週に二日水、土と午後は休診にしている。休診と言ってもそれなりにやることがある。水曜日の終診間際に、往診を始めたTさんの奥さんから電話だ。「朝から殆ど食べずボーっとしている。往診してくれ」。とのことだ。今日は2時から介護保険審査があるのでと断ろうかと思ったが、往診を始めたばかりで様子が分からないので、行くことにした。内心、これでは昼飯は早い吉野家にしなければならない、残念だと思う。
往診に行くとT氏はソファに横になりうたた寝?をしていた。「どうしました?」。と聞けば「あんまり食欲がなくて」。とはっきりものを言う。テーブルの上にはコンビニで買ったと思しき団子が置いてある。2本食べてある。奥さんが「団子なら食べるかと思って」。と私の視線を見て言う。部屋が暑いので風をいれ空調を入れるように言う。血圧は110/70/82で問題ない。朝から蒸し暑いので食欲がなかったように判断する。折角来たので点滴をし、室温に注意してきちんと水分を取らせるように説明して、明日朝様子を電話するように告げて帰る。
吉野家は牛丼ではなく葱塩豚丼を食べてみた。三枚肉の脂っこさを塩葱で中和させ中々の味だった。ご馳走の和定食はまた今度と諦めた。翌朝、変わりなく元気とTさんの奥さんから電話がありましたと看護師が報告してくれた。「ああ、そう」。想定内のことであっさり返事をしたことだ。
Tさんは高血圧で某医院に通院していたのだが、脳梗塞を起こし往診が必要になったので往診しない某医院から私のところへ転院してきたのだ。リハビリ病院からの紹介状には掛かりつけの貴院を希望されますのでと認ためてある。えー嘘、当院には数年前に風邪で二回来たことがあるだけなのに、とあきれたことだった。そんなことを言って悪いが、そんなことを言いたくなるのだがTさんは生活保護だ。気のせいか立ち回りに下手な芝居を感じてしまう。