駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

仲間に嫌われても

2015年10月15日 | 世の中

           

 秋晴れが続いている。朝夕は肌寒いけれども日中は少し動けば汗ばむほどで、長袖を煩わしく感じてしまう。米の収穫時期だが、今年の出来はどうなんだろう。TPP絡らみで、農家も政府も気懸かりと思う。

 昨日の内科医会の世話人会で、インフルエンザワクチンの値段設定が話題になった。今年のインフルエンザワクチンはカバーするインフルエンザ株数が3から4に増えた。これはより幅広い予防効果を狙った厚労省の指導に依るものなのだが、作る会社は原料と手間が増えたので当然値上げをしてくる。そうすると接種する医療機関も値上げをすることになる。医師会で一律は駄目、ガイドラインも好ましくないということで500円から1000円の値上げというところが多い。内科医会の会長は3800円にしましたと微妙な告白だ。

 どこの業界でもそうだろうが、あいつはけしからんという会員が居ると思う。H医師がやり玉に挙がった。値上げせず、元々異例に安い二千円台のままで、予約なしで来た人には「ハイ、ハイ」と接種しているとのこと。そのため前の道路にインフルエンザ予防接種渋滞が起きているそうだ。私の医院からは4キロばかり離れているので、よく知らなかったが、近隣の先生方は腹に据えかねているようだ。H医師はインフルエンザ予防接種に限らず、患者さんの受けが良いように?診療されているそうで、普段から患者数が多く開業十年で周りを圧倒する勢いらしい。そのため余計にお気に召さず、新しく建った豪邸と高級外車も目障りに感じられ、血圧が上がってしまうらしい。

 H医師は医師会の会合に出てくることはなく、気心の知れた一部の医師との連携で十分と考えておられるようだ。患者さんに信頼利用して貰えれば、同業者の目など気にされない強い人なのだろう。どの業界にもこうしたキャラクターの方が居られると思う。幸い?、離れているので申し訳ないが面白く鬱憤を聞いた。

コメント
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