駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

凄腕料理人と踊る給仕

2013年09月12日 | 旨い物

                   

 カウンターが七席、四人掛けのテーブルが二つ、掘りごたつ形式の腰掛けられる座敷に十席の合計二十五席。街角の中華店としてはやや多い席数か。車で二十分ほどの距離、ネットで廉価で美味しい店と見付け、来て見た。

 入店時には八割の入りだった。空いている席があるのにハイどうぞとはならない。「少々お待ち下さい」。

 なぜかと言えば、前の客の食器が片付いていないからだ。それは当然、繁盛している店なのにフロアには二十代前半?の女性が一人しかいないからだ。会計、注文取り、料理運び、一人でてんてこ舞いだ。二三分待たされ、笑顔で「お待ちどうさま」。

 皿が下げられ、拭き上がったテーブルに腰掛ける。ちょっと可愛いので、直ぐ同情して人使いの荒い店だなと思いながら、渡されたメニューを見る。料理は肉、海鮮、卵料理に麺、飯物に点心で三十品目くらい揃っている。ホテル並みとまでは行かないが、ラーメン炒飯餃子の中華店とは違う。

 カウンター越しに奥の厨房が半分ほど見え、坊主頭四十がらみ中肉中背の料理人が忙しなく動いているのが見える。暫く見ていたのだが、見え隠れするのが一人しか居ない。どうもこのFと言う中華料理店はキッチンとフロア一人づつ、たった二人でやりくりしているらしい。

 例のごとく迷った挙句、結局いつもの酢豚(二人前相当)1400円小ライススープ付き、餃子を注文する。待たされるだろうなと思っていたら、十五分くらいで出てきた。酢豚は透明なタレに絡まっており、あっさり甘酸っぱい。野菜に油通しがしていないようだ。餃子もニンニクは入っていない感じでくどくなく、中身ジューシーで外はカリカリと仕上がっていた。どちらも美味しく頂いた。何より女房が気に入ったのが有難い。又来ることができる。次はこれを食べて見ようと、ゆっくりの女房が食べ終わるのをメニューを見ながら待つ。二人で2100円、これは値打ちだった。

 なぜ料理が早く出てくるか、それは手順と手際が良く、しかも同時にいくつかのことができるからだ。これは厨房を観察しての結論だ。診察も似ており、同時にいくつかのことができる医師は診察が早い。

 又来るよ。福ちゃん。

コメント (2)
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