駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

曲がり角で考える

2014年08月12日 | 小考

               

 台風一過の晴天とはほど遠い、曇り空の下を出勤してきた。どんよりとして蒸し暑い。どうなっていると思うのは老人の証拠で二十代以下の人には昔からの季節に関する言い回しは的外れで、意味のないものになっているのかも知れない。

 遠くにありて思う故郷に帰る人が溢れる季節だ。人はいつも今の若い者はと言い、今は曲がり角の時代だと言ってきた。曲がり角かどうかは五十年では無理、百年後の歴史家が漸く判定を始めるだろう。それにしたところ、時々定説が覆ったり見直されたりするので、ほぼ揺るがない見方に収斂するには何百年と掛かる。

 それでも、今の時代を考え発言するのは意味があることだと思っている。時代を考えることは誰にも出来ることで、技術的なことには得意不得意あるいは特定の分野には専門非専門はあっても、全体を考えることは普通の人間にも十分出来ると思っている。

 開業して四半世紀、医療の内容も変わったし、世の中というか患者さんにも変化がある。先端医療のことは専門外でよく分からないが高血圧、高脂血症(脂質異常症)、糖尿病、胃十二指腸潰瘍、在宅医療にははっきりとした進歩と変化がある。患者さんの変化はさほど大きなものではないが、高齢者とは会話が増えたと思う。若い人はどうも正直頼りないというかのれんに腕押しの人が増えたような気がする。早く社会に出てしまった若者はどうもあんまり生き生きしていない。

 生き生きと生きて欲しいと思う。本を手に外に出て考えることを若い人に勧めたい、などと教師のような事を書いてしまった。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする