玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*怒りのコントロール

2020年06月18日 | 捨て猫の独り言

 アトランタの孫はそれぞれ14歳と12歳になって、今でも姉妹で多少のけんかはすれども、以前と違って取っ組み合いのけんかになることはないようだ。昨年日本に残した姉の私物に「ANGERBOOK」と書かれたノートがあって、だいぶ成長したなと感心したものだ。つい最近だが「怒りで後悔しない」という新聞の連載記事を見つけて思わず切り抜いた。(庭にネジバナ出現)

 

 中国古典の菜根譚の「小過を責めず、陰私をあばかず、旧悪を思わず」を努力目標にしたことがある。それもいつのまにやら忘れている。亡き父はすこぶる温厚な人柄だった。私は一度も大きな声で怒鳴られたことがない。その父親に似ず、私は妻や子や孫に対して声を荒げた経験が何回かある。そのたびに後悔し反省した。若いころに家人から「瞬間湯沸かし器」の称号をもらったことがある。 

 記事は、アメリカ生まれの「アンガーマネージメント」というプログラムの紹介だった。菜根譚などと違ってかなり技術的な方法という印象だ。まず怒りは人間の自然な感情であること。そして怒りが生れる原因は自分の理想や願望や価値観つまり自分の「べき」にあること。そしてカッとなった時の対処法(6秒待つなど)、怒りにくい体質にする方法(怒りの記録をつけるなど)、正しい怒りの伝え方(私はこうしてほしいなど)を学び実践しようという。

  アンガーマネージメントのセミナーと仏教研究会のどちらに出席したいかと問われれば、私の場合やはり後者になる。この世のすべてのものは恒常的な実体はなく、縁起によって存在するという意味の「色即是空」に親しみを覚える。人間の欲の中で一番大きなもの、それは権力欲でしょうと養老孟子は述べる。自分の思うようにしたいということ、これは自分の「べき」と同じことで、これに対処するには仏教の教えの方がより有効に思える。

コメント
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