三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

大原清秀「神主殺人事件 上関原発の真実」

2012年07月02日 | 日記

消費税増税法案に反対票を投じた自民党、公明党の議員はいないのだろうか。
自分の考えを持っていないというか、言われるままというのはどこかの国みたい。
反対する議員がいる民主党のほうがまだ人間らしいと思います。(もちろん皮肉)大飯原発の再稼働に反対している民主党議員は約120名だが、自民党には何人いるんだろうか。
次の衆議院選で民主党が惨敗するのはわかっていて、消費税率を上げようというのだから、野田首相も大したものである。(分裂したから、どっちにしろ民主党政権はこれでおしまい)

「週刊金曜日」に「野田首相、原発事故の責任を取らないと閣議決定」( 6月29日)という記事がある。
「大飯原発3、4号炉の運転再開について、野田佳彦首相は「最終的には総理大臣である私の責任で判断を行いたいと思います」と5月30日の記者会見で述べた」
ところが、「政府は6月29日、「政治的判断を必要とする国政上の重要な問題であり、内閣の首長である野田内閣総理大臣がこれに関与し責任を持って判断を行うという趣旨で述べた」との答弁を閣議決定したのだ。その一方で、事故発生時の賠償については「原子力事業者がその損害を賠償する責めを負う」などと従来の枠組みの説明にとどまっている」

「週刊金曜日」には、「首相の任務として再稼働を決めた」が、「自分のした事の結果、事故が起きてもその被害について責めを負う気はない」とあるが、野田首相はそこまではっきりとは言っていない。
高木孝一元敦賀市長を見習って、「国民の生活」のためには金がいる、将来のことなんて考えておれるか、と正直に言えばいいのに。

某氏にもらった小冊子に、大原清秀「神主殺人事件 上関原発の真実」という文章があった。
上関原発の予定地は田ノ浦というところである。
田ノ浦には四代正八幡宮があり、宮司は林春彦という人だった。
林春彦宮司は土地を中国電力に売却することを拒んだ。
ところが、氏子のほとんどは原発賛成派だったのである。
「林宮司がどうしても土地売却に応じないので、原発賛成派の人びとは金で買収しようとした。それでもダメだとなると今度は集団で脅しをかけた。それもダメとなると女を使って林宮司を籠絡し、スキャンダルを起こさせようとした。それでも林宮司は動じなかった」

そこで原発賛成派はどういう手を使ったのか?
「林宮司名義の辞職願を偽造し、東京の神社本庁に出した。神社本庁は直ちにこれを受理、林宮司を解任し、別の宮司を持ってきた。その別の宮司は、すぐさま田ノ浦の杜を中電に売却した」

2003年、林宮司は有印私文書偽造で訴えた。
ところが、林宮司は山口地裁で倒れて亡くなってしまう。
というので、「神主殺人事件」なのである。
わかりやすい話ではないですか。
金がほしい、手に入れるためには何でもする、ということだから。

裁判は林宮司の弟が受け継いだ。
2007年、判決が出た。
「林宮司が神社本庁に提出したという辞職願は、明らかに何者かによる偽造である、というものであった。この事実は動かず。ところが、裁判所の結論は、その後の神社の杜の中電売却は有効である、というものであった」
他人のハンコと署名を偽造して人の財産を売りとばしても、売却は有効だ、という信じられない判決である。

大原清秀氏はこう書く。
「そうかァ、だったらオレも、他人のハンコを偽造して、他人の財産を売りとばして大もうけしようかなァと思っちゃう」
東京代々木にある神社本庁の外壁には「鎮守の杜を守りましょう」という垂れ幕が下がっているそうだ。

他にも「神主殺人事件」には、上関原発にまつわるほんまかいなということが書かれてあるが省略。
一つだけご紹介するのは、愛媛県伊方町(伊方原発のある町)の公務員だった人の話。
「私はかつて役人として、原発誘致を推進した者です。過疎の町を活性化するには原発しかない。そう信じ、人々を説得してまわりました。大間違いでした。電力会社は町民を雇ってくれると申しましたが、大ウソ。中高年など雇ってはくれませんよ。確かに一時は大金が落ちて町は潤い、道路や文化ホールはできましたが、維持するのが大変で、いま町の財政は赤字です。原発はたとえて言えば麻薬です。お金が欲しかったら、原発二号機を建てさせろ、三号機も建てさせろと国は必ず言ってきます。まるで麻薬づけなんです」

まさに中嶌哲演の言う札束汚染、人心汚染である。
中国電力は450億円をすでに使っているそうで、そりゃ原発賛成派が札束中毒に汚染されるなという話。

民主党もダメなら誰に投票しようか、というので維新の会を支持する人が増えているんだと思う。
小出裕章氏は「原発事故の総括」というインタビューの中でこう言っている。
「ただし、騙されないで欲しいことはあります。橋下市長などに対して、「今の酷い社会を変えてくれるかもしれない」と、期待をかける人がいますが、そんなことをしたら余計に悪くなるだけです。どんな社会を作りたいのか? を、1人ひとりがしっかり考えることなく、誰かに依存するなら、悪い方向へ行くと思います」(人民新聞オンライン6月19日)
飯田哲也という人は橋下大阪市長のブレーンだそうだが、しっかり考えているのかと思う。

コメント (13)
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