米国と英国の人体実験・医療関係者の「安全神話」にご注意を
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/12da9530a0e28ea63b1c746a828516fd
のなかで、ラジウム・ガールズに言及しましたが、これについてBuzzFeed(本国版の和訳)の記事を。
(BuzzFeed Japan Medicalは、この記事を当然読んでいますよね?)
BuzzFeed(2017年7月19日)
たくさんの労働者を救った「ラジウム・ガールズ」、その忘れられた物語
https://www.buzzfeed.com/jp/bfjapannews/the-light-that-does-not-lie-1?utm_term=.qjoWLMKAZ#.oxwJQWqeD
抜粋1:
「最初に私たちが尋ねたのは、『体に害はないのですか?』でした」。グレイスに作業のやり方を教えたメイ・カバリーは、当時を思い出してそう語った。「体に悪いようなものは、当然口に入れたくないですから。(マネージャーの)サヴォイさんは、『危険なものではないから心配しなくていいよ』と言いました」
だが、それは真実ではなかった。この光る物質が発見されたときから、体に害があることは知られていたのだ。マリー・キュリー自身も、ラジウムを素手で扱ったために放射線熱傷を負った。女工が文字盤を塗る筆を持つ前に、ラジウム中毒で亡くなった人はいたのだ。ラジウム会社の男性たちが、研究所で鉛のエプロンをつけ、ラジウムを扱うときには先端が象牙でできたトングを使ったのはそのためだった。だが、女工たちにはそのような防護は用意されなかったし、そうした防護が必要かもしれないという警告さえなかった。
なぜなら当時は、女性たちが扱っていたくらいの少量のラジウムは、健康に良いと信じられていたからだ。ラジウム水は強壮剤として飲まれ、この魔法の物質が入った化粧品やバター、牛乳、歯磨き粉などが売られていた。新聞は、ラジウムで「長生きできる」と報じた。
抜粋2:
雇い主のUSRCは、彼女たちの死に対する一切の責任を、2年近く否定し続けた。しかし、USRCの言う「ただの噂」はなかなか消えず、業績が悪化した。1924年、ついに同社は専門家に依頼して、噂されている「文字盤を塗る作業」と「女性たちの死」の関連性を調べた。
ラジウムの良さを謳ったUSRC自身による調査報告とは異なり、今回の調査は独立したものだった。そして、専門家がラジウムと女性たちの病気は関係があることを認めると、ラジウム会社の社長は激昂した。調査結果を受け入れる代わりに、社長は新たにいくつかの研究に金を払った。正反対の結果が発表された。社長は、最初の研究報告の結果について調査を始めていた労働省に対しても、嘘の報告をした。社長は、女性たちが病気を「会社のせい」にしようとしているとして公然と非難し、増え続ける医療費に苦しみ、経済的な援助を得ようとする彼女たちを罵倒した。
HPVワクチン被害も、過去の薬害、公害、同じようなパターンですね。
特に「なぜこうした健康被害がでたか」を研究するのではなく、「因果関係はないことの証明(=新しい被害者が出ることには興味がない、ということ。)」の研究に躍起になる人達がいるところが。
なお、ラジウム・ガールズの事件は、私が米国人の友人とHPVワクチン被害について話していたときに彼から教えてもらいました。
(息子がいる彼はHPVワクチンについて、「我が家に娘がいたらHPVワクチンを接種したが、男の子の場合はリスクとベネフィットの兼ね合いを考えると打たない方が良いと判断し、息子には接種させなかった」と言っていた人です。)
これを教えてくれた友人は、このラジウム事件について、「今でも米国では知らない人が少なくない」と言っていました。
こちらはオマケ:
エミール・ガレとナンシー
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/a601313110e7ad96159a33a7e424c850
ウランガラス-「綺麗な花には毒」ではないのか・・・
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/728ef2e32ed39f5d80de12daaf2d86b8
“光る石”から“人形峠”まであれこれ
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/3cfd7c155cc46ff2ef7527c12aabe26e