ピータバラカンさんの写真が大きく新聞に出ていた。あれどうしたのかと見ると「日本人のさりげない心遣いはどこへ行ったの」。とキャプションが付いていた。確かバラカンさんはロンドン生まれのイギリス人だったと思うが、それって本当と思えるくらい自然な日本語を話す。その、バラカンさんにそう云われては、生粋の日本人の私は頷きながらも返す言葉がない。
もうそんな心は博物館に行かないと見付かりませんよと答えなければならなくなるのも、そう遠くない気がする。今は未だ名残りをそこここに見出すことが出来るけれども、やがて消えてしまいそうだ。朱鷺のように移入して不自然に繁殖させても、さりげない心遣いはもう取り戻せないだろう。わざとらしさのないところが命のものだから。
写真はネットから拝借