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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

事業を継続するということについて

2024-03-04 00:35:26 | 開業記

今年の4月で社労士を開業してはや32年目になります。開業当初自分の中で事業を開始するといった意識はなく、ただ開業社労士という専門士業としてやっていくことだけを考えていましたが、様々なご縁や出会いを頂いて事務所の規模が大きくなり、今は社労士であるとともに社労士法人という事業を経営していくという感覚を日々持っています。社労士法人というと一般の企業とは異なる部分もあると思いますが、色々な企業からのご相談などを受けていると、人を雇い入れ働いてもらうということについては大差なく、事務所での出来事や導入した施策、事務所運営で自分が考えることがアドバイスに生きていることは間違いないところです。

事務所の規模がある程度大きくなるにつれて一番感じることは、色々なタイプの人間が集まることで組織としての強みが倍々で増していくということです。新たなことをイメージし、実行に持って行くことについては自分の得意とするところだと思っており、また法律順守と共にソリューションのためのアイディアが自分の社労士業務の柱だと思っています。ただこのアイディアを実現して継続的に運用していくには持久力が必要で、決められたことを飽きずに運用していくタイプの人間がいないと形になっていかないことも実感しています。顧問先のご相談に乗っている中で例えば「残業許可制を導入しましょう」とこちらは簡単にご提案したところ、「許可を受けているかどうかをチェックする機能がない(人がいない)ので形だけになってしまうので止めておきます。」と言われてハッとしたことがあります。ある程度はシステムやIT化で解決できる問題はありますが、そこには許可をし、許可の有無を確認し、さらに許可を受けていないことが続けばどうするか対応する、という必要が出てきます。人により得意分野が異なることにより、これらは継続的に運用されて、事業がつつがなく回っていくと感じます。

もう一つ重要だと考えるのは事務所の理念・目指すところです。こちらも特に高い目標を掲げて開業をスタートしたわけではなかったのですが、これは私の昔から自然に考えていることが事務所の経営理念になっていると感じます。まずは「志を高く持つ」こと。社労士という仕事に誇りを持てるよう、しっかり勉強して真の実力をつけたいと常に思っています。日々アンテナを高く情報をキャッチし、分析し自分の思考に落とし込むことは楽しく、顧問先企業のご相談を考えることも非常に勉強になります。こういうことができる社労士という仕事につけて本当に良かったと思っており、この姿勢は社労士の独占業務である手続でも、事務所で積極的に導入しているIT化においても、また事務所の特徴であるコンサル業務でも同じことで、事務所のスタッフに全員に持ってもらいたい事務所の理念です。また、「惜しみなく与える」という点も理念といえると思います。与えるというとおこがましいのですが、自分の持っている情報やスキルは同業者であってもまた時には報酬のいかんにかかわらず提供するということです。結局のところ個人の力では限界があり、業界全体が実力をつけることが必要だと常に思うことと、またこの考え方により時を経て大きな恩恵が返ってくると思うのです。

特に事務所のスタッフが10人を超える頃になった15年前あたりから試行錯誤しながら社労士法人という事業を30年超継続してこれたという、ここまでの歴史のようなものもとても大切に感じています。最近は、この30年間、先を見て、方向性をイメージし、様々な選択をしてきたことを思うと、事業継続の面白さを感じています。

今の事務所がここまでくるにあたり一番重要だったのは人に恵まれたことに尽きると思います。これについては「感謝」の一言です!

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