アメリカ軍の善行キャンペーンについて、屋良朝博『砂上の同盟』に書かれてあります。
陸海空の全軍が人道支援活動(医療チームによる一般診療、工兵部隊が学校や公共施設の建設・修繕など)を展開している。
テロとの戦いに力で押さえつけるだけでなく、善行によってアメリカに好意を持つ人を増やそうとするのが目的である。
太平洋陸軍は、2008年上半期にバングラデシュ、カンボジア、インドネシア、マレーシアを訪問、白内障100人、聴覚障害30人、口蓋破裂30人に手術を施した。
1週間の医療チーム派遣の費用は7万ドル。
太平洋海軍は病院船を巡航、2006年は5万件、2007年には3万件の治療を行った。
2006~2008年で経費は2500万ドル。
ベトナムの医療支援は年間600万ドルを投じ、診療所やラボの建設、現地医療スタッフの教育、トレーニングを行っている。
一方、グアム島のアンダーセン基地の2008年度予算は3億4500万ドル。
巨大格納庫の建設、滑走路の補修工事、病院、体育館、学校、住宅などの生活インフラ、さらには刑務所の新築など。
2015年までに10~20億ドルの予算をつぎ込む予定。
人道支援活動のほうがものすごく安上がり。
集団的自衛権の行使を認めることで、日本を戦争のできる国にするよりも、自衛隊が善行キャンペーンをするほうがよっぽど日本の評価を高めることになると思う。
もっとも屋良朝博氏の名言
軍にとって平和とリストラは同義語だ。
ということを考えると、戦争がなかったら困る人がいるわけで、ウクライナ紛争を喜んでいる人は少なくないと思う。
アメリカ軍がウクライナに行くことになったら、自衛隊も派遣されることになるんでしょうね。
地球の裏側だろうとどこだろうと。