OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

副業・兼業についてのモデル就業規則改定案

2017-11-26 23:57:30 | 就業規則

副業・兼業について審議されている「第4回柔軟な働き方に関する検討会」が平成29年11月20日(月)に行われ、その内容が厚生労働省のHPにアップされました。副業・兼業についての「副業・兼業推進に関するガイドライン骨子案」及び「就業規則改定案」も資料として提示されています。まだ案の段階ではありますが、イメージは持っておくと良いのではないかと思います。改定手順としては、遵守事項(服務規律)に規定されている「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」の部分を削除し、「副業・兼業」の条文を新設するということになります。

副業・兼業の条文にある「第11条第1号から第5号」とは遵守事項の以下①~⑤のことで、これらの遵守事項に定める行為に該当する場合は、副業・兼業を「禁止」することができるとしています。

(遵守事項)
第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。
① 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。
② 職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受ける等不正な行為を行わないこと。
③ 勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。
④ 会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。
⑤ 在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないこと。
⑥ 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。

(副業・兼業)
第65条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務が第11条第1号から第5号に該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

なお、「副業・兼業推進に関するガイドライン骨子案」では、就業時間の把握について通算することは記載されていますが、割増賃金を支払う義務をだれが負うのかは明確にはされておらず、今後の審議等を期待したいと思います。

なお、就業時間の把握については、これまでも通達は出ており、昭和23年5月14日基発769号で、「労働時間、事業場を異にする場合においても、通算する」とされていますが、コンメンタールにおいて割増賃金の支払いは「通常は労働者と時間的にあとで労働契約を締結した事業主と解すべき」とされています。ただし、「甲事業場で4時間、乙事業場で4時間働いている場合に、甲事業場の使用者が、この後乙の事業場で4時間働くことを知りながら労働時間を延長するときは、甲事業場の使用者が時間外労働の手続きを要するものと考えられる。」とされています。

「第4回柔軟な働き方に関する検討会」については以下をご確認下さい。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000185340.html

併せて以下のガイドライン案もアップされています。こちらもなかなか興味深いものです。
・情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン案
・自営型テレワークの適切な実施のためのガイドライン案

この頃風邪をひいている人が多いような気がします。私もここ2,3日、夜寝ているときに時々寒いような気がすることがあり、掛け布団に薄い毛布を加えようかなと思っているところです。いつもより少し時期的には早いような気がするので、真冬になったときに困らないかと思案中です。

今日は東京都社労士会の講演旅行があり箱根に行ってきたのですが、やはり東京より一段と寒かったです。ただ久しぶりに行った箱根湯本は駅もリニューアルされて、駅周辺のお店もにぎやかな感じになっていました。寒い夜はホカホカの温泉饅頭が大人気でした。鍋もおいしい季節になりましたね。だんだん本格的な冬に入ってきますが、皆さん風邪をひかれませんように。


契約社員の就業規則⑤限定正社員3つの類型について

2014-12-01 00:27:38 | 就業規則

10月と11月に有期契約社員の就業規則の自主点検と無期転換後の労働条件についてのセミナーをセットで顧問先企業のグループ会社向けに行いました。特に無期転換後の労働条件については、特に具体的な通達も出てない中で法律・通達などを頭の中で整理しながら準備した結果だいぶ自分なりの考えを持つことができたような気がします。

ポイントとしては、①無期転換後の労働条件を、従前より向上させること、または低下させることは可能か②無期転換後の処遇として限定社員を導入する場合どのような方法やメリット等があるか、というところが中心なのですが、②の限定社員は、平成26年7月に発表された「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会報告書に類型が示されています。

①勤務地限定正社員
1.育児や介護の事情で転勤が難しい者などについて、就業機会の付与と継続を可能とする。
2.有期契約労働者の多い業種において、改正労働契約法に基づく有期契約労働者からの無期転換の受皿として活用できる。
3.安定雇用の下で技能の蓄積・承継が必要な生産現場における非正規雇用からの転換の受皿として、また、多店舗経営するサービス業における地域のニーズにあったサービスの提供や顧客の確保のために、それぞれ活用できる。

②職務限定正社員
1.金融、ITなどで特定の職能について高度専門的なキャリア形成が必要な職務において、プロフェッショナルとしてキャリア展開していく働き方として活用できる。必ずしも長期雇用を前提としていない。
2.資格が必要とされる職務、同一の企業内で他の職務と明確に区別できる職務で活用できる。  
3.高度な専門性を伴わない職務に限定する場合、職務の範囲に一定の幅を持たせた方が円滑な事業運営に資する。

③勤務時間限定正社員
1. 育児や介護の事情で長時間労働が難しい者などについて、就業機会の付与と継続を可能とする。  
2.労働者がキャリア・アップに必要な能力を習得する際に、自己啓発のための時間を確保できる働き方として活用できる。
3.勤務時間限定の働き方の前提として、職場内の適切な業務配分、長時間労働を前提としない職場づくりの取組が必要である。

③の時間限定(正)社員は、これまであまり念頭になかったのですが、考えてみると有期契約時代に短時間で働いている場合、無期転換後も時間限定社員として働いてもらうという設定は必要に思いました。

10月・11月と支部や東京会の事業や行事にかなり追われましたが今日の東京会の管外研修で一段落。セミナーも年明けまではないので準備を気にせず、やっと少し落ち着いて色々なことを考えられる時間がとれそうです。12月は職務分析とパワハラ研修またお見積りを出している労務監査など事務所で新たに取り組む課題を含めとても業務内容がバラエティーに富む予定で楽しみです。


契約社員の就業規則④個別の契約で定める場合

2014-11-03 22:31:52 | 就業規則

契約社員については就業規則を作らず個別の契約書によるとしている場合は多いように思います。これは厳密には問題があります。

同一の事業場内において、労働基準法第3条の均等待遇に違反しない限りにおいて、一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差支えない。従って、例えば正規従業員の就業規則とは別個にパート社員の就業規則を定めてもよい。ただし、就業規則の本則において当該別個の就業規則の適用の対象となる労働者に係る適用除外規定又は委任規定を設けることが望ましい(昭和63.3.14基発150号)と通達されています。しかし「一部の労働者に別の就業規則を作らずに、その事業場で定められている就業規則の全部または一部を適用しないとするようなことは認められない。」とされているからです。

とはいえ、様々な形態の社員がいる場合に臨時的な立場の社員も含めすべて就業規則を作成するのが無理なケースもあるかと思います。その場合にどうするかということを考えるのですが、とにかく絶対的必要記載事項の記載をして、詳細について「個別の契約書による」という定め方だけはしておきたいと考えます。

絶対的必要記載事項については、以下の通りです。

①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交代制の場合には就業時転換に関する事項…例えば契約社員ごとに始業終業の時刻が違い、また休日等が異なるような場合は個別の契約で定めていると思われますが、基準となる始業終業時刻や休憩時間、休日などを定めておくことになります。基準を定めた上で「ただし、業務の都合等により別途定める場合は個別の契約による」とします。

②賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項…賃金が月給なのか時給なのか、手当があるのかなどは特に契約社員の場合はまちまちで個別の契約による場合が多いのですが、こちらも「賃金は月給又は時給とし、別に定める個別の契約による」とするなどの書き方ができますし、支払いの方法や締切、支払日などについては契約ごとということは少ないと思いますので記載することは可能だと思います。

③退職に関する事項(解雇の事由を含む)・・・定年、契約期間満了、休職期間満了で復職できない場合の「退職」や、身体又は精神の障害により業務に耐えられない、事業の縮小等の場合の「解雇」の事由については特に個別規定を設けることもなく定めることができるのではないかと思います。

本当はそれ以外にも相対的必要記載事項である賞罰規規定(懲戒処分)などは定めておきたいのですが、それが無理な場合であっても少なくとも契約書しか存在しないという正社員以外の社員に巾広く適用できる絶対的必要記載事項が書かれている就業規則は準備しておき、詳細は個別契約によるとしておきたいところです。

昨日と今日の2日間行われた「渋谷くみん祭」は事前の予想に反し雨も降らず穏やかなお天気の中で盛況でした。社労士会渋谷支部のブースも骨密度測定器を例年通り設置し、2日間で600人近い方の骨密度を測定しました。毎年色々と工夫をして混乱しないように、しかし会員が色々なブースを見学できるような休憩時間を取れるようになど考えて行ってきましたので、運営も順調に行ったと思います。今年も骨密度の測定は写真の通り大人気でした。司法書士会は射的で若い人たちが集まり、行政書士会は子供のスタンプラリーの場所になっており例年通りクイズと輪投げなど子供が集まるのですが、我が社労士会はかなりご高齢の方が多く集まります。年金相談や労働相談も行うのですが、「相談したって年金が増えるわけじゃないんでしょう」とおっしゃり骨密度だけ測定されるので、もう少し相談につなげられるものにした方が良いという意見もありますが、測定している会員は「来年もまたやりますから来てくださいね~」と言っていますし悩ましいところです。

そんな中並んでいる方たちの中に見覚えのある顔があり、TACで講師をした最後の年の平成21年の受講生でした。ブログを読んで渋谷くみん祭に来てくれたとのこと。嬉しかったです。ご結婚されて奥様と来られたとのこと。いい雰囲気でした。

     盛況な社労士会渋谷支部テント前。辛抱強くお待ちいただき感謝です。 


契約社員の就業規則③有期契約社員の適用に制限等があるもの

2014-09-15 22:44:55 | 就業規則

今月末、労働契約法の有期労働契約の無期転換と雇止め法理の法定化について2つセミナーがある関係で、今週末はセミナーレジュメを集中して作りました。何とか終わりましたのでかなり心の重荷が軽くなりました。先週は、毎日のように就業規則改定のご依頼があったのでこなせるかなと少し心配になっていたのですが、このレジュメが出来上がったので落ち着いて取り組むことができそうです。

今日は有期契約社員向け就業規則の作成ができるよう、東京労働局のモデル就業規則をどのように加筆し、検討し、削除していくかコメント入りの提案モデルを作ってみました。この作業はもう少し実際には各社の担当者と打ち合わせて煮詰めたいところですが、なかなか使えるツールが出来上がったような気がします。

レジュメを作成する中で、有期契約の場合で法律上適用が制限されてるものがあるか考えてみたのですが、思いついたのは2点でした。この2点については無期転換されたら完全に適用されるということになります。

1つめは、育児介護休業法において、期間雇用者は育児介護休業を取得する場合は3つの条件をクリアする必要があるという部分です。育介法第5条で期間を定めて雇用される者については以下のいずれにも該当するものに限り申出ができるとされています。

①同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること

②子が1歳到達日を超えて雇用が継続することが見込まれること(子が1歳に達する日から1年を経過する日までに雇用関係が終了することが明らかである者を除く

育児介護休業等の関係では、期間雇用者が適用を制限されているのは「休業」のみで例えば「短時間勤務制度」など他のものはすべて適用対象になっています。

2つめは、高年齢雇用安定法の高年齢者雇用確保措置です。一応有期労働契約については高年齢者雇用確保措置とは別問題としています

高年齢者雇用安定法第9条は、主として期間の定めのない労働者に対する継続雇用制度の導入等を求めているため、有期労働契約のように、本来、年齢とは関係なく、一定の期間の経過により契約終了となるものは、別の問題であると考えられます(Q&A、平成16.11.4職高発1104001号)。

ただし、期間の定めのない契約とみなされた場合は高年齢雇用確保措置を講じなければならないとされています。

土曜日東京都社会保険労務士会の野球大会2日目があり、渋谷支部は3連覇しました。千代田支部との決勝戦はとても緊張感のある試合で良かったと思います。野球を見に行くのは大好きで、選手として活躍している後継ぎとして事務所で働いている息子さんたちがまだ子供と言ってもよい頃から応援に行っており、私もすっかりチームの一員になっている感じでいます。お天気も良くこんがりと腕がいい色になり健康になった気がします。

   


契約社員の就業規則②契約期間満了

2014-09-01 00:19:24 | 就業規則

今日まで8月だということも忘れてしまいそうに秋めいてきましたが、外に出た時楽なのには助かります。

今週末も大分仕事の積み残しがあり、ご相談メールの回答作り、週末は就業規則のチェックやセミナーの構想を練ったりしていました。9月に入るとまわりも動き出すので段取りだけは上手くつけておく必要があり、また、来週の土曜日は東京会の野球大会もあり大宮のグランドまで渋谷支部の応援に行きますし翌日曜日は地元目黒のさんま祭りなので、今週の週末は貴重な時間といった感じでした。

9月の3つのセミナーのうち2つは有期労働契約についての知識と動向がテーマであり、就業規則の整備もさることながら、まずは契約社員についての基礎知識を知っていただくためのレジュメを作ろうと考えています。ある程度契約社員について体系的に知ってからでないと、有期労働契約の無期転換への対応についても正しい方向性の選択ができないかもしれないと考えるからです。

沢山のポイントが考えられると思いますが今日頭で思い浮かべたことを少しここで挙げることで、併せて今日の復習にしようと思います。

期間の定めのある契約社員の契約期間が満了した場合に更新しないことになれば退職ということになります。ちなみに就業規則の退職の事由の中に「契約期間満了」が定められていることが多いですが、期間の定めがない正社員のみ対象とする就業規則の退職事由に「契約期間満了」が定められるのは矛盾があります。細かいことですが、今後期間の定めがある契約社員と期間の定めのない正社員や無期転換社員を明確に区分して労務管理を行う必要があるので、要チェックと考えています。

契約期間満了については単に期間が来たら満了で退職ということにはもちろんならず、有効な雇止めである必要があります。労働契約法第19条の定めにあるような、「有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるもの」であれば雇止めが無効になってしまう場合もあります。この雇止めが有効かどうかは、期間の長さが全く関係がないわけではありませんが、やはり「期待権があったかどうか」が重要なポイントになります。そのあたりは人事担当者はよく知っておられるわけですが、いわゆる現場の管理職は契約社員は期間満了で退職もあるのは当然と考えている場合が多いと思います。その点はセミナーで強調しようと思います。

また、契約期間の途中で契約を解除するということになると、これは解雇と同じことになり30日前の予告又は30日以上の解雇予告手当の支払いが必要になりますし、解雇制限期間中であれば契約解除はできないということになります。しかし契約期間満了での退職であればこれは解雇ではないので、解雇制限期間中であっても退職になります。契約期間の途中解除については労働契約法17条「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 」と定められてからは正社員の解雇より難しくなった(法律上解雇の不可について定められたため)と言われていますので、契約期間途中の解除はあまり行われていないようです。こういうことも現場で知識として持っておいてもらいたいと思います。

契約期間満了の場合、雇用保険はどうかというと3年未満と3年以上の契約期間満了では同じ契約期間満了が離職理由であっても受給資格が異なってきます。これはかなり複雑なのですが、一番のポイントは契約期間3年以上の場合には直前の契約時又は実務上では1カ月以上前に雇止め通知をしていない場合で本人の都合ではなく会社の都合で契約期間満了の退職とした場合は、喪失原因も他と同じ「契約期間満了」ではなく解雇と同じ「事業主都合」ということになります。特定求職者給付金などの助成金を受給している場合は打切りになってしまうので注意が必要です。

その他思いつくのは、以下の通りです。

①育児休業・介護休業は 期間の定めのある労働契約の場合は一定の条件をクリアしている必要がある。

②労働契約法と新たにパート労働法の改正で、期間の定めがあることにより労働条件が不合理な差異があってはならない。

③パート労働法は通常の労働者と比較して所定労働時間が短い短時間労働者が対象ではあるが、正社員と同じだけフルタイムで働いているパートタイマーに対しても、パート労働法の趣旨が考慮されるべきであることを留意することと指針で定められている。

④平成28年10月から、社会保険(健保・厚年)の加入義務は拡大する条件は、以下の通りであること。1.1週間の所定労働時間20時間以上 2.月額賃金88,000円以上(年収106万円以上) 3.当該事業所に継続1年以上使用見込み 4.労働者等総数が常時500人を超える事業所であること 

まだまだ頭が整理されていないことを自覚しましたが、頑張って組み立てていきたいと思います。


契約社員の就業規則①

2014-08-24 23:59:30 | 就業規則

いよいよ8月もあと1週間になりました。この夏はあっという間に終わってしまった感じでした。そんな中で9月にいくつかのセミナーのご依頼を受けており、そのうち2つは顧問先企業での有期契約の無期転換や契約社員の就業規則がテーマです。いよいよ労働契約法の改正から3年目の来年の春に向けて各社動き出した感じです。無期転換の権利発生の通算5年を超えるまで雇用を継続するかどうかの評価をするには、1年間という期間は必要かと思いますので妥当なところだと思います。

この秋のセミナーでは、平成24年4月の改正労働契約法の施行からここまでセミナーをさせて頂いたり、就業規則の改定をお手伝いさせて頂いたり、企業の質問をお受けしたりという様々な事柄を一から整理して、新たな気持ちで準備してみようと思っています。

そういう意味で少し契約社員の就業規則については何度かその時に考えていることをブログに書こうと思いますので今回は第1回とさせて頂きました。

就業規則を毎月のようにチェックさせて頂いていますが、契約社員の場合正社員の就業規則の適用からは除外されていることがとても多いです。その場合、「契約社員及びパートタイマーについては契約書の定めによる」と記載されていることがほとんどです。正社員とは別個に契約社員やパートタイマーの就業規則を定めることは問題ないのですが、別の就業規則を定めずに契約書の定めだけという状態は本来認められないとされています。これまでもその点について、監督署などの臨検でも指摘がありましたが、やはり全体からみると契約社員の就業規則は整備されておらず「個別の契約書による」というものが半数以上という気がします。

またもう一つの方法としては、契約社員等の就業規則はあるにはあるが、正社員の就業規則を一部分「準用」するという仕組みにしている場合もあります。準用するということになると、契約社員が正社員の就業規則の準用適用される部分を見ることができる必要があり、正社員の労働条件を知ることが可能となります。会社や人事にヒアリングするとできればそれぞれ本人たちの労働条件以外と比較して欲しくないという意見が多くあり、周知の点において準用がうまく機能できるかどうか危うい面があります。また最近は「正社員の就業規則を準用するという記載がある場合、それはすべての条文にあてはめ得る」とし、弁護士が労基法第93条を示し「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効であり、正社員の就業規則が全面的に適用されるべき」と紛争の場で主張することもあるようです(この理屈は今のところ認められず、契約社員等の就業規則で正社員の就業規則を準用するとあれば、その部分のみを正社員の就業規則によるものとするという判断ではあるようです)。

そういう意味でも、また来春パート労働法が改正施行されることでも、ますます労務管理を正社員・契約社員・パートタイマー・定年後再雇用嘱託社員等区分に応じてきちんと区別する必要があり、各区分ごとに就業規則を整備していくことが必須だと言えます。

今日は社会保険労務士の本試験でした。受験生はきっと今頃疲れ切って、またとにかく肩の荷を下ろしておられることと思います。お疲れ様でした。また今回もちょっと?という問題もあるようですが、頑張った分の結果が出ることを願っています。


就業規則について思うこと

2014-03-02 23:08:32 | 就業規則

開業してからたくさんの就業規則見させて頂いてきたと思います。数を数えたことはありませんがたぶん100はゆうに超えるのではないかと思っています。今週も3つの就業規則の改定やチェックの仕事をしました。開業して初めての仕事も就業規則を作ることでしたが、当初はとにかくモデルに忠実に文言を考えて、一つ何かのルールを決めるのでも就業規則の本を何冊も見ながらおそるおそる加筆していくような感じでした。そもそもやはり労働基準法を始めとして法律がベースになっており、就業規則の作りも法律にならっているため、どの就業規則も固い作りになっているのが一般的です。

開業してまだ間もない頃、ある先輩社労士が「就業規則をもっと一般の人がわかるようわかりやすい文章で作る方が良い」とおっしゃっているのを聞いて「確かにそうかもしれない」と思ったりもしましたが、なかなかそういう就業規則にお目にかかることはなく、自分でも作ったことはありません。

資格取得校のテキスト作成の補助を長く担当して、講師としてもいつも法律条文に触れていたため、そのうち法律条文に自分が馴染んできて、その上就業規則の仕事をたくさんさせて頂いたお蔭もあり、今は一つのルールを作る際におおかたそのための言い回しは頭の中で作ることができるようになりました。たまにそういう場合ってどんな言い回しを他の人はするのかなと考え市販本などのモデル条文を確認することもありますが、だいたい各企業独自ルールを決めることになる場合そのモデルは一般的な書籍に載っていることは少ないような気がします。

先日受講生のOBの集まりであるBBクラブで、ある一流企業の社員である会員が「就業規則も品格というものがあるから…」と話してくれて「確かにそれはそうだなあ」と同感だと思いました。分かりやすいルールブックのような就業規則があってもよいかと思いますが、ある程度の規模の歴史ある企業となるとそれでは足りないような気がします。大きな会社の就業規則はそのためか就業規則とマニュアルに分かれていて、就業規則は本当に最低限きっかりと条文が並んでいて、マニュアルの方に運用などやわらかい言葉での解説が書いてあるというつくりになっているものが多くあります。マニュアルの言葉は若干正確さを欠く場合もありますが分かりやすく、本則の条文がきっかり規定されているため何かトラブルで確認する場合にも問題はないということになります。

今後ますます色々な業種で若い社長が生まれてきて、これまでの常識を覆すような新しい就業規則というものが出てくるのかもしれません。それはそれでショックを受けるかもしれませんが、楽しみでもあります。それに対応できるような柔軟な自分でありたいとも思います。

就業規則を拝見しているとその企業の空気というか雰囲気を感じます。OURSのモデルから文章を引っ張ってくるとしても、それらをなるべく壊さないようにという気は遣います。

最近の試みとしては、妊娠・出産・育児関係の規定をすべて就業規則の本則から切り取り別規程にするということをやってみました。本則で労基法と均等法の規定、育児介護休業規程で育児回りの規定というのが一般的なのですが、例えば本来は育児介護休業法に規定されている子の看護休暇などがときに就業規則本則に規定されていたりして、どちらを見たらよいのかなかなか分かりにくいといつも感じていました。そこで時系列ですべてを並べ出産・育児介護休業規程に収録し、本則には委任規定だけを規定するという方法をとってみました。会社さんがそれは嫌だと抵抗を示されたらひっこめるつもりでしたが、案外気に入っていただいたようでしたのでこのままいけるのかなと思っています。特に今後契約社員就業規則を有期・無期転換・無期といくつも作る際は外出しをして共有する方が効率的かつ見やすいかなと考えています。

以前から気になっていた年に1回簡易労務監査を顧問先に実施したいという目標ですが、思いきって先日事務所に夜遅くまで残り運用チェックシートを作ってみました。これまでもいろいろと試行錯誤して作ってあったチェックシートがあり、それを簡易に取りまとめたものなのですが約60項目になりました。これでこの春何社か実施させて頂いて、改良を加えていき、事務所のスタッフ皆が顧問先を訪問してヒアリングできるような留意点もワンフレーズで加えて毎年会計監査と同じイメージで実施できればよいと考えています。また新規に委託された会社さんにも受託当初にこれを実施し、心配な部分や問題点を伝えることができればとも考えています。やっぱり社労士の仕事は面白いです。


モデル就業規則

2009-11-02 21:10:33 | 就業規則
2009.02.16(No.16)
就業規則というのは、特に問題が起こっていない状況であればあまり開いてみることもなく、自分の会社の就業規則を見たことがないということはよくある話です。しかし、いざ事が起こったときに使える就業規則にしておくことは大切なことです。従って、就業規則の見直しや、会社が作成した就業規則をチェックするという業務の依頼はとても多く、私もいつも数社の就業規則の案件を抱えています。
ただ認識しておきたいのは、就業規則はナマモノであるということです。どんなに細かくあれこれ検討して、完成したときにこれで完璧だと思っても、法改正があったり、思いもかけない事件が発生したり、社会の状況が変わってしまったりということで、一度作ったらそれでよいわけではなく、かなり頻繁に見直しが必要なのです。1年に1回、おおむね4月に施行される法改正に合わせる形で、必要な部分の更新をしていくくらいでちょうど良いと考えています。
10数年ほど前からOURS小磯社労士法人のモデル就業規則を作ってあり、1年間の間に、いろいろな企業で起こったことの中で、就業規則に規定をしておく方がよいと考える規定や文言を常に加筆修正していきます。各企業の見直しの際に、そのモデルを元に必要に応じたご提案をしていくためです。
社労士業務の関係法令が載っている労働法全書は、毎年新しいものを購入しますが、その昔、社会保険労務士の勉強をしてみようと考えたときに、TACの受付で「数年前の労働法全書を持っているのだけれど使えますか?」と聞いたところ「化石です」と言われてビックリしたことがありました。就業規則も、常に鮮度を保つようにメンテナンスしていかないと化石化して、いざという時に使えない就業規則になってしまうものです。

新標準就業規則

2009-11-02 20:57:58 | 就業規則
2007.07.23(No.03 )
今春の雇用保険法の成立遅れに続き年金問題が発生し、ここまで事務所はいつもより業務のスケジュールが立ちにくく落ち着かない状態だったと思いますが、算定もほぼ終わり一段落したところです。
小磯事務所のモデル就業規則は、ここまでかなり忙しい中で、少しずつ時間をとって、これまでのものをさらに強化すべく、作り込んできました(仮称・新標準就業規則)ので、この夏には顧問先を中心に「リスクに備えた加筆部分」を提供できることになりそうです。
秋からは適格退職年金の対応と労働時間管理について、集中して力を入れていく予定です。適格退職年金については、事務所内のスタッフでプロジェクトチームを結成し、労働時間管理は私が労働時間設定改善アドバイザーとして各企業のご相談を受ける中で事例の蓄積をしていきます。
社会保険労務士試験もあと残すところ1ヵ月となり、受講生は本当に追い込みに入り辛い時期でもあると思います。今年こそは良問が揃い、実力の十分反映できる本試験であることを願うばかりです。