Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

戦時中の731部隊以外での捕虜生体実験・「だがサイエンスとして必要だった」という言葉

2017年08月14日 | 社会(歴史・都市計画含む)

前回、 

NHKスペシャル「731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験」-科学者が戦争を残酷化した面もあった
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/dafe28ad6d2dc38e4d156e6144baab4e 

を書きましたが、日本人で731部隊のことを知っている人は少なくないと思ますが、1945年5月、九州大学において、米軍捕虜の人体実験についてはどのくらいの人が知っているでしょうか? 

ウィキペディア
九州大学生体解剖事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E7%94%9F%E4%BD%93%E8%A7%A3%E5%89%96%E4%BA%8B%E4%BB%B6 

“戦争の狂気”九大生体解剖事件 2014/8/15
https://www.youtube.com/watch?v=l-hNXvw26hE 

Guardian
Japan revisits its darkest moments where American POWs became human experiments
https://www.theguardian.com/world/2015/aug/13/japan-revisits-its-darkest-moments-where-american-pows-became-human-experiments 

他にも、トラック諸島やフィリピンで、生体実験をしたという証言がありますが、こちらは個人的なものであったのかどうか。 

さて、人体実験、生体実験といえば、米国に夜、広島と長崎の原爆投下、その後の被爆者の調査、研究なども含めて、「人体実験」だったのだと思います。 

ウィキペディア
原爆調査被害委員会(ABCC)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%88%86%E5%82%B7%E5%AE%B3%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A 

この米国の非人道的調査機関の研究を手伝っていたのは、厚生省国立予防衛生研究所。後に再編され、1975年に財団法人放射線影響研究所(放影研)となりましたが、放影研の丹羽理事長が今年被爆者に謝罪をしたといいます。 

毎日新聞(2017年6月17日)
放影研 被爆者に謝罪へ ABCC時代、治療せず研究
 https://mainichi.jp/articles/20170617/k00/00e/040/305000c

原爆による放射線被ばくの影響を追跡調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島・長崎両市)の丹羽太貫(おおつら)理事長(73)が、19日に被爆者を招いて広島市で開く設立70周年の記念式典で、前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)が治療を原則行わず研究対象として被爆者を扱ったことについて被爆者に謝罪することが分かった。 

(中略) 

一方、被爆者を裸にして検査をしたり遺体の献体を求めたりしたことについて、丹羽理事長は「米国側が日本の習慣などを十分理解しておらず、文化摩擦があった。だがサイエンスとしては必要だった」との見方も示した。 

放影研歴史資料管理委員会委員の宇吹暁・元広島女学院大教授(被爆史)は謝罪について「放影研は被爆2世、3世の研究を今後も続けるには、組織として謝った方が協力を得られやすいと判断したのだろう」とみている。 

「謝罪」をしながら「だがサイエンスとしては必要だった」。 

丹羽理事長の言葉、私には「被爆者がモルモット扱いを受けたことをサイエンスとして必要だった」という意味にしかとれません。 

戦中、戦後、人体実験に関わった医療関係者でも、
「上官(もしくは米国)に逆らえないからやった」
「敵が憎いからやった」
という医師、医療関係者は、彼らとて被害者ともいえたと思います。 

しかし、その医師達とて、「サイエンスとして必要だった」と正当化し、その言葉を発した時は、その人はもう加害者、加害者と同類ということのように私には思えます。 

参考: 

<完全に常軌を逸する行動>福島県立医科大学丹羽太貫「うるさいから黙れよ、お前!」環境省専門家会議11/26 OPTV(文字起こし)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3982.html

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