駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

苦戦するナースセンタ

2012年07月21日 | 医療

                

 看護師が不足している。当医院でもお目出たで退職される看護師さんが複数出て、頭を抱えている。求人を出している頼りのナースセンターからは2ヶ月以上音沙汰無しなのだが、複数の看護師紹介業者からファックスや電話で該当の看護師が居りますという連絡がしょっちゅう入ってくる。どうも当院の求人情報が筒抜けで、紹介業者に回っているようだ。

 ナースセンターに応募状況を問い合わせると残念ですがゼロとのこと、紹介業者から連絡がある旨を伝えるとこの頃の若い方はねーという返事が返ってくる。がっくり、がっかりだ。企業じゃないから、開店休業でも困らないのだろうか。看護協会の性格上、利潤がらみで動くことが出来ないので難しいかも知れないが、何らかの対策が取れそうに思う。

 結局は売り得市場であることを利用して、紹介料を取る業者が看護師就職市場を席巻してしまっている。看護師さん達も有利な条件の職場を無料で検索してくれ、就職祝い金まで呉れる業者に登録する人が多くなっているらしい。まさに看護の心を持つ看護師の就職も利潤追求の市場原理で動くようになっているわけだ。

 ネットを検索すると看護師紹介会社ランキングまである。確かにこれを読むとナースセンターに行くのは阿保らしくなるかもしれない。しかしこのサービスの裏には売り手市場である為に利鞘が稼げるという原理があるわけで、医療従事者はそれを弁えておく必要があると思う。

コメント
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