駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

患者さんは色々

2015年10月10日 | 診療

                     

 急に涼しくなった。寒いくらいだ。気温が急に下がったというよりは日本人が寒暖を感じる温度が二十C前後にあるために、今の時期にそう感じるのだろうと思う。逆に言えば快適に感ずる温度の帯域は意外に狭いのかも知れない。尤も、これには個人差があり、おれは暑いのは苦手だが寒いのは平気だ。どんなに寒くても平気だと、北国の人が聞いたらびっくりすることを言われるおじさんも居られる。勿論、逆のおばさんも居る。これがご夫婦の場合はエアコン設定で厳しい争いがあるだろう。

 月に一二名薬をなくした、もう一回出してくれという患者さんが出てくる。「困りましたね」と申し上げれば、「何回も家中捜した」と、向きになって訴えられることもある。ちゃんと捜さなかったと暗に非難されたと勘違いするのだ。そうではなく、説明に苦労するのでつい困ったなどと口走ってしまう。   

 患者さんは当然もう一度出して貰えると思っておられる。確かにもう一度処方するのは簡単なのだが、医療保険はなくした分まではカバーしないので、全額自己負担になる。これを分かって貰うのに一苦労する。患者さんは図体が大きい総合病院には弱いが小さい医院には強く、なくした自分の責任はどこへやら不機嫌になる人が出てくる。

 別種の難しさを抱えた人も出てくる、この薬だけなくしたとか足りないと言われる。薬局で入れ忘れたのではないかと言われても、そんなはずはありませんとしかお答えしようがない。それが睡眠導入剤だったりすると、医者も眉に唾を付けることになる。

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