昨日医院に着いたら、見慣れない高齢の女性が入り口の前でうろうろしていた。いつもより早く、診察開始の一時間以上前だったのでびっくりした。新患かなと思いながら、入り口を開けると「早く来すぎてしまったわ、すいません」。と待合室にぽつんと腰を掛けた。
窓を開けたり、パソコンとエアコンのスイッチを入れたり、着替えたりと始業の準備を済まし、コーヒーを置いて奥でブログを書いていると、「おはようございます」と大きな声がしてKさんが入ってきた。もう八十になるのだが元気な大男で話し好きだ。早速、先客のお婆さんと話し始めた。なぜ新患と気が付いたのか「ここはね、朝早いと混むんだよ。今日は検査があるから早く来たけど、十一時半頃に来ると空いてて早く診て貰えるよ」。と説明を始めた。「あらそうなの」。と答えているようだが返事はよく聞こえない。「先生は早いけど、看護婦さんは八時過ぎないと来ないよ」といろいろ説明している。
人様々でおしゃべりな人無口な人と色々だが、知らない人にも声を掛けて話をする人はそう多くはない。誰彼となく話し掛ける人は男の方に多くて、大抵声が大きい。知り合い友人だと夢中になって話し込むのは女性に多く、呼ばれても気付かない人も居て、毎回だと看護師の通信簿に要注意と書かれてしまう。不思議なことだが若い人に待合室で座談会をする人はまず居ない。殆どが六十過ぎの人だ。
話し好きな人は診察室でも良くしゃべり、Kさんなど信州生まれで末っ子でと聞きもしないのに色々話してくれるので、家庭内のことまでよく知っている。尤もコロンボではないが奥方は話しにはよく出てくるのだが、お目に掛かったことはない。
逆に無口な患者さんも居て、殆ど自分から話すことはなく「はい」、「そう」、「いえ」で十年という方も居られる、これは殆どが男性。困るのは知りたくもないことを教えてくれる患者さんで、これは殆どが女性。守秘義務が習い性となっているので、誰にも言いませんが。