通勤でクルマを運転していると、海上コンテナを載せたトレーラーを引っ張るトラクターをよく見かけます。
いろいろな海上コンテナの中で、もっとも頻繁に見かけるのはこちらのロゴが書かれたコンテナではないでしょうか。
世界トップクラス
の海運会社
「マースク」のロゴです。
仕事柄、かなり前からマースクの社名は存じ上げていましたが、十数年前に高速道路を走っている時に、このロゴが描かれたコンテナを見かけて、「さて、この星のトゲは何本だ?」と、思わず気を取られた
記憶があります。
そして、その正解は「7」
どうして「7」なのか、マースクのHPを見ても書かれていませんが、想像(妄想?)の翼を羽ばたかせたところでは、「七つの海」に引っかけているのではなかろうかと考える次第…
それはさておき、この「七つのトゲを持つ星(七光星というらしい)」は、どうやって描くのでしょうか?
円を7等分して、正七角形を描き、14本の対角線のうち7本を消せば良いだろうと想像はつきます。
ところが、正七角形はどうやって描けば良いのでしょうか?
ここで思い出すのは、5枚羽根のかざぐるまをつくろうと悪戦苦闘したこと(記事はこちら)。
私は分度器と定規を使って正五角形を描きましたが、かなり複雑ながら、コンパスと定規(目盛りは使わないこと)だけでも描けることを知りました。
では、正七角形はどうかと言いますと、描けません
正n角形(nは素数)が定規とコンパスで作図可能となるのはnが「フェルマーの素数」である場合に限る
という定理があるのだそうな。
ここに出てくる「フェルマーの素数」というのは、、、文系人間の私には説明不可能ですので、興味を持たれた方は、Wikipediaでもなんでも、ご自分でお調べ
くださいませ
。
要は、3, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 15, 16, 17, 20, 24, 30, 32, 34, 40, 48, 51, 60, 64, 68, 80, 85, 96, 102, 120, 128, 136, 160, 170, 192, 204, 240, 255, 256, 257, 272,…の角を持つ正多角形しか描けなくて、正七角形のほか、正九角形、正十一角形、正十三角形などは描けないということです。
それならば、分度器を使う方法はどうでしょうか?
私が正五角形を描いたときは、「360÷5=72」で、分度器を使えたのですが、正七角形の場合は、「360÷7=51.42857142857142587…」と循環小数になってしまいます
もっとも、日常の生活に差し支えない程度(?)の正七角形に近い形なら、コンパス(あるいはディバイダ)を使って、何度も try and errorすれば描けますけど…。
ところで、この記事を書くにあたっていろいろ調べていますと、思いがけないところに「七光星」が使われていることを知りました。
私も何度も見たことのあるこちら
道章は、開拓使時代の旗章のイメージを七光星
として現代的に表現したもので、きびしい風雪に耐え抜いた先人の開拓者精神と、雄々しく伸びる北海道の未来を象徴したものです。(昭和42年5月1日制定)
だそうな。
Wikipediaによれば、
北海道開拓使は青地に赤の五稜星を描いた旗を用いており、この旗は北辰旗と呼ばれ、道民に親しまれて来た。このデザインは当初、開拓使の公用船で船長を務めていた蛯子末次郎が公用船の旗章として使い始めたものが開拓使全体の旗印として定着し、1872年2月に正式な開拓使の旗となった。
同年9月、開拓使次官・黒田清隆は北辰旗のデザインを変更し、赤い五稜星を七稜星にすることを政府に要請したが政府はこれを拒み黒田のデザイン変更案は幻となった。
だそうで、このボツになった黒田案が現在の北海道章・道旗のモデルになっている由。
なぜ黒田さんが「5⇒7」を主張したのか事情が不明ですが、オリジナルとかなり雰囲気が違う(黒田案はメルヘンチック
)とはいえ、さぞかし草葉の陰でご満悦でしょう。
ところで、北海道庁のHPに、「道章の描き方は、こちらへ」という記述を見つけました
こりゃ大きなヒントになるかも
と喜びいさんで、そのページを見ますと、こんな説明が…
③大円の円周を点Aを起点として7等分した点をそれぞれB、C、D、E、F、Gとする
って、あんた、どうやって「7等分」するのよ
なんとも不完全燃焼であります…
【どうでもいい追記】この記事を書いた後、ハウス食品「北海道シチュー」のCM(MISIAの「大きな愛の木の下で」が使われているやつ)を見ると、ニンジンが五稜星に見えて仕方がありません (2011/12/13 12:14)
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