OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

同一労働同一賃金ガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)

2019-08-04 23:13:19 | 労働基準法

火曜日のoursセミナーの準備をする中で、平成28(2016)年12月20日付けで発表された「同一労働同一賃金ガイドライン案」と平成30(2018)年12月28日付で発表された「同一労働同一賃金ガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)」の横断を作り、比較してみました。先日のBBクラブの勉強会の準備段階では調べが足りず気がつかなかったのですが、新たに指針では加わった前文において参議院厚生労働委員会の附帯決議の以下の内容が盛り込まれています。

平成30年6月28日 参議院厚生労働委員会

32条 パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の三法改正による同一労働同一賃金は、非正規雇用労働者の待遇改善によって実現すべきであり、各社の労使による合意なき通常の労働者の待遇 引下げは、基本的に三法改正の趣旨に反するとともに、労働条件の不利益変更法理にも抵触する可能 性がある旨を指針等において明らかにし、その内容を労使に対して丁寧に周知・説明を行うことについて、 労働政策審議会において検討を行うこと。

33条 低処遇の通常の労働者に関する雇用管理区分を新設したり職務分離等を行ったりした場合でも、 非正規雇用労働者と通常の労働者との不合理な待遇の禁止規定や差別的取扱いの禁止規定を回避することはできないものである旨を、指針等において明らかにすることについて、労働政策審議会において検討を行うこと。

同一労働同一賃金はパートや有期労働者の待遇改善により実現すること、比較対象とする通常の労働者に定処遇の区分を新たに作り比較することや、職務を分離させて比較させることは認められないこと、が決議されており、この決議の内容が指針の前文に盛り込まれたことがわかります。

ガイドラインと指針を比較すると派遣労働者について追加されているほかは大きく変更されたわけではないのですが、比較対象の範囲が同一事業主に明確化されているなど細かな点で違いがある箇所があります。今後もう少し細かく研究していく必要がありそうです。

とにかく何か始めるには自分の周りを片付けてからでないと始まらない人間で、今週末はこれまで特に整理をしていなかったクローゼット内のものを整理してバックや最近愛用しているリュックなども上手く収納できるようになりスッキリしました。

先日顧問先の長いお付き合いの担当者の方から、「旧いものを捨て去ると新しいものが入ってくる」というお話を聴いて自分の片付けもそんな意味があるのかもしれないという気がしました。

来週は10日から15日まで事務所もお盆休みを頂きます。私も旅行に行ってきますので来週のブログはお休みさせて頂きます。皆様も、良い夏休みをお過ごしください。


柔軟な働き方 時間単位年休について

2019-06-17 00:05:04 | 労働基準法

働き方改革については、特に経営者や管理職は「ガラッと意識を変えなければなりません」とセミナー等でお話しすることが多かったのですが、実際1億総活躍から始まりここ2年程経過してみると「柔軟な働き方」という考え方がだんだん浸透してきているような気がします。

テレワークで在宅で働く日があったり、フレックスで少し遅めに出勤したり逆に少し早めに退社する人がいたり、この春の法改正で年休も必ず年5日は取得しなければならないので、いつも社内のだれかがいないという状態になるかもしれませんが、これも慣れなのかもしれません。仕事のフォロー体制をしっかり決めたら案外柔軟な働き方は実現可能なのかもしれないと考えています。

高度経済成長期、特に日本の製造業を軸に作られた労働基準法の考え方は、工場労働の時間管理にはマッチしていると思います。しかしデスクワークを中心とした事務系の業務や、時間に捉われず良いものを作ろうとしている情報発信系や芸術系の現場では、労働時間を管理することによる労務管理はミスマッチと感じます。とすると変形労働時間制や裁量労働制などではなく、時間単位年休を導入することにより柔軟な働き方ができるようになるのかもしれないと思います。

たとえば2時間中抜けして、夕飯の買い物を済ませてしまうとか、風邪気味なので会社の近くにある医者に診てもらいに行く、友達とランチを楽しむなどについても遠慮せず勤務時間中に出かけられることで、時間単位年休についての社員から評判は上々の会社もあるようです。とにかく、任された仕事を完成することができるのであれば、勤務時間の途中で中抜けできることでむしろ時間管理の呪縛から解放されるような気がするのです。

時間単位年休は平成22年の労基法改正で導入できることになりました。導入については以下の通り定められています。

使用者と事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(当該労働組合が無い場合には労働者の過半数代表)が書面による協定を締結することにより、時間単位で年次有給休暇を使用することができます。

労使協定で締結しなければならない要件は、

  1. 時間単位年休の対象労働者の範囲
  2. 時間単位年休の日数(5日以内の範囲)
  3. 時間単位年休1日の時間数
  4. 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数

になります。ただし、分単位など時間未満の単位は認められません。そのため、所定労働時間が7時間45分のような事業場は、時間単位年休における1日の時間数を8時間とするなどの必要があります。

また、今年の春の改正である年5日の年休取得義務の対象日としては時間単位年休は含まれないものとされています。

今日からジム通いを開始しました。続くか心配ですが、10年後の自分に期待して頑張ります。明日は筋肉痛かもしれません。

ヨーロッパに社労士類似制度があることは前にもブログに書きましたが、来週中ほどから6日間ミラノで開催される労働フェスティバルに出張して参ります。したがって来週はこのブログもお休みさせていただきますのでよろしくお願いします。  


年5日の年休時季指定の規定について

2019-02-24 23:42:12 | 労働基準法

いよいよ年5日の年休時季指定についてのご質問が本格化してきました。

その中で悩ましいのが、社員に手厚い企業の特別休暇です。厚生労働省のHpにある「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」に載っているQA6にもありますが、特別休暇について取得した日数を5日にカウントすることはできないとされています。

また今回の改正を契機に特別休暇制度を廃止し年次有給休暇に振替えるのは法趣旨に添わないことと、労働者の合意がない場合不利益変更に該当するということも書かれています。

なお、時効が過ぎた年休を積み立てておく制度はよくあるのですが、そのような積立年休については、取得の事由及び時季の指定がなく法定の年休の上乗せとして付与されるものであれば、5日の取得に含めても良いとされていますが、おおかた積立年休は、取得事由を「傷病または育児・介護」などと定めていることが多いので、その場合は5日の取得には含められないということになります。

振替休日や、特別休暇のうち慶弔休暇など取得時期が限定されているものについては年休を優先取得して欲しいとは言えないのですが、そうでない法を上回る特別休暇については、5日の年休に限り優先取得することという規定を設けることも検討しても良いのかなと思います。特別休暇で法を上回るものであれば取得時期を定めても良いと考えられ、例えば、年次有給休暇の時季指定の条文に、「年5日の年次有給休暇に限り、特別休暇(慶弔休暇・○○休暇・△△休暇を除く)より優先的に取得するものとする」と追加で規定することを検討する余地はあると考えます。

昨日はBBクラブで、また久しぶりに受講生OBと旧交を温めることができました。できれば全員と一言言葉を交わしたかったのですが流石に120名近くの参加者があるとセミナー前の時間では回り切れず、講義をしながら「○○さん来ているな」と確認したのですが、2次会にも参加されず、お話しする機会が持てなかった方が多くいたのは残念に思いました。次回はできるだけ!と思います。

BBクラブも18年が経ち、当時50代だった方も今や70代となり、それでもとても元気に参加頂けるのは嬉しいことです。しかも後期高齢者になりましたと言いつつ、年2回の海外旅行をして料理教室に通い週2回は夕食を作り、社労士の資格を生かしコールセンターのお仕事も継続され中国語を勉強している会員や、法律系のコールセンターのお仕事をしながら大学の聴講生として学ばれさらにボランティアで昔からの趣味を生かされている会員もいて、それぞれ社労士の資格をしっかり生かしながら人生をゆっくり楽しんで70代を過ごしておられることを聴くと、受験時代が思い浮かびつつ心から嬉しくなり、またお付き合いが続いている幸せをしみじみ感じてしまいます。

昨日の勉強会の内容は「健康経営」で、とても内容も充実したお話でした。聞いていてやはり少しコンスタントにスポーツをした方が良いなあと実感しまして、春になったらマシンがあるジムに登録して週1回通ってみようと思っています(春まで待つ理由は年末に掃除が行き過ぎてワックスで滑り打撲したところが治りきらないという情けない理由です。だいぶ良くなったので完治させてから筋トレを開始しようと思います。)

今日近所の公園の河津桜はほんの少しですが咲いていました。いよいよ春が来そうです。


裁量労働制の不適正運用が認められた場合の企業名公表等について

2019-02-11 21:06:58 | 労働基準法
厚生労働省は1月25日に、「裁量労働制の不適正な運用が認められた企業への指導及び公表について 」を発表しています。
以下厚生労働省の発表からの抜粋です。

厚生労働省では、昨年12月28日に閣議決定された「労働施策基本方針」を踏まえ、監督指導に対する企業の納得性を高め、労働基準法等関係法令の遵守に向けた企業の主体的な取組を促すため、裁量労働制の不適正な運用が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長による指導の実施及び企業名の公表を行う場合の手続を定めました。
 
都道府県労働局では、労働基準監督署における監督の結果、
以下に該当する場合は都道府県労働局長が企業の幹部に対して特別に指導を行ってきたとあります。
①事案の態様が、法の趣旨を大きく逸脱している
②これを放置することが全国的な遵法状況に悪影響を及ぼすと認められる
 
同種事案の防止を図る観点から、手続を明確化したものです。
明確化された今後の指導及び公表についての流れは以下の通りです。
 
通常の監督指導 (1事業場)
不適正な 運用実態※が存在する

全社的監督指導(本社及び支社等複数事業場)

不適正な運用実態※(複数事業場)が存在する

労働局長による指導・企業名公表

書類送検(送検時公表)

※不適正な運用実態(下記①ないし③のいずれにも該当)>・・・①~③すべてに該当する場合です。
① 対象業務以外の業務に従事 裁量労働制の対象労働者の概ね3分の2以上について、対象業務に該当しない業務に従事していること。
② 労働時間関係違反 ①に該当する労働者の概ね半数以上について、ABCが認められること。
 A 労基法第32・40条(労働時間)違反 : 時間外・休日労働協定(36協定)で定める限度時間を超えて時間外労働を行わせている等
 B 労基法第35条違反 : 36協定に定める休日労働の回数を超えて休日労働を行わせている等
 C 労基法第37条違反 : 時間外・休日労働を行わせているにもかかわらず、法定の割増賃金を支払っていない等
③ 長時間労働 ②に該当する労働者の1人以上について、1か月当たり100時間以上の時間外・休日労働が認められること。
 
2018年度は労働基準監督署の調査と是正勧告は「裁量労働」を行っている事業場を中心に行われました。
今後その結果も含めて調査が行われる可能性もあり、
公表や書類送検まで行われる可能性があり、裁量労働制のなお一層の適正な運用が望まれるところです。
 
 
3連休は皆さん充実されたでしょうか?それとものんびり過ごされたでしょうか?
私はこの3連休はいつもよりのんびり過ごすことができました。
 
それにしても色々な話の中で感じるのは、思っている以上に企業は熱心に時間外労働削減に取り組んでおり、
労働時間がどうも減っているようだということです。
以前から時間外労働を減らすには、究極人員を増員することしか方法はないのではないか、
と考えていたのですが、真剣に取り組んでいる企業はやはり人員を増やしているようです。
 
仕事に追いまくられていればなかなか新しい発想は生まれてこないということ確かですので、
担当する業務が少し減ったところで新しい発想を模索するか、それともライフ・ワークバランスを重視するか、
とにかく労働時間の削減効果が何らかの形であると良いと思っています。

フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

2019-02-03 23:33:20 | 労働基準法
厚生労働省HPの「『働き方改革』の実現に向けて」のページに、「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」が掲載されました。
 
4月からの改正で、これまで1か月とされていたフレックスタイム制の清算期間の上限が「3か月」に延長され、月をまたいだ労働時間の調整が可能になるための、詳しい解説がされています。
 
今のところ、フレックスタイム制を採用している会社で清算期間を3か月に延長したいというご相談を受けてはいないのですが、時間外労働の上限規制と併せて説明ができるようにした方が良いと考え週末読んでみましたが、これがなかなか内容が難しいとともに実際の運用についても難しいと感じました。
 
一番それを感じたのは時間外労働のカウントの方法です。これまでフレックスタイム制の良い点は、労働者が柔軟な働き方ができる点だったわけですが、労働時間管理の面でも1日および1週間の時間外労働をカウントする必要がなく、1か月の清算期間における総枠を超える時間数を時間外労働として把握すればよいという点で、シンプルな管理ができるというのも利点でした。
 
今回清算期間が3か月に延長できることにより、確かに夏休みなど子どもが学校に行かない時期は少なく働きそれ以外の月で多めに働くことでの調整できるというのはなかなか魅力的ではあると思います。しかし、清算期間が1か月を超える場合には、以下の時間が時間外労働としてカウントされることになります。
①1か月ごとに、週平均50時間を超えた労働時間
②清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①でカウントした労働時間を除く)
 
結局1か月ごとのカウントを行ったうえで、4月以降の時間外労働の上限規制にも対応する必要があり、特別条項として原則の時間外労働の上限を超えることができる6か月のカウントもしていかなければなりません。今までより時間管理は難しいと感じました。
 
時間外のカウント方法については、時間外労働が60時間を超えた場合大企業は5割増しの割増率になる部分も含めて読み込んでだいぶ理解できるようになったのですが、6回のカウントについてはセミナーで説明するにはもう少しじっくり考えてみる必要がある感じです。
 
とりあえずOURSセミナーやBBクラブ、それ以外の働き方改革のセミナーでは頑張って理解いただくように準備しようと思います。その上でこなれたときにはブログでも上手く説明したいと思いますので、今日のところは以下のサイトのご紹介とさせて頂きます。
 
「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」
 
最近事務所では音楽を小さく流すようになりました。まだ2,3日なのですがこれがなかなか良い感じです。仕事をしながらふと癒される感じがあるような気がします。
また、これからの働き方はニーズに応じてかなと思い、週3日勤務のスタッフ2名に入社してもらいました。派遣スタッフも3名となりかなり様々な働き方をするメンバーが事務所内で増えてきた感じで、これも何となく新しい風になっているような気がします。
多様な働き方や在宅勤務、テレビ会議など積極的に取り入れてみようと思っています。

2暦日にわたる労働の時間外労働のカウントについて

2019-01-27 21:13:32 | 労働基準法

木曜日に渋谷労働基準協会で「36協定集中講義」をさせて頂いた際に、説明していて疑問が出てしまい「調べてOURSブログに載せておきます」と言ったので今日はそのテーマを取り上げてみたいと思います。

内容としては2暦日にわたる労働が休日にかかる場合で、36協定の時間外労働時間数についてどこをカウントするかという点についてです。

①平日2暦日労働(原則)

そもそも暦日にわたる労働については、「始業時刻の属する労働とみなす(昭和63.1.1基発1号)」という考え方があります。例えば月曜日13時に仕事を開始して翌日火曜日の7時まで働いた場合で月曜日、火曜日各1時間ずつ休憩を取った場合で考えてみます。

月曜日の労働時間は10時間、翌日の労働は6時間の合計16時間になるわけですが、この場合月曜日の10時間と火曜日の6時間に分けて、月曜日の10時間が8時間を超えた2時間が時間外労働になるわけではありません。「始業時刻の属する日の労働とみなす」ために、月曜日の労働として合計16時間のうち法定労働時間8時間を超えた8時間が時間外労働になります。

②平日(土曜日)から休日にわたる2暦日労働

翌日が休日にかかる場合はどうなるかということになるのですが、その場合は0時で区切ることになります。例えば土曜日13時に仕事を開始して翌日法定休日である日曜日の10時まで働いた場合で休憩を上記同様1時間ずつ取った場合、土曜日の労働は13時から24時までの10時間、日曜日の労働は0時から10時までの9時間となり、土曜日の時間外労働は8時間の法定労働時間を超える2時間、日曜日は休日労働のカウントになります。

③休日から平日にわたる2暦日労働

法定休日である日曜日13時から仕事を開始して翌日月曜日の始業時刻である10時まで働いた例の場合で休憩を上記同様1時間ずつ取った場合も同様に0時で区切るため、13時から24時までは休日労働となり、翌月曜日の0時から10時までの9時間のうち8時間を超える1時間が時間外労働のカウントになります。

東京労働局に確認したところ、やはり36協定の時間外労働のカウントについては、上記割増の対象となる時間が時間外労働としてカウントされることになりますので、原則としては8時間が時間外労働にカウントされるが、土曜日から休日をまたいだ場合は休日分は休日労働のカウントとなり土曜日の2時間が、休日から月曜日をまたいだ場合は休日分が休日労働のカウントとなり月曜日の1時間が時間外としてカウントされます。

休日労働についてはなぜ0時で区切るのかということについても分かりました。休日は0時から24時の暦日として考えるため、0時を超えても前日の労働としてしまうと、「休日労働」とならないため「始業時刻の属する日の労働」の原則を適用しないということなのです。なるほどと納得しました。

2月はセミナーが毎週のようにありますので、インフルエンザが流行っているということで電車に乗るときは珍しくマスクをするようにしています。マスクはあまり好きではないのですが仕方がありません。講師業というのは原則として代わりが利かないのでその点はかなり緊張感があります。特に風邪をひき声が出なくなってしまうという事態に過去遭遇しており、一度はTACの満員御礼となった横断セミナーでどうしても声が出ず代講を立てるという大失態を演じたことがあり、それだけは避けたいと考えています。

OURSセミナーでも一度声が最後ギリギリ状態となり来られていた皆さんに不安そうな顔をさせてしまったことがあります。終わってから「大丈夫。聞こえてましたよ。」と言って頂いた時は本当に申し訳なく、そのやさしさにウルっと来たことも良く思い出します。

さてさて、OURSは相変わらず沢山お仕事を頂いているのですが、スタッフを増やして一人一人の負担をできるだけ平準化していくことを目指し、少し自分への負荷も軽くして、乗り切っていきたいと思っています。


労働時間「所定」と「法定」の違い

2019-01-14 22:25:00 | 労働基準法

1月24日に渋谷労働基準協会さんが開催する「36協定集中講座」を皮切りに2月にかなりセミナーが立て込んでおり、ほとんどが働き方改革関連の改正であるため、12月(一部HPの公開は1月)に厚生労働省から発表された通達や資料について読み込んでみました。

12月に発表された「時間外労働の上限規制」「年5日の年次有給休暇の確実な取得」はともにわかりやすい解説と銘打っており、①法令解説編、②実務対応編、③Q&A、④参考、から構成されており、工夫された内容になっていると思います。

その中で「所定」と「法定」の違いというコラムがあり、確かにこの2つの考え方はしっかり理解しないと時間外労働の上限規制に対して誤った対応をとってしまう可能性があります。

元々昔から、労基法で定めた労働時間は「法定労働時間」に対して会社で定めた労働時間は「所定労働時間」という説明はしていました。その点についてはそれほど難しいことはないのですが、問題は休日の扱いです。労基法で法定休日は、1週間に1日又は変則休日制として4週間4日と定めており、土日が会社の定めた休日の週休2日制の場合、うち1日は法定休日に当たるわけですが、残り1日は法律で定めた休日ではなくその日に出勤したとしても法律上は休日出勤ではないという扱いになります。したがって法律上の休日ではない日に出勤したとした場合に、週40時間を超えて働いたところから時間外労働になることになります。

平成22(2010)年の労基法の改正により、60時間以上の時間外労働をさせた場合の割増率は50%と定められ、すでに大企業には2010年4月から施行されています。その際60時間のカウントをするときに、所定休日の出勤については時間外にカウントする場合があるということを認識することになりました。それまでは、法定休日と所定休日を明確に区分するという発想があまりなく、所定休日に出勤した場合も35%割増しの手当を支払えば損はしないので良いでしょう、という考えでした。しかし60時間を正確にカウントしないと、50%の割増賃金を支払うところ35%しか払わなかった場合未払い発生となるため、正確を期すということになったわけです。

なお、平成22年の改正当時出た「改正労働基準法に係る質疑応答」Q10に、法定休日が特定されていない場合について記載があります。

「法定休日が特定されていない場合で、暦週(日~土)の日曜日及び土曜日の両方に労働した場合は、当該暦週において後順に位置する土曜日における労働が法定休日労働となる。4週4日の休日制を採用する事業場においては、ある休日に労働させたことにより、以後4週4日の休日が確保されなくなるときは、当該休日以後の休日労働が法定休日労働となる。」

もし就業規則に「月曜日から1週間をカウントする」と定めておくと、法定休日が特定されていなくても土曜日・日曜日両方に労働した場合は、後順に位置する日曜日が休日労働となるということになります。

https://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1k.pdf

今回中小企業についても2023年4月から時間外労働が60時間を超えた場合50%の割増率が適用されることと、大企業にも時間外労働の上限規制が2019年4月から適用されることを考えると、この法定休日について正確に理解してもらうことと、できれば明確に定めることは重要なことと思います。

昨年ゴルフクラブを購入し時々練習場に行っているのですが、軽くボールが飛んで行ったときの快感が少しわかるようになりました。まだコースに出たことはないのですが、練習ばかりしているのではなくすぐコースに出た方が良いですよと以前後輩社労士に言われたので今年はできればコースに出ることを楽しみにしています。

よく駅のホームでエアー素振りをしている人をみかけたりして、何が面白いのかな~と思っていましたが、それに近づくかもしれません。しかし運動神経がないことを自負している私としては、まずは仕事や勉強の気晴らしと運動不足解消と併せて家族交流が一番の目的といったところです。

大学院の方は、あと残すところレポートが一つとなり、何とか単位の方は予定通り取れそうな感じです。最後のレポートは立法過程について自分のテーマを取り上げるということなのですが、修論テーマとは異なり以前から興味をもって見ている「老人保健法」の立法過程を追ってみようと思いちょっとワクワクしています。


日本の認知症施策について

2018-11-18 21:57:03 | 労働基準法

厚生労働省が示している認知症施策についてまとめる機会があり、そこに示されている施策の数々に少なからず驚きました。そもそも認知症対策としては平成24年に「オレンジプラン」が策定されていたところ、平成25年12月に英国で「G8認知症サミット」が開催され、世界的に認知症に対する対策についての展開に向けて協働することとされました。

その後日本は平成27年1月に「新オレンジプラン」が策定され、7つの柱がかかげられています。7つ目の柱である「認知症の人や家族の視点の重視」を重要な柱として位置づけたことが特徴となっています。これまでの認知症の人を支える側の視点からの取組みからの変化ということになります。

その施策の中で興味を持ったのが「認知症カフェ」です。どのようなものなのか全く知識がなかったため、書籍(浅岡雅子「魅力あふれる認知症カフェの始め方・続け方」〈2015.10.16・翔泳社〉)を購入してみました。「認知症の人や家族が気軽に立ち寄れる場」として注目されている認知症カフェを、解説・運営・支援のすべてを紹介するという本ですが、そこから少し紹介してみようと思います。

認知症カフェには色々なお客さんがやってくるとして、「軽度認知障害(MCI)の人、認知症初期の人、認知症初期の人に同伴する家族、認知症の人を伴わず単独で参加する家族、地域の認知症サポーター、認知症の人の友人・知人、認知症になるのではと心配している人、認知症のことを理解しようと思っている地域の人、セミナーなど行う認知症外来の医師等外部講師、認知症相談に対応するケアマネージャー等専門職」があげられており、認知症カフェは、認知症の人やその家族が「気軽に立ち寄りたいと思うようなリラックスできる場所」であることが基本ということです。

認知症カフェの3要素として「楽しむ(カフェとしてお茶とお菓子おしゃべりを楽しむ・コンサートの催しなど)」、「相談する(医師・ケアマネに相談、家族通しアドバイス)」、「学ぶ(セミナー・勉強会)」があり、地域包括支援センター・NPO法人・家族会・介護機関・医療機関などが主催しているということでそれぞれ事例が載っています。

認知症カフェは毎日開店しなければいけないというものではないそうです。

カフェ好きの私としては興味をひかれたのですが、今後高齢者が多くなれば認知症カフェのような場が身近にできるのかもしれません。それにしても、高齢の親を見送り見守る私の経験からして考えるに、新オレンジプランの内容が病院から紹介されたこともないですし、重要な役割を果たしているという「認知症サポーター」にお目にかかったこともなく、友人との話にも出てきたこともないのはどういうことなのかと不思議に感じます。

週末は久しぶりに広島に出張してきました。東京に戻りその足で授業に行くなど強行軍でしたが、訪問先企業の地方都市ならではの大きな空の下壮大な敷地内の新しいビルも訪問できましたし、一緒に行ったスタッフと社労士事務所の今後の戦略など時間を気にせず話ができたり、地元の美味しいものを食べたりなかなか充実した出張となりました。


裁量労働の指導事項について

2018-09-24 23:57:53 | 労働基準法

最近、裁量労働における環境が厳しくなってきています。労基法改正法案の中の一つの項目であった企画業務型裁量労働制に対する首相の国会答弁での数字が問題とされたこともありますし、そもそもここ数年の長時間労働に対する取り締まりの中で、裁量労働は時間管理を労働者に委ねているためきちんとした時間把握がなされていないということを認識したこともあったのかと思います。

2019年4月からの改正には、安衛法で管理監督者及び裁量労働対象者を含むすべての労働者の労働時間の把握を、健康管理のために行う義務を事業者に科すことになりましたので、その点では今後裁量労働対象者の時間管理も行っていく必要があります。

ところで裁量労働対象者がいる会社にここの所労働基準監督署の呼び出しが来ているようなのですが、この前その指導内容に若干の疑問を感じ問い合わせてみました。というのも、指導内容としては就業規則・裁量労働制の労使協定に、労働局で定めるモデル例の以下の条文が入っていないので記載するようにというものでした。

第8条 裁量労働適用の中止
前条の措置の結果、裁量労働適用者に裁量労働を適用することがふさわしくないと認められた場合または裁量労働適用者が裁量労働の適用の中止を申し出た場合は、使用者は、当該労働者に専門業務型裁量労働制を適用しないものとする。

しかし裁量労働の採用条件については労基法38条の3で定められており、その中にはその点を就業規則又は労使協定に定めることとはしていないのです。 確かに今年の春ごろ企業に来ていたアンケートには「辞退する仕組みがあるか」というような質問があり、法律上の定めではないので「なし」と記載しても良いと思います、とアドバイスした記憶もありました。

問い合わせの結果としては、法律の定めではないため「是正勧告」ではなく、健康福祉確保措置の一環で、長時間労働の会社には「辞退することができる」旨の規定を指導事項として入れるよう内部の通達がなされている、ということでした。確かに「指導」ではありますが、就業規則や労使協定はあくまでその企業、労使で定めるものであり、違和感がないわけではありませんでした。
 
労基法38条の3において、裁量労働を導入する際労使協定に定めることとされているのは以下の通りです。
一 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対象業務」という。)
二 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間
三 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。
四 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
五 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
六 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項(有効期間を定めることと3年間保存すること)
 
さていよいよ今週で大学院も夏休みが終わり秋学期が始まります。入学してから折々購入した本も15冊程度、ざっとですが目を通して入学時よりは少し社会保障について知識が付いたような気がします。また新たな勉強に取り組めるのはとても楽しみです。
 
夏休み最後の週末はBBクラブとOURSのメンバーで恒例のバーベキューでした。子供たちもかなり参加してくれて、お天気も良く開放的な気分になってとても楽しく過ごしました。参加してくれたみんなも楽しそうにしていましたので良かったです。それにしても、以前は子供たちと一緒に元気に遊べたのですが、今はそのパワーもなく、お肉から焼きそばまでみんな作ってもらって食べて、あとは私の顔をみると泣く子どもをからかっているだけというほとんど物の役に立たない私でした。
  焼き始めます。
まとまりのない集合写真
 

中小企業の定義 労基法・時間外労働5割増関係

2018-07-09 00:28:15 | 労働基準法

先週法改正ニュースを配信したところ、ご質問がいつもより多く、そのほとんどが「時間外労働60時間超え5割増」の猶予になっている中小企業に該当するか否かというお問い合わせでした。すでに大企業として5割増の適用となっている会社さんがほとんどだったのですが、子会社が該当するかどうかなどのこともあったようです。

ネットで労働局などのサイトを検索して判断の表をURLをメールに貼り付けてお送りしようと思ったのですが、思ったよりすんなりと表が出て来ず、一部誤りがあったりもしたので、念のためブログに載せておこうと思いました。

中小企業に該当するか否かは、「資本金の額または出資の総額」か「常時使用する労働者の数」で判断されます。具体的には、以下いずれかに該当する場合中小企業ということになります(資本金等か使用労働者数のどれか一つでも該当すれば中小企業になります。)また、事業場単位ではなく、企業単位で判断されます。

業種

 

資本金の額または

出資の総額

または

常時使用する

労働者数

小売業

5,000万円以下

または

50人以下

サービス業

5000万円以下

100人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

その他

3億円以下

300人以下

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記の業種の部分が問題で、労働保険の申告書などの業種とは異なりますのでご注意ください。業種分類は日本標準産業分類(第13回改定)に従っています。以下ご確認ください。

 http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000023.html

視力を計測すると相変わらず1.5などと素晴らしく良いのですが、今年になり夜になると文字が読みにくくこれはまずいと思い眼鏡を作り直し、先日はブルーベリーのサプリだけは毎日飲んだ方が良いというアドバイスを受けて、すぐに実行しています。眼鏡を合ったものに変えるだけでずいぶんと楽になりました。仕事をする上で目は大事とつくづく思うこの頃です。

やっと年金のレポートを作り終わり、春学期は「医療」のレポートを残すのみとなりました。夏休みには読んでおきたい本や勉強しなければならないことがすでに予定されているのですが、1つのテーマを追えるのは楽しみです。


労働者名簿の記載事項

2018-05-27 23:16:18 | 労働基準法

先週、賃金台帳の記載事項というタイトルでブログを書いたところとてもたくさんの方に見て頂いたようなので、引き続き今週は法定3帳簿の一つである「労働者名簿の記載事項」を取り上げてみたいと思います。

労働者名簿は、労働基準法及び労働基準法施行規則に以下の通り定められています。

法第107条 使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。(第2項略)

則第53条 法第107条第1項の労働者名簿に記入しなければならない事項は、同条同項に規定するもののほか、次に掲げるもの(●)とする。(第2項略)

労働者名簿法定記載事項

○法で定める事項 1労働者の氏名  2生年月日  3履歴

●則で定める事項 4性別  5住所  6従事する業務の種類  7雇入の年月日  8退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。) 9死亡の年月日及びその原因 

以前のブログにも書きましたが、平成9年の労基法施行規則の改正により、「本籍」は記載事項から削除されました。これは、個人情報保護法が施行される前の段階で当時労働省により発表された「労働者の個人情報に関する行動指針」(平成12年12月20日)にもある以下の記載事由によるものです。

2.個人情報の収集(3)使用者は、次に掲げる個人情報を収集してはならない。ただし、法令に定めがある場合及び特別な職業上の必要性があることその他業務の適正な実施に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合は、この限りでない。 (イ)  人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
(ロ)  思想、信条及び信仰 
とあり、「社会的差別の原因となる恐れがある事項」とされたためです。 

また、労働者名簿、賃金台帳等の保存と取扱いについての解釈(平成17年3月31日基発0331014号)では要件を満たせばデーターでの管理も認められるということで、以下のように示されています。

次の1及び2のいずれをも満たす場合には、労働基準法第107条及び第108条の要件を満たすものとして取り扱う。

1 電子機器を用いて磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク等により調製された労働者名簿、賃金台帳に法定必要記載事項を具備し、かつ、各事業場ごとにそれぞれ労働者名簿、賃金台帳を画面に表示し、及び印字するための装置を備えつける等の措置を講ずること。
2 労働基準監督官の臨検時等労働者名簿、賃金台帳の閲覧、提出等が必要とされる場合に、直ちに必要事項が明らかにされ、かつ、写しを提出し得るシステムとなっていること。

労働者名簿(先週取り上げた賃金台帳も同じ)は、法律でも「各事業場ごとに」と定められており、また上記通達の2にも示されているため、労働基準監督官が調査に来られた際には、本社でデーター一括管理している場合でも、各事業場で確認したい時にすぐに閲覧または提出できるようにしておかなければならないと指導がされます。会社さんによっては、その指導に従って事業場のトップの所長のみにログインパスワードを付与して本社の管理している労働者名簿・賃金台帳を閲覧できようにしたケースもあります。

なお、法定記載事項とされている「履歴」については特に通達等で示されたものはないようです。「学歴・職歴・入社後の職歴」を記載しておけば問題ないと考えます。

本当に良い季節になりましたね。毎日洋服も軽くなり気分が良いです。ところでやっと25日に衆院厚生労働委員で「働き方改革関連法案」が可決しました。与党は29日にも衆院本会議で可決し、参院に送付する方針ということです。この夏あたりは実務対応をじっくりと考えて、秋には情報提供がしっかりできるように準備をしようという意欲がわいてきました。

一方で、春学期の半分が過ぎたところで、読まなければならない本はかなり積みあがって来ており、また2つの授業で7月末までにレポートを作成する必要があり、ワクワク勉強しているばかりではだめで少しおしりに火が付いてきた感じです。来週からは、レポートの準備を兼ねて「年金」次に「医療」についての勉強したことを順次取り上げていきたいと思っています。こちらの都合で申し訳ないのですが少しお付き合いいただければと思います。


賃金台帳の記載事項

2018-05-21 00:08:42 | 労働基準法

賃金台帳の記載事項についてご質問があり調べてみると意外に知らないことが多いなあと驚いてしまいましたので取り上げてみたいと思います。賃金台帳の記載については、労働基準法及び施行規則に定められています。

(賃金台帳)
第108条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

上記厚生労働省令で定める事項は施行規則第54条に以下の通り定められています。
第54条 使用者は、法第108条の規定によつて、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならない。

①氏名 ②性別 ③賃金計算期間 ④労働日数 ⑤労働時間数 ⑥法第33条若しくは法第36条第1項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数 ⑦基本給、手当その他賃金の種類毎にその額 ⑧法第24条第1項の規定によつて賃金の一部を控除した場合には、その額

…上記記載事項についてはよく目にするところです。⑧の法第24条1項の規定とは、過半数組合等との労使協定の締結により賃金から一部控除できるという定めです。

2 前項第6号の労働時間数は当該事業場の就業規則において法の規定に異なる所定労働時間又は休日の定をした場合には、その就業規則に基いて算定する労働時間数を以てこれに代えることができる。 

…法定労働時間の1日8時間・1週間40時間ではなく、会社で定めた所定労働時間が例えば7時間・35時間であればその時間数を超えた時間外労働時間数等を記載してよいということですね。

3 第1項第7号の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額を記入しなければならない。

…現物給付については、評価総額を記入しなければならないということです。

4 日々雇い入れられる者(1箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については、第1項第3号は記入するを要しない。

…日雇の場合は賃金計算期間は記入しなくて良いということです。

5 法第41条各号の一に該当する労働者については第1項第5号及び第6号は、これを記入することを要しない。

…管理監督者等労働時間・休憩・休日の適用除外者については、(労働時間等の概念を持たないので)労働時間数・時間外労働時間数の記入は不要ということです。深夜労働時間数は記載が必要です(「昭和23.2.3基発161号 規則第54条第1項第6号の「深夜労働時間数」は賃金台帳に記入するように指導されたい」と示されています)。

ところでご質問は賃金台帳の記載のうち有給休暇分の記載の方法が昭和23年の通達で以下の通り定められているがその通りにするべきかということでした。通達では「年休取得の日数及び時間は、労働時間とみなして労働時間数に含め記入し、その年休取得日数と時間数をかっこで囲み記入するように」ということが示されています。監督署に確認したところ、「その記載で」ということでした。

(昭和23.11.02基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第3815号)。

(問)(一) 年次有給休暇の期間は、通常の労働時間労働したものとみなし、その日数、時間については、労働日数欄、労働時間数欄に記入するか。
(二) 宿日直勤務の時間は、断続的業務であるから、労働時間数欄、労働日数欄、休日労働時間数欄には記入せず、手当欄に日直又は宿直手当として記入するよう指導して差支えないか。

(答)(一) 見解の通り、年次有給休暇の日数及び時間を実際に労働に従事した日数及び労働時間数とみなして夫々該当欄に記入するが、その日数及び時間を夫々該当欄に別掲し括弧をもって囲んで記入するよう指導されたい。
(二) 宿日直勤務については手当欄に宿直又は日直手当として記入、各々その回数を括弧をもって囲んで金額欄に附記するよう指導されたい。

施行規則第55条には賃金台帳の様式が定められています。様式20号を見てみると、上記通達の記入方法はとりにくいように思いました。やはり昭和23年の通達が出た当初は手書きで調製していた賃金台帳も、今はほとんどがデーターでしょうからなかなか当てはめるのは難しいような気がしますが、様式20号はシステム化を検討する場合は確認する良いと思います。

様式20号

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/pdf/d.pdf

第55条 法第108条の規定による賃金台帳は、常時使用される労働者(一箇月を超えて引続き使用される日々雇い入れられる者を含む。)については様式第20号、日々雇い入れられる者(一箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については様式第21号によつて、これを調製しなければならない。

事務所は年度末から4月にかけての入退社の山を乗り越え、少し今一息ですがこれからまた年更・算定の時期を目の前にして気が抜けない感じです。しかし思えば4,5人で事務所運営していた当時は仕事が入るたびに誰に担当してもらおうかと苦心していたものですが、今は20人のスタッフがいることが本当に心強いと思います。そのスタッフに支えられて勉強させてもらっていると感じますが、年齢を重ねてからの勉強とはここまで面白いものかと、かみしめながら授業を受けている感じです。