駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

まさかを越えたい

2014年08月05日 | 自然

                 

 当地でも雨が降っているが間欠的で雲も斑で厚くなく、大雨は予想されていない。四国高知では未曾有の大雨が降った。しかもこれからも降り続く予想で、被害が拡大しなければよいがと案じている。

 信じがたい大雨で、地元の人は「まさか、まさか」と思いましたとレポーターに答えていた。どうも人間は直接見聞きしないことはあり得ないことのように感じてしまうらしい。祖父母以前の記憶はないことと判断してしまいがちだ。天変地異にしてみれば百年なんてほんの数日の長さ、百年なかったからまさかと思いましたと言えば、不心得と笑い飛ばされてしまうだろう。

 こんな事ならちょっと不便だがあの高台にしておけば良かったと浸水した我が家を呆然と眺めておられる方も居るだろう。いつも水に浸かった車を見て、どうして早く移動しなかったのだろうと思うのだが、あっと思った時はもう遅いのだろう。

 人間は、だからこの不条理の世界を生きていけるのだろうが、妙に楽観的に出来ている。殆どの人がまさか自分がと思っているのだ。しかし中には、そう思わない人も居る。あの偏屈があの神経病みが時に人を救う。でもまあ、平時には大切にされず尊敬もされない。難しいところだが、杞憂は過剰としても、あわやの一瞬の判断を違えない人物を頭にしたいものだ。果たして今の世にそんな人が居るだろうかですと、??。

コメント (2)
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