駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

お金を払う前に考える

2014年08月27日 | 小考

                

 完璧な健康というものなどないのだが、あたかもそれが存在するような、そしてそれが簡便に手に入るような広告が溢れている。私これを飲んで、こんなに元気です。幾ら貰っておられるのか知らないが、自己暗示は犯罪ではないにしても、過大で錯覚を狙った広告が多過ぎる。        

 数多いこれを飲んで元気という健康食品がある。そんな食品が何百もあるだろうか。あるとすれば内容が類似しているはずだ。詳細な成分比較がされているのだろうか。一体原価は幾らぐらいで、広告費は何%くらいなのだろうか。効果がない場合や副作用が出た場合は訴えることが出来るのだろうか。購入する前に考えた方がいい。購入してしまえば支払った費用効果が出る恐れがあるし、それに小さくいろいろ但し書きが付いているかもしれない。  

 別に完璧でなくとも良い、知り合いや同僚に負けない、出来れば凌駕する健康体を手に入れたい人間、人の不幸は蜜の味が止められない人間が本当に効果のある健康食品を誰にでも教えるだろうか。家族とせいぜい親友数人にそっと教える程度だろう。誰にでも、時間限定でお安くなどは儲けたい心のなせる業だ。  

 声を大にして申し上げたいのは、本当にそうした効果があれば、厚労省が必ず公費で各家庭に配り出すということだ。医療費の増大で頭の痛い厚労省は喉から手が出るほど、病気予防対策を望んでいるからだ。

 実は実際にそうした効果のある対策は知られている。勿論、100%には程遠いが適度な運動をすること、過食を避けバランスの取れた食事を取ること、過度のストレスを避けることなどには成人病予防効果がある。ただ、これはお手軽とは行かず、しかも継続しなければならない。  

コメント (2)
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