駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

雨の朝桜と共に

2010年04月05日 | 診療
 今朝未明、十六年通院二年往診した九十七歳のお婆さんが眠るように亡くなった。患家への道すがら薄暗い雨の舗道には桜の花弁が散っていた。
 七十過ぎの息子さんが、自宅で苦しまず亡くなり良かった。先生には長い間お世話になりましたとお礼を言われた。
 長寿者には強い性格の方が多く、認知が進行してからは診察の手を冷やこいと払いのけられたり、「馬鹿者」と叱声を浴びせられたりした。まあ馬鹿者には思い当たる節もあり、苦笑いをしたものだ。
 長寿に恵まれ眠るように桜の季節の大往生、望んで叶えられるものではない。僥倖というものだろう。自分の時は?などという考えがふと頭を過ぎった。 
コメント (2)
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