OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

「スタートアップ」の育休支援

2021-07-24 23:54:21 | 労務管理

7月13日の日経新聞に「男性の育休取得を促進 スタートアップが相次ぎ新制度ー法改正受け出産時に70万円支給も―」という記事が載りました。来年の4月と10月の育児介護休業法の改正に向けて、顧問先企業を中心に改正の内容を説明しているところではあるのですが、改正の内容にプラスアルファを加えて魅力ある働き方を提案する、という考え方は最近出てきた方向性のように思います。またそのプラスアルファが数万円などではなく桁が違うというかなり思い切った額を設定していることも特徴だと思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC10BVW0Q1A610C2000000/

この「スタートアップ」を調べていくと、経済産業省が提案する大企業×スタートアップのM&Aという成長戦略が出てきてその報告書は非常に興味深いものでした。まだまだ勉強しなければ説明できるレベルには達していないと思いますが、「スタートアップ」をイノベーションの担い手として位置付け、大企業の成長戦略の中にスタートアップを対象としたM&Aを組み込むことで、オープンイノベーションによる中長期的な価値向上が実現できるとしています。

ネットであれこれ調べてみると「スタートアップ」には、必ずイノベーションが要素としてあり、短期間に企業価値を最大化して、EXITを目指すということです。EXITとは上場(IPO)又はM&Aによって大きなリターンを得ることということなのですが、アメリカがM&Aが9でIPOが1なのに対して、日本はM&Aが約3でIPOが7なのだそうです。経産省は大企業がスタートアップを支援した上でM&Aを行うことにより新事業を創出、展開していく、ということを狙いとしていると理解しました。あれこれ考えてみると顧問先や友人から聞いた話などの中にそういった動きが色々とあることに思い至り、社労士として支援できると面白いと興味がむくむくとわいてきます。また、そう考えると日経新聞に載っている、来年の改正を契機とした人材確保のためのこれまでとは破格の魅力あるメニューをスタートアップが設定することも納得できるものです。

オリンピックが始まってテレビをずっと見ていますが、開会式のピクトグラムは楽しかったですね。とても気に入ってしまいました。開会式前に5輪を描いたブルーインパルスは、1964年の東京オリンピックの時も上空を見上げた記憶があるので、今回もどうかなあと思っていたのですが、なんとビルの合間の我が家の窓からほんの少しだけ見える空を飛ぶのが見えて、慌ててスマホのカメラであてずっぽうで撮ったところジャストで写っており、ちょっと盛り上がってしまいました。これから8月8日まで色々見たい競技があり仕事中も気になりそうですね

ところで東京都社労士会恒例イベント「夏休みこども年金教室」が8/18開催されます。今回はzoomで行われるということで地方からの参加も可能なそうです。夏休みの自由研究にもなる「年金新聞」が出来上がるということで、夏休み後半の宿題の追い込みにもピッタリかと思います。10歳前後の子供さんやお孫さんがおられる方は是非参加してみてください。
https://www.tokyosr.jp/topics/2021-topics/44602/


傷病手当金の受給原因

2021-07-18 23:24:44 | 社会保障

傷病手当金の受給の原因となった傷病別に件数の構成割合をみると、精神及び行動の障害が31.30%で最も高く、次いで新生物が18.63%ということです。精神および行動の障害(いわゆるメンタル疾患)が傷病手当金の受給原因のトップにいつ頃なったのかと気になったので調べてみました。

「年度別に傷病手当金の受給の原因となった傷病別の件数の構成割合をみると、消化器系の疾患は、平成 7 年は 14.64%であったが、令和元年3.55%と大幅に減少しており、一方、精神及び行動の障害は、平成 7 年は 4.45%であったが、平成 15 年には 10.14%と 10%を超え、令和元年には 31.30%と大幅に増加している」。

ちなみに平成22年の調査報告の数字では、精神及び行動の障害が 25.64%で最も高く、次いで新生物(20.13%)と既に精神および行動の障害が最も高くなっていますが、平成25年においても精神及び行動の障害が 25.67%で最も高く、次いで新生物(20.40%)と大きな変化は見られません。その後の推移を見ていくと、じわりじわりと数字が上がってきており、とうとう30%を超えたのが令和元年という状況です。平成15年の時代でも約10%だったものが約15年後の令和元年には30%超えということで、これは実感と近いものであると言えます。

全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律が来年施行されることになっており、1月の施行で、「 労働安全衛生法等による健診の情報を保険者が保健事業で活用できるよう、事業者に対し被保険者等の健診情報を求めることを可能とする」という項目があります。これは 現在、40歳以上の者を対象とする特定健診については、保険者が保険事業を行う上で活用する情報提供の仕組みがあるが40歳未満の者については、同様の仕組みがないためということで、「40歳未満の者に係る事業主健診等の結果が事業者等から保険者へ提供される法的仕組みを設ける」ということです。データ分析を活用して「精神および行動の障害」が減少するような何らかの対応ができると期待します。

※令和元年度「現金給付受給者状況調査報告 (全国健康保険協会)」他より。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat740/sb7200/sbb7206/

昨日はBBクラブの勉強会をzoomで開催しました。ウェビナーで2時間法改正講義をした後ミーティングに切り替えてzoom懇親会をしたのですが、とても楽しくあっという間に時間が経ってしまいました。在宅勤務でこの1年2回しか会社に行っていないという話とか、ワクチンの職域接種の話とか、人生ハイリスクハイリターンで行く方がよいのかローリスクローリターンを狙うべきかなど30名弱が懇親会にも参加してくれてあれこれ話をして過ごしました。もう20年以上のお付き合いになる方もいて、本当にBBクラブがあって良かったと改めてしみじみ思いました。

※BBクラブのhp7月17日のページに私の御礼コメントを入れました。受講いただいた方の感想などコメント入れて頂くと嬉しいです。

いよいよオリンピックが始まりますね。どんなオリンピックになるのか想像が今一つつきませんが、楽しみたいとは思っています。受験生は心配でしょうけれどメリハリつけて勉強に集中したら、時間を決めてテレビで観戦するのは気分転換に良いのではないでしょうか。


夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定について

2021-07-12 00:04:34 | 社会保険

4月30日に厚生労働省保険局保険課長名で「夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定」についての通達が出ています。内容の抜粋としては以下の通りです。

1.夫婦とも被用者保険の被保険者の場合
① 被扶養者の人数に関わらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入見込み。)が多い方の被扶養者とする。  
② 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。
③ 夫婦の双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべき者に係る扶養手当等の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。なお、扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由に被扶養者として認定しないことはできない。

2.夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合 
  被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を主として生計を維持する者とする。

3.主として生計を維持する者が健康保険法に定める育児休業等を取得した場合
 育児休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しないこととする。ただし、新たに誕生した子については、改めて認定手続きを行うこととする。

夫婦ともに働くケースが当たり前となり、女性の収入が増加して夫の収入を上回るケースもあるからということで問い合わせが増えてきたための通達なのかなと理解しています。通達原文は以下の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210512S0010.pdf

今週末17日(土)はBBクラブの勉強会です。今回は来年の法改正の話が中心となりますのでレジュメ作りも結構大変でしたが何とか出来上がりそうです。BBクラブの皆さんとzoomですが久しぶりにお会いできるのが楽しみです。ウェビナー形式の講義とミーティング形式での懇親会に分かれるので講義終了後懇親会用のzoomのURLに入りなおしていただくようです。詳しくはOURSのHPのBBクラブのページを確認してください。

ところでオリンピックはとうとう無観客が決定しました。国立競技場での観戦チケットが当選した身としては残念ではありますが、国立競技場はまたコロナが収まれば行くことも可能でしょうし、切り替えを早く前向き考えると、いかに無観客のオリンピックを楽しめるように考えていくかということが大切だと思います。コロナ下、無観客のオリンピックをどのように楽しむか、そのコンセプトを政府が明確に示せると良いのではないかと考えるのです。例えば、オリンピックはお祭りのような雰囲気で特にロサンジェルスオリンピック以降商業化したとも言われてきたわけですが、今回の東京オリンピックは「純粋に競技を楽しむことに集中する大会」というテーマなどはどうでしょうか。

これまで前回の東京オリンピックを子供ながら経験したといっても甲州街道を走るマラソン選手をチラと見た記憶しかなく、海外開催の際に海外に出向き競技場などで観戦したことはもちろんなく、ひたすらテレビで楽しんできたわけですので、東京オリンピックをテレビでしか見れないことは特にこれまでと同じということでしょうし、むしろ生で見るよりテレビの方がよく見えるということもありますしね。私の楽しみ方としては、ゆっくりコーヒーなど飲みながらテレビ観戦を楽しむためという理由をつけて以前から欲しかったコーヒーカップ&ソーサ―を2種類購入しました。そんな風にささやかに楽しめる工夫をしたいと思います。


小さな会社の退職金制度

2021-07-04 23:06:11 | 退職金

退職金制度を導入したい、退職金制度を見直したいというご相談が時々あります。100人未満の企業であると退職金の状況はどのようであるか調べてみました。

まず退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は77.6%、うち退職一時金制度のみが82.1%で、大半は一時金であり退職年金制度(確定給付企業年金・確定拠出企業年金など)や一時金・年金併用あわせて約18%となっています。(平成30年就労条件総合調査より)。

退職一時金制度の支払い準備形態としては、社内準備が49.8%、中小企業退職金共済制度が50.8%となっています(同調査)。

受給に必要な最低勤続年数は自己都合の場合56.2%(会社都合が42.2%)が3年以上4年未満ということで、3年以上勤務で初めて退職金を受給できる制度になっていることが多いようです(同調査)。

肝心の退職金の金額ですが、東京都産業労働局の中小企業(10人~299人)令和2年度の調査計モデル大卒で勤続年数33年で自己都合の場合8,359,000円(会社都合9,153,000円)ですが医療福祉のモデルの同じ条件では4,238,000円(会社都合4,238,000円)となっており、やはり中小企業の場合500万円弱から800万円程度の金額で設計していくのが適切なのかなと考えます。ちなみに平成30年就労条件総合調査によると定年の場合19,830,000円ということで、大企業を含めると額に差があります。

退職金の算定方式は主に3つあり、①定額制、②支給率方式、③ポイント制ということになり、成果を退職金に反映するとすればポイント制ではありますが、等級制度など人事制度がある程度整備されていないと導入が難しいと考えます。中小企業退職金制度に加入している企業が多いことを考えると、勤続年数や個人の成績を掛金に反映していく方法が考えられると思います。

また100人未満の起業であると確定拠出年金の企業型の導入は手間等の点で難しいということですが、個人型確定拠出年金(iDeCo)で企業が個人の拠出に上乗せする方法がありますので、退職金ではないですが、将来の年金の補完として検討することは良いと思います。

東京都産業労働局
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/r2/index.html

雨の中、今日は選挙があったので行ってきました。投票率は低いといわれていましたが、かなり多くの人が会場に来ている印象でした。開票も即日ということでほぼ今の時間帯には結果は出ていますが、やはり選挙は厳しいですね。渋谷支部でお世話になっているお二人の候補は落選となりました。この1年半新年会等もなく社労士会に来ていただく機会がなかったのでそれを考えると選挙活動も難しかったのではないかと思います。これにめげず政治活動を頑張って頂ければと思います。