚園児に飲ませると言えば安全性宣伝効果はあっても袋だたきにされるだろう。吉村知事の大阪湾に流すというのは面白いアイデアだが、実際にやればまたイソジンかと非難されるだろう。
根回しが得意な政治家が、なぜ五年も六年もこの問題に目をつむり放置していたのだろう。東京電力は公益の組織の体をなしていないのが白日の下に晒された。新型コロナ対策といい福島原発事故後対応といい、日本が科学を忘れた国になってしまっているのに気付かないと傷は深まるばかりだ。