先日、朝会で話す機会を校長先生からいただき、「備えあれば憂いなし」という防災の話をさせていただきました。
1月17日は、阪神淡路大震災から、21年目、満20周年を迎えた日です。
その時に校長先生から、話をするときは、文字を書いて話したほうがいいとアドバイスをいただきました。それは、言葉だけでは聞こえの悪い子には理解できない、ということもあると聞いたからです。
私はさっそく筆を借り、「備える」という文字を書きました。そして「憂」という文字を書き、そのとなりに「にんべん」を添えて、見えないように折っておきました。話のあらかたはこんなことです。
「備えあれば憂いなし」ということわざを知っていますか。1月17日は阪神淡路大震災という大きな地震があってから、満20年を迎えた日です。
普段から避難訓練をしているのはどうしてでしょう。それは、雪が降った日に長靴がないと大騒ぎするように、普段から災害が起きたときに備えていないと、いざというときには、心配なことがたくさん起きてしまうということです。それを憂いといいます。
いつもまさかの時のことを考えていろいろなものを備えておくことが大切です。
(備の文字を示す)
そして、もう一つの備えは、憂いが起こらないように普段から周りの人と助け合うことです。人と人とが助け合うと憂いは優しさに変わります。
(ここで憂いの横に「にんべん」を付けました)
憂いという文字に人が着くと「優しい」という文字になるのです。
自分でも話していて、なるほどと思いましたが、漢字というのはよく考えられているものです。
備えるという文字も、調べたら、「にんべん」に矢を入れるえびらというものを象形した「つくり」でできていました。つまり、敵に備えて矢を担いだ姿を表している文字なのです。
後で、校長先生からお話についてご指導していただきました。話そのものについては、まずまずということでほっとしました。
その後、校長先生からこう言われました。
「そういえば、「夢」に「にんべん」がつくと「儚い」という文字になるね」と。
「あー」と思わず声が出ました。それを聞いたとき、人間のもつ夢とは、儚いものなのかなと思いました。
子どもたちには夢をもちなさいと励ますのですが、夢をもつことは大切なことであるけれど、大金持ちになりたいだの、人より偉くなりたいだの、長生きしたいだのといった、貪欲に近い夢は、やはり煩悩でしかないのかなと思いました。
「にんべん」恐るべしです。
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