浜岡原発の(暫定的)停止要請について、「法律を作って、命令としなさい」という声があります。
『浜岡原発の法に基づかない要請』について、私は「『法に基づいていない要請だよ』と強調して中電に決定権を持たせることで、自身の負担を減らすことも政府は計算していたのでは」と思っていることもありますし、また、何よりも浜岡原発が停止されることは大歓迎なので、今回の菅首相のやり方には何も言う気もありません。
もちろん『法に基づかない要請』が今後当たり前のように出されてしまうとしたら、それは単なる『権力の乱用』で、その辺は国民が気をつけなければいけないと思います。
さて、そういえば、現在大阪の橋下知事が「国歌斉唱で起立しない教師は免職」と息巻いていますが
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110517-00000478-yom-pol、
これなどはしっかり『権力の乱用』だと思います。
天皇陛下は「強制するというのは、いかがなものか」と何度かおっしゃっています。が、国旗や国歌に並々ならぬ敬意を持っているこの知事は、天皇陛下のお言葉を無視-「愛国心とは、天皇陛下の意向に背くことではない」とわかるくらいの知性がある人ならば当然「国を愛することとは、国旗や国歌自体を敬うことではない」ということくらいわかりそうですが、彼の場合は強制することに強い拘りがあり、そして「上からの命令に従わないこと=非愛国者」とさえ思っているように感じます。
丁度、昨日のJBpressに以下の記事がありました。
アメリカは異常?
5歳の幼稚園園児が逮捕される衝撃映像
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/7956
米国では、校内での生徒逮捕は決して珍しいことではない。全国的な件数の調査はないが、フロリダ州西部にあるヘルナンド郡(人口13万人)が先月発表した数によると、この地域では過去2年で444人の生徒が逮捕されているという。地域の規模を考えると、逮捕が日常化していることがうかがえる。全国的な数は、相当なものになることが予想される
背景には、1990年代から米国の学校が取り入れ始めた「ゼロトレランス方式」が暴走したことにある。
「ゼロトレランス方式」とは、元々は学校への武器やドラッグの持ち込みを食い止めるために導入された厳しいルールで、意図的でも意図的でなくても、間違いでも、無知が原因でも、いかなる状況でも学校が禁じた物を校内に持ち込んではならず、規則に違反した者は厳しく処罰される、というものだ。
当時深刻だった学級崩壊や校内暴力を止めるために推進された。
その後、ゼロトレランス方式は、禁止された「物」の持ち込みだけでなく、いかなる状況でも校則を破った者は厳しく罰せられるというように広げられた。
この「厳しく罰せられる」がエスカレートして、ここ数年「警察に連絡して逮捕してもらう」になったのだ。
当初はどうしようもない暴力などが逮捕の対象になっていたようだが、それも数年のうちに、机の落書きなど、先生と生徒が話し合って解決すればいいような問題にも警察が介入するようになっている。
上記のアメリカの方式は、警察が介入しているものの、おそらく学校側に通報の法的義務はないでしょう。
『ルール』や『要請』は、「自分で解決しないで、第三者に丸投げ」となりえるのも問題ですが、やはり一番恐ろしいのは、エスカレートして、ゼロ・トレランス(寛容がゼロ)になるということだと思います。