OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

36協定本社一括届出について

2022-03-07 00:10:39 | 労働基準法

先週のブログにも書きましたが先週渋谷労働基準協会さんの36協定集中講座でお話しさせて頂きました。もう7年くらい毎年お話しさせて頂いており、その間働き方改革で時間外労働の上限が特別条項において決められたり、様式が変わったりと、色々な変更がありましたが、今年の一番の変更ポイントは本社一括届出について、特に電子申請で比較的簡単にできるようになったことだと思います。

元々36協定については、「事業の種類」、「事業の名称」、「事業の所在地(電話番号)」、「労働者数」以外の事項が同一である場合に限るとされています。上記には「労働者の過半数代表者」は含まれていないため、労働者の過半数代表者が同一である必要があり、すなわち協定の締結当事者は各事業場の労働者の過半数で組織された労働組合である必要がありました。つまり労働者の過半数で組織された組合があり、各事業場ごとに組合員が過半数である場合に、過半数組合の代表者が各事業場ごとの代表者となる=過半数代表者が同一、ということになり一括届出が可能とされていました。しかしこれが令和3年3月29日から変更になり、電子申請の場合に限り、事業場ごとに労働者代表が異なる場合であっても、36協定の本社一括届出が可能になりました。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000724367.pdf

従って今年から複数事業場がある会社さんは、36協定を電子申請で一括届出をしようと考えるところは多いと思います。厚生労働省は詳細なパンフレットや一括届出事業場一覧作成ツールを出していますし、コロナ感染拡大防止の観点からも電子申請を推奨しています。同時に申請が可能な件数は36協定の場合最大30,000事業場となっていますので、店舗などがあり事業場数が多い場合はとても有用なのではないかと考えます。ポイントとしては36協定の入力画面で「事業の種類」、「事業の名称」、「事業の所在地(電話番号)」、「時間外労働させる労働者数(18歳以上者)」を入力することはできず、一括届出事業場一覧を作成して届け出ることになることです。いかにも入力できるような画面になっているので戸惑う場合もあるかもしれません。一覧で作成することとしたのは、事業の種類が異なっても届出を可能だということもあるかと思います。また、特別条項がない事業場と特別条項がある事業場は一括届出はできないことも注意が必要です。これからいよいよ36協定の届出が多く発生する時期になると思いますが是非電子申請で一括届出を試してみて頂ければと思います。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000609355.pdf

ここのところかなり続いていたセミナーの仕事が来週3日間で一段落というところまで来ました。事務所は育児介護休業規程の改定に取り掛かっており、4月改定分だけであれば大変なことはないのですが、10月分の改定はかなりの集中力が必要な感じです。これはなかなか各企業の人事担当者も難航されているのではないかと思いますので、夏の終わりに育介規程改定セミナーをOURSで開催してみようかと考えています。10月の改正までに少し時間をかけて社内で法改正に合わせて施策を考えたいという会社さんもあり、規程の改定と合わせて色々工夫のある施策もご紹介できるようなセミナーにしたいと思っています。

ともあれ、今週末は残った仕事を片付けた後、確定申告を電子申請で終えました。こちらはマイナンバーを読み取り、例年通り昨年のデーターを取り込み、修正点を修正したり追加したりすればよく、サクサクと終ることができて、やはり電子申請は楽だなあ~と感激しています。36協定の電子申請はまだ取組んでいないのですが、同じように過去のデータを読み込むことができるようですので、今年まずは頑張れば来年からはかなり楽になるのかなと思います。何事もチャレンジ、チャレンジ。


2暦日にわたる労働(休日が絡む場合)

2022-02-27 18:03:12 | 労働基準法

今週は3月2日(水)に渋谷労働基準協会さんで「36協定集中講座」を行うため、レジュメを作成しながら2暦日にわたる労働について、再確認しました。このセミナーはスタートしてから毎年今頃の季節に担当させて頂いているわけですが、ここに来て押印廃止、本社一括届出や電子申請による届出の推進などずいぶんと変化がありました。今回そのあたりをレジュメに加えつつ、2暦日にわたる労働について再度確認してみました。

これは平成6年5月31日基発331号「法定休日における割増賃金の考え方について」に詳しく書かれているのですが考え方としては以下の通りです。

①休日労働となる部分の考え方
法定休日である日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が休日労働となる。したがって、法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだ場合及び法定休日の勤務が延長されて翌日に及んだ場合のいずれの場合においても、法定休日の日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が3割5分以上の割増賃金の支払いを要する休日労働時間となる。

②時間外労働となる部分の考え方
①で休日労働と判断された時間を除いて、それ以外の時間について法定労働時間を超える部分が時間外労働になる。この場合、1日及び1週間の労働時間の算定に当たっては、労働時間が2暦日にわたる勤務については勤務の開始時間が属する日の勤務として取り扱う(平成6.5.31基発331号)

労働日の労働が法定休日がかかった場合については比較的よくあるケースで、所定労働日の勤務が延長し法定休日に入ったところから割増賃金率は休日割増の1.35+深夜割増の0.25の合計1.6となるのですが、法定休日の労働が延長し所定労働日にかかった場合どのようになるのかという点が明確になるのがこの通達です。

結局のところ2暦日にわたる勤務については原則通り「始業時刻が属する日の労働」という考え方は休日勤務であったとしても生きており、2暦日目の所定労働日に入ったとしても法定休日の勤務の延長ということになるが、割増率については休日は0時から12時までの暦日で考え、所定労働日に入った労働が8時間を超えていれば割増率は時間外割増の1.25+深夜割増の0.25の合計1.5となり、午前5時以降は深夜割増がなくなるため1.25、翌日の始業時刻以降は割増なし、となるということです。

ただし翌日の始業時刻以降労働が免除されている等、ルールとして2暦日にわたる場合の2暦日目の始業時刻(終業時刻)が別途明確に就業規則などで規定されている場合は、2暦日目の別途明確化された始業時刻以降時間外割増は不要と認められる場合もあります(この辺りになると、監督官によってもケースにより判断が異なるようです)。

昨年9月から取掛り、かなり悪戦苦闘しながら共著で執筆した「1冊でわかる改正早わかりシリーズ『育児・介護休業法』株式会社労務行政」がいよいよ発刊されることになりました。Twitterや顧問先様宛のメルマガでも、また発売となったらフェイスブックでも宣伝しようと思っているので、本当にしつこくて申し訳ないのですが、審議会の答申、条文段階から頑張って作り上げた書籍なので、是非皆様の改正対応に活躍してもらいたいと願っているのでお許し頂ければと思います。現在のところ先行予約が可能ということで、発売は3月上旬になるようです。以下URLでご確認いただければ嬉しいです。

 

https://www.rosei.jp/products/detail.php?item_no=9908&fbclid=IwAR145LuYBeT763aPcxbE5gAInlG6z3zGdeVUV0wDpS_kF6MR-A1veO_A0qQ


清算期間が3か月のフレックスタイム制

2021-12-13 02:07:10 | 労働基準法

清算期間の上限が3か月に延長されたのは2019年4月のことですが、これまであまり導入されたことはありませんでした。制度創設の経緯としては、子供がいる場合の8月の夏休み中はできるだけ労働時間を抑え、その分6月の忙しい時期に働くなどができるということでした。

ポイントとしては清算期間が1か月を超える場合でも、忙しい月にあまりに偏った労働時間にならないように、清算期間の全体(例えば3か月)の労働時間が、週平均40時間を超えないことだけではなく、「1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないこと」という条件があり、50時間を超えると時間外労働としてその月に時間外労働の割増賃金を支払うことになることです。3か月単位といっても、1か月ごとに一応管理しなければならないということが少しネックになっているかなと感じていました。

しかし今回フレックスタイム制を導入するにあたり、どうしても年間の繁閑がかなりあり、3か月の清算期間のフレックスでなければならないケースが発生しました。いざ導入してみると思いがけないところでご質問が来るのでこれは非常に勉強になりました。どのような質問かというと、育児短時間勤務をとっている場合の給与の計算方法として、フレックスを導入する前は勤務を短縮した分月給から控除していたということなのです。しかし3か月の清算期間のフレックスであると3か月目に清算することになり、1か月目と2か月目はそのまま満額の月給が支払われ3か月目に一挙に短縮分が減額されほとんど支給額がなくなってしまうということなのです。

この場合全額払いの原則などに抵触しないか監督署に聞いてみたところ、3か月目の賃金額が極端に少なくなることについての法律上の問題はないということでした。ただ短時間勤務の方から不満が出るかもしれませんので、対応方法としては、短時間勤務の方は3か月のフレックスタイム制の適用から外すか、又は1か月ごとにこれまでと同様に短縮時間分を控除して支払うということも可能ということでした。その場合、給与計算の手間は減りませんが、働く時間の柔軟性は保たれますのでメリットはあるということになります。

相変わらず毎日仕事が忙しく、また最近夜の食事会なども若干入るようになり、年末までこのまま駆け抜ける感じになりそうです。今年の前半は会社帰りや寝る前に本が沢山読めるくらい結構余裕があったので、ちょっとあの頃に戻りたい感じです。とはいえコロナも今のところ収まっており、経済もだいぶ戻ってきているようなので、その点は良かったと思います。早くすっきりコロナが収まって、仕事も一段落がついたら海外旅行でもしたいなあと夢見ながら頑張ります。


1か月単位の変形労働時間制の労働日の振替について

2021-11-14 18:06:08 | 労働基準法

シフト勤務は、コロナ禍休業手当の支払いについてなかなか悩ましいと思う場面がありましたが、現場の働き方として採用している事業場はとても多く、特に労働時間については何とか現在の労働基準法の規定の中で問題のないように組むことをアドバイスするにあたり苦心します。その場合、変形労働時間制を採用することが多いかと思いますが、変形労働時間制は原則の労働時間制の例外規定なので例外を認める以上それなりに規制があると説明します。ただ1カ月単位の変形労働時間制は、事前にカレンダーさえ決めることができればそれほどハードルは高くなく、シフト制であればカレンダーはある程度事前に決まるものであり、慣れてくればオペレーションは何とかなるのではないかと考えています。

1か月単位の労働時間制は、1ヵ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて(例えば10時間など)労働できる制度です。平均して1週間当たり法定労働時間40時間の範囲内とするには、1か月の労働時間の総枠を31日の月については177時間8分、30日の月には171時間25分内に収めることが必要です。

1ヵ月単位の変形労働時間制を採用するためには、労使協定又は就業規則等のどちらかで、①1ヵ月以内の変形期間を決め、②変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内で、③各日、各週の労働時間を特定することが要件となります。①はだいたいの場合1か月、②は上記総枠内で、ここまでは難しいことではないのですが、問題は③の各日、各週の労働時間の特定で、これはカレンダーを定めることになります。

シフトにおいてはシフト表というカレンダーを定めるわけですから、これを1か月単位の変形労働時間制の要件内で定めればよいわけなのですが、だいたいの場合突然都合が悪くなったバイト君の穴埋めや交代があるので、柔軟な振替えができるかどうかという点が問題になります。

1年単位よりは厳しくはないのですがやはり「各日、各週の労働時間を特定」することが要件であるため以下の通り通達ではまずあまり自由に変更することはできない旨示されています。

1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、「・・・変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないものであること」と示されています(平成11年3月31日基発168号抜粋

ちなみに1年単位の変形労働時間制についても同様に「・・・使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は、これに該当しないものであること。」と示した上でさらに「・・・業務の性質上1日8時間、週40時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、1年単位の変形労働時間制を適用する余地はない(平成27年3月31日基発0331第14号)とより厳しい表現になっています。

確かに変形労働時間制の中で働くことを考えると、頻繁な労働時間の変更は働く側からするときついことだと思います。ただ、ここまでシフトの働き方が広がっていることを考えると、兼業・副業の推進等の観点からいっても、もう少しシフト制に適用しやすい労働時間制度があると良いなあと思います。

かなり仕事の締め切りに追われて切羽詰まった状況だったのですが、たまに見に行かないと心配だということもあり小淵沢の家に行ってきました。今日は本当にきれいな青空で、今年は行くと大雨であったりで、なかなかできなかった家の周りの散歩が久しぶりにできて、秋を実感することができました。また草が生えまくっていた花壇に冬に強い草を植えてきました。これで来年春の楽しみができました。

  


転勤した場合の時間外労働の上限規制について

2021-10-31 13:14:32 | 労働基準法

先週顧問先からご質問が2つ重なったのが、今日のテーマである「転勤した場合の時間外労働の上限規制は転勤前の時間外労働等はリセットされるのか」ということでした。これについては厚生労働省が平成31年4月に出した「改正労働基準法に関するQ&A」に詳しく載っています。

改正労働基準法に関するQ&A。
問2の7で、A事業場からB事業場に転勤した場合について、両事業場における時間外労働時間数を通算するのかを聞いています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf

回答としては以下の通りです。
①原則の延長時間の上限45時間、特別条項の1年間の延長時間の上限720時間は、転勤した場合通算はされない。
 理由としては、事業場(ごと)における36協定の内容を規制するものであるからということです。

②時間外労働と休日労働の合計で、単月100時間未満、複数月平均80時間以内の要件は、通算して適用する。
 理由としては、労働者個人の実労働時間を規制するものであるためということです。

ここで特別条項の年6回以内に触れていないのですが、①を勘案すると通算しない(転勤前の45時間を超え特別条項を適用した回数はリセットされる)ということになると考えます。監督署に確認してもその扱いでよいということです。

②については、月の途中で転勤した場合の時間外労働は100時間未満で収めること、2~6か月の複数月平均80時間以内についても計算して収めることとなると、転勤前の時間外労働の把握は必要だということになります。

上記Q&Aの2―32には副業・兼業や転職の場合の労働時間の実績把握についても聞いていますが、ガイドラインにより自己申告により副業・兼業先や転職前の時間外労働時間数を把握することが考えられるとしています。

今日は雨の中選挙に行きましたが、いつになく人が多く会場に入るまで若干並ぶほどでちょっと驚きました。開票速報を見ると、かなり大物が落選したりしており、やはり世の中の変わり目なのかなという感じを受けています。

週末社労士試験の発表がありましたが今回の合格率は7.9%とのこと。相変わらずの難関試験となったようです。先日、開業された方からTACNEWSのインタビュー記事が送られてきたのですが、「試験に落ちてもうやめようと思ったときに私のガイダンスに出て、きっと受かるといわれたことで再挑戦して合格し、ここまで来られた」というお話を載せて頂いたものでした。合格を目指したからには合格するまでは頑張る、という強い意思を貫いてもらいたいといつも思います。一生の財産になる価値ある資格ですから。


36協定の電子申請

2021-02-07 18:35:01 | 労働基準法

2021年4月から36協定をはじめとした電子申請がe-Gov、に登録することでで直接入力する方法で届出できるようになります。

000724367.pdf (mhlw.go.jp)

36協定の他就業規則や1年単位の変形労働時間制など、労基法関係は51種類が電子申請による届出等が可能になるとのことです。

またこれまで、36協定については一括の届出を行うには過半数で組織された労働組合が必要でした。しかし今回電子申請に限り36協定の「本社一括届出」が可能になります。

これまで就業規則は、本社と各事業場で内容が同一であれば一括届出が認められていましたが、36協定は過半数代表者が同一である必要があり、労働者の過半数代表は過半数組合である場合に限ることとされていたようです。

就業規則、36協定の本社一括届出について(H27.3) (mhlw.go.jp)

なお電子署名等は必要ですが、社労士が、対象手続の提出代行を行う場合、提出代行に関する証明書などをPDF形式で添付することにより、使用者の電子署名・電子証明書を省略することができます。

電子申請の詳しい方法が一括申請の場合も含めて記載されているパンフレットも出ていますので、ご確認ください。

000609355.pdf (mhlw.go.jp)

五輪組織委員会の森会長の発言が大騒ぎになっています。失言というレベルではなく、普段からそういう世界で生きておられる方なのだろうなと思います。昔は女性は会合などでの発言は控えめにすべきであり、周りに気を利かせてでしゃばるようなことはあってはならないと、私なども育てられてきました。しかし均等法施行後、女性の社会進出は目覚ましく、むしろ社労士などは女性の方が元気な今の時代に、相変わらず「わきまえている」などと発言してしまうというより根底にそのような考え方を持っておられるということは、時代錯誤も甚だしいという感じがします。やはりそういう方が東京オリンピックの顔というのはまずいのではないかと感じます。

確かにこれまで、今回発言があった会議のような場面は数限りなく経験してきたような気がします。その場で回りが失笑が起きたが注意をする人はいなかったという雰囲気もよく想像できます。そのような状況をやり過ごしてきたけれど、世界的に批判されている状況を考えても、周りがもっとそれはおかしいと言わなければならなかったと思います。おかしいことははっきりおかしいという雰囲気が日本には欠けているのかもしれません。

この発言で、女性が会議などで発言を控えることなどが起こらないと良いと思います。このような発言があると、若干ひるむ部分もないわけではありません。ただ、SUIT(アメリカの弁護士のドラマ)など見ていると、男女ともに怖いくらい自己主張が強く、しょっちゅうけんか腰で議論しています。そこまでは必要ないにしても女性もはっきり自分の意見をいう、ということについては今後も意識していく必要があると思います。ただ、最近は男女に限らずといえるかもしれないですね。

今でも昭和ひとけた生まれの母に、あなた仕事ばかりしてご飯はちゃんと作っているのといわれる私としては、「時代は変わったのよ」と言っても母は心底理解しているわけではなく、森会長も同様なのだろうなと思うので、交替いただく方が良いと思います。


医師の労働時間について

2021-01-31 17:22:47 | 労働基準法

医師の労働時間については、「医師の働き方改革に関する検討会」でかなり細かなところまで検討され、平成31年3月29日に報告書が出ています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04273.html

その中には、働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿として、労働時間管理の適正化が必要。その際、宿日直許可基準における夜間に従事する業務の例示等の現代化、医師の研鑽の労働時間の取扱いについての考え方等を示す必要、があるとされています。

調べましたところによると、平成元年に医師の宿直・日直については通達が出ているようです。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000526011.pdf

今のところ、上記平成元年の通達が生きており、宿直・日直の許可基準として、一般的な宿直・日直よりは[夜間に十分睡眠がとり得ること等が回数に代わるもの」として配慮されていますが、「通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。」や「宿日直中に従事する業務は、一般の宿日直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限ること。例えば、認められるのは次に掲げる業務等をいい、通常の勤務時間と同態様の業務は含まれないこととされています。

・ 医師が、少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等(軽度の処置を含む。以下同じ。)や看護師等に対する指示、確認を行うこと

・医師が、外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間(例えば非輪番日であるなど)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等や、看護師等に対する指示、確認を行うこと  ・・・など

さらに、稀にある場合は仕方がないが、通常の勤務時間と同態様の業務に従事することが常態であると判断されるものについては、宿日直の許可を与えることはできない、とされています。

「医師の働き方改革に関する検討会」の報告書の中で、とりわけ医師については、医療法で宿直が義務付けられている等の事情があるが、医師等の当直のうち、労基法、の監視断続労働の許可については、現状を踏まえて実効あるものとする必要がある。具体的には、当該許可基準における夜間に従事する業務の例示等について、現代の医療現場の実態と宿日直許可の趣旨を踏まえて現代化する必要がある、とされており、2024 年4月からの改正労働基準法に基づく新たな時間外労働に対する規制の適用までに、通達がどのように示されるのか待たれるところです。

ベランダの花たちは、コロナ下でも結構元気で、シクラメンが今頃になり沢山つぼみを付けてもうすぐかなり綺麗に咲いてくれそうですし、クリスマスローズも元気な芽が出てきて春が待たれます。今はビオラを買ってきて楽しんでいます。こんな時ですから、とにかく家で楽しまないとね。

1年前くらいにスマホのアプリ(PictureThis)をダウンロードし、そのカメラで草花を写すと何の花や木かすぐ答えがわかるという便利なものがあり、愛用しています。この頃この鉢は元気がない、葉の色も変だということで写すと、かかっている病気などもわかります。長年ベランダに直接置いてあった植物を高めのスタンドに乗せるようにしたところなぜか最近葉の色が悪くなり、どうしたのかと写してみたところ、水やり不足とのこと。置いてあるときは下にたまっているくらいの水が、スタンドに乗せたため水が排水してしまい不足したと思われます。このアプリは本当に助かっています。


改訂版 副業・兼業の促進に関するガイドライン(管理モデルについて)

2021-01-17 14:24:49 | 労働基準法

先週に引き続き「改定版 副業・兼業の促進に関するガイドライン」の中で「管理モデル」について触れてみたいと思います。

管理モデルの考え方として、簡単に言ってしまえばあらかじめそれぞれの会社で働く時間(所定労働時間と時間外労働時間数)とを定めておくことで、その時間数の範囲内で働く分には他社における実際の労働時間を把握する必要がなくなる、ということです。

またその場合に各々の使用者の事業場における法定外労働時間の労働について、割増賃金を支払うことになります。

この管理モデルのポイントとしては、副業・兼業の『開始前』に労働契約を締結した使用者と『後から』労働契約を締結した使用者と明確にしているところだと考えます。

というのも、管理モデルの実施の導入手順には、副業・兼業を行おうとする労働者に対して「開始前」に契約していた『使用者A』が、管理モデルにより副業・兼業を行うことを求め、労働者及び労働者を通じて「後から」契約した『使用者B』がこれに応じることにより導入されることが想定されるとあるからです。

この場合の労働時間の上限設定は、当然時間外労働の上限である単月100時間未満、2から6か月平均月80時間以内の範囲内である必要があります。例えば、『使用者A』の所定労働時間が1日7時間で月140時間、所定外時間外労働が20時間、法定外労働時間が10時間で月に170時間を上限として設定するとして、『使用者B』は1日1時間で月20時間、所定外労働時間10時間の範囲内で働くとします。その場合『使用者A』の法定外時間外労働の10時間と『使用者B』の所定1時間×20日=20時間と所定外10時間を合計し40時間となり時間外労働の限度の月80時間の範囲内で働いてもらう、ということになります。

上記の場合、割増賃金の支払いは、『使用者A』は法定外労働時間の10時間分の支払い義務を負い、『使用者B』はすべて時間外労働になるため30時間分の支払い義務を負うことになります。

副業を開始する前から契約している使用者は、副業・兼業を会社で認めることとする場合に、この管理モデルを使うかどうかは検討されると良いと思います。管理モデルを使えば他社における労働時間の把握は不要となり時間管理は簡単になりますが、後から契約をする副業先においてはコスト増になることは考えられます。管理モデルによる方法に限り副業・兼業を認めるとすることも考えられるということです。

とにかく自粛していると一番の悩みは足腰が弱るということです。時間があればPCの前で何か読んだり仕事をしたり、買いたいものを検索したりと座っている時間が長くなるので、できるだけ特に週末は散歩に行くようにしています。昨日も高級なスーパーまで通常は歩かない距離を歩き、帰りは荷物がかなり重くなったのでバスに乗ることにしたのですが、バス停の前の建物内に簡単なカフェが併設されたかなり大きな本屋さんが2階にあるということを見つけました。やはり歩いてみると思いがけない発見がありますね。

本当は平日も、できるだけ事務所まで歩く距離を長くとりたいところなのですが、なかなか時間と体力の関係でそれができないでいます。仕事の量を見直して今年は生活改善をしたいですね。


改訂版 副業・兼業の促進に関するガイドライン(労働時間の通算について)

2021-01-11 14:05:59 | 労働基準法

今年初めてのブログです。今年もよろしくお願いします。

コロナ感染が驚くほど拡大してきて、とうとう2度目の緊急事態宣言に入ったこともあり、この3連休は自宅で自粛をして比較的ゆっくりとした時間を過ごすことができましたが、明日からも在宅勤務をとりあえず5、6割にしようということになっているので、ここで目を通すことがなかなかできなかった資料等をじっくり読みこんでみるつもりです。その中で気になっていた「改訂版 副業・兼業の促進に関するガイドライン」について取り上げてみたいと思います。

改訂版のガイドラインでは、従来からの考え方である「事業場を異にする場合には労働時間を通算する」ということに加えて、フリーランスの場合など通算されない場合が示されています。また休憩、休日、年次有給休暇については、通算されないということも示されています。特に休日についてはこれまで見解が分かれていたということですので、その点明確になったということで留意しておく必要があります。

労働時間の通算の考え方はなかなか難しいですが、Q&Aを合わせて見てみると理解できます。考え方として副業・兼業の開始前と開始後に整理されています。

①副業・兼業の開始前(確認しておくこと)

自社の所定労働時間と副業等の所定労働時間を通算して、自社の法定労働時間を超える部分の有無を確認します。➡自社の所定労働時間と副業先の所定労働時間を通算して自社の法定労働時間を超える部分がある場合には、時間的に後から契約した使用者における時間外労働となる。

これについてはQ&AのPの2に事例が載っています。簡単に言うと、甲の所定労働時間が8時間(法定労働時間を超える時間は無し)、後から契約した乙の所定労働時間が5時間という場合、甲が所定労働時間のみ労働させたという場合は、乙(時間的に後から契約した使用者)の所定労働時間5時間はすべて法定時間外労働になるということです。

②副業・兼業の開始後

所定労働時間の通算に加えて自社の所定外労働時間と副業先の所定外労働時間を行われる順に通算して自社における法定労働時間を超える部分の有無を確認します(自社の所定外労働がない場合は所定外労働の通算は不要)。➡自社において法定労働時間を超える部分がある場合、超える部分が時間外労働となる。

1.Q&AのP4には次のような事例になっています。甲の所定労働時間が4時間で実際の労働時間が5時間、乙の所定労働時間が4時間で実際の労働時間も4時間という場合、甲及び乙の所定労働時間の通算は8時間と法定労働時間内ですが、甲及び乙の通算の労働時間は5時間と4時間で9時間で法定労働時間を超えます。その場合、所定労働時間を超えて労働させた甲が1時間分の割増賃金の支払い義務を負うことになります。

2.またP5には次のような事例ものっています。甲の所定労働時間が3時間で実際の労働時間が5時間、乙の所定労働時間が3時間で実際の労働時間が4時間という場合、甲及び乙の所定労働時間の通算は6時間と法定労働時間内であり、甲の労働時間も法定労働時間内ですが、甲及び乙の通算の労働時間は5時間と4時間で9時間です。その場合、所定労働時間を超えて労働させた乙が1時間が時間外労働になり乙が割増賃金の支払い義務を負うことになります。

要するにもともと新たに契約した際に既に時間外になる場合は新たに契約した使用者の時間外となり、通算して法定労働時間内に収まっている契約である場合に、通算して法定労働時間を超えた場合については、所定労働時間を超えた時間労働させた使用者の時間外となる、ということなのだと思います。

なかなか難しいですね。これに加えて36協定の時間外労働の制限により1か月100時間、6か月平均80時間の範囲内の定められた時間数に納めなければなりません。コロナウイルス感染拡大であまり注目されず、労働時間についてもちついていますが、実際の運用になった場合かなり混乱しそうで心配です。

●副業・兼業の促進に関するガイドライン

0000192844.pdf (mhlw.go.jp)

●「副業・兼業の促進に関するガイドライン」 Q&A

0000193040.pdf (mhlw.go.jp)

ガイドラインには「管理モデル」という簡便な労働時間管理の方法が載っているのですが、これはまたよく消化したうえで来週のブログで取り上げたいと思います。

私の場合、在宅勤務の良いところは、食事の時間が比較的早めになる事かなと感じています。通常事務所にいると粘りに粘って20時ころにやっと(あきらめて)片付けて帰宅の途につくということになりますが、在宅ですと遅くとも19時台には夕食を食べる感じになります。それほど凝ったものは作れませんが、帰宅時につい寄ってしまうスーパーについても、買い物に行く回数は抑えられている感じです。ただ1回の買い物で要領よく必要なものを購入できるか、一人勝負をしています。

早くコロナが収まって、桜のころには花見が楽しめると良いですね。今年も頑張っていきましょう。


特別条項を前提にした固定残業代について

2020-12-20 23:11:15 | 労働基準法

固定残業代については、以前よりだいぶ判断が緩やかになっていると感じていたのですが、先日レインズインターナショナル事件の判決を目にしてさらにその印象を強く持ちました。判決の中で固定残業代について述べられている部分の一部を取り上げてみます。(東京地判、 令和1年12月12日、 レインズインターナショナル事件)

実際の時間外労働時間数及び深夜労働時間数について・・・時期によっては固定割増手当規定の時間外労働及び深夜労働の時間数と比較的大きな差があるが、割増賃金の額が固定割増手当の額を上回る場合にはその差額を支払っていたことを考慮すると,労働契約上,固定割増手当は時間外労働及び深夜労働に対する対価であるとされているとみるべきである。

基本給を時間給に換算するとアルバイト従業員の時間給を下回るため固定割増手当に店長の職責に対する対価の趣旨が含まれていることについて・・・基本給を時間給に換算した額がアルバイト従業員の時間給を下回るとしても,正社員に対しては賞与が支払われるなどの他の労働条件においてアルバイト従業員よりも優遇されていること,給与規程上,店長とそうでない正社員とで固定割増手当の内容及び算定方法が区別されていないことからすれば,固定割増手当に店長の職責に対する対価の趣旨が含まれているということはできない。

本件固定割増手当規定が36協定の原則の時間外労働の上限45時間を超える70時間相当及び深夜労働30時間相当としているためため公序良俗等に反し無効であるかについて・・・労基法37条は労基法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまるものであることを踏まえると,本件固定割増手当規定においてあらかじめ支払うこととされる固定割増手当に係る時間外労働時間数が36協定に関する基準に定める時間外労働時間数を上回るというだけでは,直ちに本件固定割増手当規定自体が労基法又は公序良俗に反するということはできない。

以前ある会社で監督署の調査があった際に固定残業代が上記判決と同様の時間数であったことがあり、そもそも45時間を超えることができる時間外労働は、臨時である必要があり、臨時とは年に6回以内である必要があると考え、是正報告を作成する段階で12ヶ月45時間を超える固定残業代の設定は問題がないかと考えたことがありましたが、この判決からすると問題はなさそうです。

またやはり従来からの考え方として固定残業代相当時間数を上回る時間外労働を行った場合は、その超えた時間数に対する割増賃金を支払うことは大切であり、固定残業代の内容と算定方法が職責によって区別されていなければ職責に対する対価が含まれるとは解されないという点も実務的に留意してよいものと思いました。

今日母の卒寿のお祝いを家族一同集まってとり行う予定であったのですが、あまりにコロナの感染者数が増えて、ひょっとして東京は1000人に達してしまうのではという危機感があり、残念でしたが延期としました。食事を予約していたお店では、ちゃんちゃんこと写真は準備してくれるということでしたのでとても有難いと思っており、キャンセルをするのが申し訳なかったのですが、電話をしたところ「90歳の母がいて…」と話し始めたところで「キャンセルですね。またよろしくお願いします。」さくっと言われ、やはりキャンセルが多いのだなと感じました。それらの対応からコロナが収束したら必ずもう一度お願いしようと思っています。


年次有給休暇の取得増加と計画的付与

2020-12-13 17:44:53 | 労働基準法

令和2年就労条件総合調査によると、平成31年・令和元年の1年間に労働者が取得した年次有給休暇の取得日数は昭和59年以降で過去最多10.1日(平成31年調査9.4日)で、取得率は56.3%(同52.4%)で過去最高となったそうです。平成31年4月1日施行の5日の年次有給休暇の取得義務の影響は大きいのかなと思います。各企業も5日の付与についてはかなり気にされていた印象があります。

比較的多い質問としては、1年間の途中で育児休業等が終了して復帰した社員についても5日付与しなければならないかというご質問ですが、これは改正労働基準法に関するQ&Aに載っています。

3-6(A) 付与期間の途中に育児休業から復帰した労働者等についても、法第 39条第7項の規定により5日間の年次有給休暇を取得させなければなりません。ただし、残りの期間における労働日が、使用者が時季指定すべき年次有給休暇の残日数より少なく、5日の年次有給休暇を取得させることが不可能な場合には、その限りではありません。

上記回答からすると、5日の取得が全くされていない場合、育休復帰後の労働日が5日に満たない場合は仕方がないが、復帰後の期間が短かったとしても5日の取得させる義務はあるということになります。

また、同統計によると、年次有給休暇制度の計画的付与制度がある企業割合は、43.2%ですが前年平成31年調査では22.2%であり、計画的付与日数階級別にみると「5~6日」が66.6%であり、平成31年調査の39.6%から大幅に増加しているのが分かります。計画的付与を活用して取得日数を増やし、5日の取得義務を果たすことを目指したことが推察されます。

なお、年次有給休暇は、労働日の労働を免除するものであり、すでに労働を免除されている育児休業期間中に取得することはできません。ただし、育児休業取得前に計画的付与されていた年次有給休暇については、取得したものとされています(平成3.12.20基発712号)。

今年の年末年始は年次有給休暇の計画的付与を検討されている場合も多いと思いますので以下ご参考まで。

有給休暇ハンドブック(厚生労働省)

040324-17a.pdf (mhlw.go.jp)

小淵沢の家も冬じまいする必要があり、週末に行って1年間(といってももちろん今年は前半は全く行けてなかったのですが)使ったものを洗濯し、食料も賞味期限切れにならないよう整理してきました。冬になると森の木の葉がすっかり落ちて、家のテラスや部屋からも八ヶ岳や南アルプスが望めるようになります。冬の晴れた日は山がくっきりと見えて春から秋にかけてとは異なった山の姿を見ることができます。一昨年秋に来た時あまりに寒く感じたので、昨年から暖房対策を強化して、今年はほとんど寒い思いもせず過ごすことができました。来年は家の前に芽を出すフキノトウを摘めるまだ冬の雰囲気の残る時期に来てみようと思います。


フレックスタイム制 コアタイムの設定

2020-11-23 14:32:08 | 労働基準法

フレックスタイム制におけるコアタイムとフレキシブルタイムについては、あまり細かいことが決められている印象はなかったのですが、在宅勤務が増える中で、フレックスタイム制を採用する会社が多く、コアタイムの設定について最近確認したことについて取り上げてみたいと思います。

フレックスタイム制の一番のポイントは、始業時刻と終業時刻を労働者の決定に委ねるという点だと認識しています。だいぶ以前にはなりますが、始業時刻から30分後がコアタイムの開始時刻、終業時刻の30分前がコアタイムの終了時刻では、労働者が選択できる時間が短すぎる、せめて1時間の間隔がそこには必要ということを監督署にアドバイスされたことがありましたので、以後そのようにアドバイスをしてきました。

ところが今回始業時刻とコアタイムの開始時刻が同じで、始業時刻より前2時間がフレキシブルタイムになっている(コアタイムの終了時刻は終業時刻より時間前)というケースがあり、その設定については問題ないという監督署の回答でした。私の認識とは異なると考え、通達やコンメンタールを見直してみたところ、特にそのようなケースについて言及されているものはありませんでした。以下通達とコンメンタールの関連部分の記載です。

フレックスタイム制を採用する際に就業規則で定める事項(昭和63.1.1基発1号、婦発1号、平成113.31基発168号)
 なお、法第89条は、就業規則で始業及び終業の時刻を定めることと規定しているが、フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則において、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨の定めをすれば同条の要件を満たすものであること…フレキシブルタイムが極端に短い場合、コアタイムの開始から終了までの時間と標準となる1日の労働時間がほぼ一致している場合等については、基本的には始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねたこととはならず、フレックスタイム制の趣旨には合致しないものであること。

・・上記通達と照らすと、始業時刻とコアタイムの開始時刻が同じであってもコアタイムの終了時刻は終業時刻より前に設定してあれば、標準となる1日の労働時間とほぼ一致とはならないので問題ないという判断につながるものなのかと思います。

コンメンタール
フレキシブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)が極端に短い場合、コアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)の開始から終了までの時間と標準となる1日の労働時間がほぼ一致している場合等については、基本的には始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねたこととはならない(昭63.1.1 基発第1号・婦発第1号、平11.3.31 基発第168号)。このため、例えば、始業及び終業のそれぞれのフレキシブルタイムが30分というようなものは本条のフレックスタイム制とはいえない。

(ロ) コアタイム
 コアタイムは、法令上必ず設けなければならないものではないが、これを設ける場合には、労使協定において、その開始及び終了の時刻を定めなければならない。
 コアタイムの時間帯は、労使協定で自由に定めることができ、コアタイムを設ける日と設けない日があるもの、日によってコアタイムが異なるものなども可能である。また、コアタイムを分割することも可能ではあるが、最初のコアタイムの開始の時刻から最後のコアタイムの終了の時刻までの時間が標準となる1日の労働時間とほぼ1致するような場合には、始業及び終業の時刻について労働者の決定に委ねたものとはいえず、フレックスタイム制とはいえなくなるものと解する。

・・こちらもほぼ同様の内容ではありますが、始業時刻のフレキシブルタイムが30分では認められないとされています。ただ10時始業であっても8時からフレキシブルタイムが設定されていれば2時間の選択する時間帯があるため問題ないということでしょうか?

どちらにしても、始業時刻とコアタイムの開始時刻が同じということについて腹落ちしたわけではないのですが、それを否定できるような根拠も見つからないということでした。私のようにどちらかというと夜型の人間は、始業時刻より少し遅めの時間帯から業務を開始できるコアタイムの方が嬉しいのですが、朝方が推奨され、正しいという雰囲気が醸成されつつあるように感じる昨今においてはあまり問題視されることでもないのかもしれません。

先週渋谷支部の代議員・理事選挙があり、無事代議員に選んで頂くことができました。厳しい状況と認識していましたが、お願いした皆様が投票所に駆けつけて頂き、貴重な一票一票を積み上げて頂いたと感じました。またここから一歩踏み出していこうと思います。応援いただきました皆様に御礼申し上げます。


テレワーク時の労働時間の把握について

2020-09-13 15:24:54 | 労働基準法

テレワークについてのオンラインセミナーを依頼されたので、この週末はレジュメを作成していたのですが、「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」を読み込んでいる中で時間外労働の取扱いについて若干合点がいった記載があったので、取り上げてみたいと思います。

2 労働基準関係法令の適用及び留意点等の(2)労働基準法の適用に関する留意点 エ時間外・休日労働の労働時間管理について」一部省略

 労働者が時間外、深夜又は休日(「時間外等」といいます。)に業務を行った場合であっても、事前に申告し使用者の許可を得なければならず、かつ、時間外等労働の実績について事後に使用者に報告しなければならないとされている事業場において、労働者からの事前申告がなかった又は事前に申告されたが許可を与えなかった場合で、かつ、労働者から事後報告がなかった場合について、以下の 全てに該当する場合には、当該労働者の時間外等の労働は、使用者のいかなる関与もなしに行われたものであると評価できるため、労働基準法上の労働時間に該当しない、とされています。

①時間外等に労働することについて、使用者から強制されたり、義務付けられたりした事実がないこと

②当該労働者の当日の業務量が過大である場合や期限の設定が不適切である場合等、 時間外労働等に労働せざるを得ないような使用者からの黙示の指揮命令があったと解し得る事情がないこと

③時間外等に当該労働者からメールが送信されていたり、時間外等に労働しなければ生み出しえないような成果物が提出されたりしている等、時間外等に労働を行ったことが客観的に推測できるような事実がなく、使用者が時間外等の労働を知り得なかったこと

※ただし、事前許可制及び事後報告制については、使用者から労働者が実績通り申告・報告しないよう働きかけや圧力がないことなどが記載されており、留意が必要です。

企業からのご相談において、出張先で仕事を終えシャワーを浴びた後メールを確認するとその時間は労働時間になるから注意してくださいというお話をよくしていたのですが、メールを送信はせず確認する程度であれば労働時間と判断されないということもあり得るのだろうかということで覚えておこうと思いました。なお、省略して書いてありますただし書きにもあるのですが、細かな点で留意が必要なので以下でご確認ください。

●テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン(厚生労働省)より

https://www.mhlw.go.jp/content/000553510.pdf

最近とみに細かな字が見えなくなり、先日人間ドックで検眼したところ、唯一の自慢だった視力も1.0になってしまいました。これまではおおむね視力は1.2、勘が働くと1.5ということでした。これは合わないメガネで仕事をしているせいであろうと勝手に自己診断をして、真剣に対応しないとならないと考え先日これまでになくしっかりとしたメガネを購入しました。今のところその効果はまだ実感できていませんが、できれば根を詰めて仕事をしたときに夕方になると目がしょぼくれるのが収まってくれるとよいなあと思っています。

だいぶ夜などは秋っぽい涼しさとなりました。今年はコロナウイルスのせいで何となく実感の乏しい日々のように感じますが、季節の変わり目でもあり体調に気を付けて、さわやかな秋を迎えたいと思っています。


年次有給休暇の半日単位の区切り方

2020-07-06 01:00:55 | 労働基準法

年次有給休暇は元々は1日単位で付与するものとされていました。これは労働者が十分休息をとるためには1日単位で付与する必要があるという趣旨からであり、古い通達においても「法第39条に規定する年次有給休暇は、1労働日を単位とするものであるから、使用者は労働者に半日単位で付与する義務はない(昭和24.7.7基収1428号)。」とされています。半日単位で付与する義務はないということは半日単位で付与することは違法ではないということを示していると考えられ、また平成22年の改正により時間単位年休も認められた今となっては、かなり柔軟に年休を取得することが可能になっています。

半日単位の年休を設定する場合なのですが悩ましいと感じることがあります。例えば9時から18時までが就業時間である場合の半日単位の年休の設定は、午前休は9時から12時(勤務は13時から18時まで)、午後休は13時から18時(勤務は9時から12時まで)と決める場合が多いのではないかと思います。その場合午前休を取得した場合はその日は5時間働くことになり、午後休を取得した場合は3時間でよいということになりますので不公平だという点で引っ掛かります。

その場合の就業規則の規定の方法としては、始業時刻より4時間、終業時刻まで4時間の休暇という方法を提案します。要するに午前休の場合9時から昼休憩を1時間分はさみ14時まで(勤務は14時から18時まで)、午後休の場合14時から18時まで(勤務は9時から13時まで)ということになります。考えてみると午前休と午後休は接続している必要はなく、従って午後休の勤務終了が13時までであり午前休の勤務開始が14時からであっても問題はないわけです。むしろ勤務する時間数が同じであるというほうが良いような気がします。ただ、通常は12時から13時の時間帯は昼休憩としている会社がほとんどであるため、午後休を取得するといって昼休憩の時間帯に働くということに違和感があるという場合もあるかもしれません。

フレックスタイムを制を導入している場合さらに半休の考え方は難しいと感じます。標準時間帯は9時から18時であっても、例えばコアタイムが11時から16時、フレキシブルタイムは7時から11時までと16時から22時までというような場合はどうするかという問題があります。フレックスタイム制の場合に「標準となる1日の労働時間」を労使協定で定めることとしているのは「年次有給休暇を取得した際に支払われる賃金の算定基礎となる労働時間等となる労働時間の長さを定めるものであり、単に労働時間数を定めれば足りる(昭和63.1.1基発1号)。」とされているため、フレキシブルタイムやコアタイムにかかわらずやはり標準時間の時間数を分ける形で考えるのが妥当なのではないかと考えています。

コロナウイルス感染拡大の影響で働き方も急激に柔軟化してきており、在宅勤務の場合の年休の取得についても難しさを感じます。始業時刻より4時間、終業時刻まで4時間という上記半休の考え方はある意味時間単位の年休といってもよいと思われ、今後は1日単位や半日単位という考え方は消滅していってしまいそうな気さえしているところです。

ここの所また東京の感染者数が100人を超えてきており落ち着かない状況です。もう少しどのような行動をとった場合感染しやすいなどの状況提供があるとよいと感じます。社労士的には7月10日の年更・算定の期限までは何とか爆発だけは避けてほしいと願っています。

最近興味のままにイギリスの医療制度NHSのことが書かれている本を何冊か読みました。日本とは異なり社会保険方式ではなく税方式で運営され患者負担がなく無料でサービスが受けられ、また地元の診療所のかかりつけ医の診察を受けなければ原則として専門病院で診療を受けることができないなどのシステムで運営されています。かかりつけ医は、患者にとって最適の医療を提供する責任を負う一方、限られた医療資源がより有効に使われるように不必要な医療を減らし、患者指導を行うなどの役割も担うということです。例えば軽い風邪で来院した場合「しばらく家で様子を見るように。症状が何日以上続くようであれば再度連絡をください。」と患者に伝えることが多いということで、今回のコロナウイルスに対する日本の対応のモデルになっているのかもしれません。しかし「限られた医療資源」という点においては今後の日本医療制度の参考になるのかもしれないと考えています。


休業期間がある場合の平均賃金の算定

2020-06-21 22:19:11 | 労働基準法

雇用調整助成金はその後も特例を重ねてきており、6月12日には受給額の上限が8,330円から15,000円に引き上げられただけでなく、解雇等を行わなかった中小事業主の助成率が10分の9から10分の10に引き上げられています。さらに対象期間が令和2年9月30日までの期間を1日でも含む判定基礎期間とされています。

https://www.mhlw.go.jp/content/000639789.pdf

緊急事態宣言が解除されてもすぐに元通りの生活になるということはなく、経済活動が戻るのは少しずつということになりそうです。9月30日までの期間を1日でも含む判定基礎期間というのは10月まで対象範囲に入っているということであり、しばらくは休業を織り込みながらの勤務体制の企業も多くあることが予想されます。

ところで先日休業手当を行った場合の平均賃金の算定方法についてのお問い合わせがあり、今後そのようなご質問が増えるかと思いますので、通達をご紹介しておきます。

平均賃金算定期間中に使用者の責めに帰すべき休業期間があり、期間内に所定休日がある場合、休日も休業日数に含むか(平成22年7月15日基発0715第7号)
(問)
 労働基準法第12条第3項第三号において、平均賃金の算定期間中に使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間がある場合は、その日数及びその期間中の賃金は、平均賃金算定の基礎となる期間及び賃金の総額から控除することとされているが、休業の開始日から終了日までの間に、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日が含まれている場合、当該休日の日数は、休業した期間の日数に含むものと解してよろしいか。
(答)
 貴見のとおり。なお、休業の開始日及び終了日は、当該休業に係る労使協定や就業規則の規定に基づく使用者の指示等により、個別の状況に応じて客観的に判断されるものであること。

休業手当は、平均賃金の60%以上と労基法で定められており、60%の休業手当を支払った場合その金額を含み計算してしまうと、平均賃金が低くなってしまうことになるため、休業した期間の日数及び賃金は除き平均賃金を算定する必要があるということは、今後注意が必要ということになります。

緊急事態宣言が終了したところでテレビを見るとかなり観光地などに人出があるようですが、自粛慣れしてしまったのか週末は2日間とも家で過ごしていました。とはいっても土曜日は新人研修用の資料を作り、今日は自宅の通信環境が今一つだったためルーターを新たに購入しフレッツ光に四苦八苦しながらつなぎ、という意味ではそれなりに価値ある休日にはなりました。4月7日の緊急事態宣言により勢いで入ってしまった在宅勤務を6月第2週から一度リセットして繁忙期を乗り切るためフルタイム勤務にしたのですが、事務所のメンバーとあれこれ話したりかかわったりしながらする仕事はやはり在宅勤務とは違う楽しさがあると感じています。今後「ニューノーマル」がどのような形になっていくのか楽しみでもありますが、世の中の企業の動向を見ながら、事務所の働き方もあれこれ模索していこうと思っています。