駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

大きくても静かに伝わる

2015年10月06日 | 世の中

                 

 大村智さんがノーベル医学賞を受賞された。TPPが大筋合意した。共に大きなニュースで一面を飾っているが、大騒ぎの感じはなく寧ろ静かに伝わっている感じがする。大村さんは謙虚で謙遜な方で、とても感じがいい。お目出とうございますと申し上げたい。先日訪れた山梨県の方も大喜びだろう。

 日本人のノーベル賞受賞は珍しくなくなった。それとノーベル賞の本筋というか本質が分かってきた感じもする。優れたそして役立つ業績に与えられる。受賞者も学業の大秀才というよりは、粘り強く難壁を踏破して頂に辿り着いた地道な研究者が多いようだ。そうした人が幸運の女神の前髪をつかむのかも知れない。

 TPP大筋合意だそうだ。苦労した甘利大臣はあまり嬉しそうではなく大筋の意味が気になる。それにしてもあまりにも長く困難な交渉ですっかり老け込まれた様子でこちらにはご苦労様と申し上げたい。七十五日経つと忘れる日本人の特質のせいか賛成派からも反対派からも大きな声が上がらないようだ。ご破算の可能性もあったわけだから、もう少し反応があってもよさそうだが、首相からして新三本の矢を浸透させようと、微妙な問題には触れたくないのだろうか。

 いつも黒船で変わってきた国なので、対応策の中身が気になるところだ。どうも攘夷?の感性の人に賛成派が多かったようで、奇妙な捻れがあるようにも見える。日本には潜在力実力があると思うけれども、それに殆ど貢献していない人が夜郎自大なのには、首を傾げたくなる。

 ノーベル賞には無縁でTPPの影響は不可知だが、とにかく役に立つ医者を目指して、今しばらくは老骨に鞭を打って、患者さんを診てゆきたい。それが己にできる精一杯のことだ。

コメント (2)
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