OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

オンライン保育所申請

2024-02-12 22:37:15 | 労働法

2月5日の日経新聞に、「現在は書面での手続きが中心の保育所への入所申請が2026年度からオンラインでできるようになる。」という記事が載っていました。こども家庭庁が自治体ごとに異なる申込みの内容を統一してスマホで手続きができるような仕組みを作るそうで、各自治体が導入すれば利用が可能となるそうです。

育児休業の延長や育児休業給付金の支給申請の際には保育所に入所できない場合の確認資料として「保育所入所保留通知書」の提出が必要です。これは保育所入所を希望した保護者の申込みに対して、保育所に入所ができなかった場合に交付されるもので、育児休業給付金の延長の支給要件である「保育所等における保育の利用を希望し申し込みを行っているが、当面保育が実施されない場合」に該当しているかどうかはこの通知書で判断することになっています。これは申請が適正になされていることを前提として、申請者、市町村、事業主等の負担軽減の観点から保留通知書もって判断することになっています。しかし、こちらについては様々な支障が出てきており、例えば1歳以降も育児休業の延長を希望する入所意思のない保護者から「確実に保留になるための相談に30分から1時間程度の時間を取られたり、意に反して入所内定となった場合の苦情も来てその対応に時間を取られるなど自治体の負担になっている」という現状があります。

この状況を踏まえて、地方分権改革有識者会議等で「制度そのものを、制度の趣旨に沿うように見直すことが求められる」ということとなり、見直し案として保育所に当面入所できないことの確認については、単に入所保留通知書を提出するだけではなく、ハローワークがさらに必要な書類を求めて「育児休業給付を延長しなければならない状態にあること」を認定した場合に限り延長を認めることとするということが考えられているようです。

ハローワークが個々の申し込み状況を的確に判断できるのかという点も疑問はありますが、これまでより更に確認過程が増えて利用者の負担も増すことになるため、それならいっそ延長は条件を付けなくても良いのではないかと思ってしまいます(異次元の少子化対策ということであればそれもありではないかと・・・)。

ともあれ保育所申請は2026年度までに各自治体でばらつきのある保育所申請の届出内容を全国共通としてオンライン申請が可能となり、申請以前に必要な保育所の情報収集や見学・面談予約もアプリ上で完結できるようになるそうです。申込内容が共通になれば、点数の算出や、入所調整にAIを活用して迅速に進められるというメリットもあるようです。この結果ハローワークの認定も的確に行われるということにつながると良いと思っています。

毎年この時期はセミナーの仕事がかなり入りとにかく喉を大事に、つつがなく全てのセミナーをこなせるように注意しています。先週は連合会主催のビジネスと人権の埼玉会開催のセミナーが2日にわたりありファシリテーターを務めました。昨年秋から色々な県会で開催されており、概ね全体ファシリテーター2人とグループファシリテーター2、3人という5名程度のチームで進めていきます。研修はグループに分かれディスカッションとロールプレイからなり、これまで一方通行で講義をしてきた私としては、当初ヨロヨロしていたのですが、慣れてきた今はファシリテーションを楽しんでやれるようになりました。埼玉県会の全体ファシリテーターの相棒は東京会の真見先生で、初めて組んだのですがとてもご本人の持つ優しさが出ていると感じました。ファシリテーションもそうですが講師業というのはその人の持っている個性が滲むものですね。

   

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