駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

NHKの囲碁将棋

2010年04月11日 | 趣味
 NHKの囲碁と将棋の番組をよく見る。囲碁は二級位で将棋は二段位だと思う。もう十年以上実戦から遠ざかり、観戦ばかりだ。解説がないとどっちが有利かもよく分からないが、次の一手は結構当たる。全然手は読めておらず当たるだけ。解説を聞いてなるほどそうかと感心している。昔ほど身を入れて見なくなったので、途中でうたた寝をして気が付くと終わっていることがある。対局者に申し訳ない。
 勿論、ゲームそのものが面白いのだが、どちらかを贔屓にすると興味が倍増する。失礼ながらあまり知らないプロだと顔や仕草でこちらを応援することにしようと肩入れして見ている。解説者も非常に大切で、適当に雑談も交えながら、マジに考えて本音がこぼれる人が楽しい。石井九段結城NHK杯レドモンド九段渡辺竜王内藤九段などが好みだ。
 今日も囲碁は時間切れで、終盤が解説抜きになってしまった。これはちょっと興ざめで、囲碁の方が手数が長いのだから、放送時間を30分くらい長くするといい。同じにしないと怒る将棋プロやファンが居るようだが、もっと心を寛くと思う。
 囲碁と将棋は難所というかゲームの流れが違い、将棋の終盤を端折ったら興ざめどころか全然面白くなくなってしまう。どういうわけか男性プロの方が強いのだが、その差は将棋の方が大きいようだ。なぜかについては諸説があるがどうもよくわからない。
 私はザルでへぼだが、囲碁と将棋の違いについてはいろいろ書くことがある。いつかご披露したい。
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貧血の怖さと

2010年04月11日 | 診療
 貧血というのはよくある病態でその大半は血色素を作る材料不足、なかんずく鉄分不足がほとんどである。特に女性は生理、妊娠出産などで鉄欠乏性貧血になりやすい。そのせいか、貧血か今度でいいやと放置しがちである。確かに女性の鉄欠乏性貧血はよくある病気でしかもその原因が容易に特定しやすく、治療も鉄分の補充と簡単なのだが、放置しておくと時に手遅れで困ったことになることもある。分かっているようでもその原因を特定する検査をしておかないと、消化管出血が隠れていたり、稀には白血病など面倒な病気のこともあるからだ。要するになんだ貧血かとなめたらあかん。
 男性あるいは閉経後の女性の場合は、鉄欠乏性貧血があったら必ず消化管の検査をしなければならない。しばしば胃癌や大腸癌が隠れているからだ。
 当然検査は治療しながら進めることになるのだが、鉄分補給でちょっと調子よくなると、何ともないから検査はもういいとキャンセルしようとする患者さんや黙ってキャンセルする患者さんがおられる。当院では二十人に一人くらいなのだが、患者層によってこの割合は異なるだろう。口を酸っぱくして説明してもわかってもらえない、あまりしつこく言うと無理に検査を受けさせようとしていると邪推されたりして、匙を投げることになる。そうした患者さんの中に半年一年後に真っ青になって飛び込んで来られたり、病院に担ぎ込まれたという噂を聞いたりする事例がある。胃癌だったり大腸癌だったりするのだ。こうしたことは稀なのだが、取り返しのつかない事も多く本当に残念だ。
 こうした事例を集めて、なぜ医者の指導や指示に従わなかったのかという研究があると良いのだが、学術誌ではほとんど目にしない。一人の医者が経験するのはたかだか数例でしかも嫌な苦い思い出であることや生活指導などで医者の指示指導に従わない患者さんは五万と居て患者の拒否無理解は日常茶飯事なので、研究の対象にと感じないせいかもしれない。しかしながら、この簡単のようで複雑な人間の心理と行動に悲劇と医療費の無駄が詰まっているのだ。
コメント (2)
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