三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

佐藤愛子・江原啓之『あの世の話』1

2005年09月18日 | 問題のある考え

『あの世の話』で、佐藤愛子氏が江原啓之氏に「死後の世界はどうなっているのか」「霊とのつき合い方はどうすればいいのか」などと質問し、江原啓之氏が明解に答えている。
「講釈師 見てきたような嘘を言い」というのが私の感想。

霊についての細かい説明はいかにももっともらしいし、江原啓之氏自身の超常体験(小学校では人のオーラがまぶしくて黒板の字が読めなかったなど)は、主観的には実体験かもしれない。
指導霊が天狗だと傲慢になりやすい(鼻が高くなる)、狐霊はずるい一面を持つ、龍神だときつい性格などの説明はほほえましくもある。
また、江原啓之氏によると、人は15%ほどの霊能を持っているし、霊媒の体質は家の跡継ぎに多いというが、長男の私はそんな能力はなくまことに残念である。

それくらいならいいのだが、江原啓之氏はトンデモなことを言ってる。
たとえば、精神分裂は憑依現象であり、ノイローゼ、躁うつ病も憑依体質が出すものだ、病院に行くよりも心霊の治療をすべきだといったことである。
精神をわずらっている人が霊能者のもとへ行けば、よくなるものも悪くなる。

さらに江原啓之氏はこんな発言をしている。

例えば、自分は殺されたとします。自分が殺されることができるというのは、人がいるからだと。
殺してくれる人がいるから自分が殺されることができるんだと。だから、その人に対しては感謝しなきゃいけないと。それで、自分を殺すということのために、その人はその分カルマを背負ってくれる。
自分は殺されたことにより、殺された心の痛みを理解できて、二度と人を殺さない魂になれる。だから、その人のおかげで自分はそれだけ向上できるんだから、そして自分のことでカルマを背負ってくださるから、その人を愛さなきゃいけない。
ですから、世界人類みな愛さなきゃいけないにつながってくる。

この暴言に対して、あの口の悪い佐藤愛子氏は「なるほど」としか言わない。
ええ~、信じられますか。
オウム真理教のポアとまったく同じ考えである。
殺した人に感謝しなさいなんてお説教を被害者遺族が読んだらどう思うだろうか。
「人を殺す経験をしてみたかった」というので見知らぬ人を殺した高校生がいたが、江原啓之氏に弁護してもらえばよかったのに。

佐藤愛子・江原啓之『あの世の話』2

コメント (32)
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