駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

基本のきを忘れない

2015年10月19日 | 旨い物

                   

  昨日はカツサンドを作った。実はカツサンドは作ったことがなく、飯島奈美さんという料理研究家(フードスタイリス)のレシペでやってみた。自分で言うのも何だが、非常に美味しくできた。友人達も専門店より美味しいと褒めてくれ、日曜に早起きした甲斐があったと満足した。尤も、早起きといったって本当は六時半には眼が覚めてしまい、どのみち寝坊など出来ない高齢身体になっているのだ。(大して年が違わない女房はどういうわけか八時過ぎまで寝ていやがる)。

 なぜ美味しく出来たかというと、レシペに忠実に作ったからだと分かっている。よく言われるのだが、新しいメニューは三回作らないと自分の物にならない。自分の工夫というかバリエーションは、それからにしないと新しい料理を身に付け、美味しく作ることはできない。生半可に腕に自信があると、最初から自分流の工夫をしてしまい、結局似て非なる物しか作れず終わってしまう。

 実はポテトサラダがなかなか美味しく作れない。どうしても自己流でやってしまい、女房のポテトサラダに及ばない。癪だけれども教えを請わないと駄目そうである。

 これは診療にも通じることで、とにかく基本を身に付けてから、自分なりの工夫をするようにしないと、自己流になってしまう。急性の病気の八割は自然に軽快するし、慢性の病気は治療効果の判定が分かりにくいので、自己流を糺す機会は以外に少ない。特に私のような開業医は、他医の眼がないから独善に陥らないように、医師会誌学会誌で情報を仕入れ,月に数回は勉強会に出かけなければならない。大学でさえ群馬大学のように、自己流?の手術が行われて不良の成績を放置していた所もある。

 今から思えば「馬鹿者」と頭ごなしに叱ってくれた教授は有り難い存在だったのだ。果たしてそんな教授がどれほど生き残っているだろうか?。

 

コメント
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